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魔の山をおりる [たびの空]

カルガリ空港のラウンジで、成田行きの出発を待っています。考えてみれば、ここに始めて来たのはまだ「天才少女」だったあいざわりえこさんがカルガリフィルに出るのを追いかけて、どっかアメリカ合衆国から入ってきだったか。名画(なのか?)「クール・ランニング」でジャマイカ・チームがカナダの地に到着し空港を出他瞬間に寒くてしにそーになるという場面が撮影された空港ホテルに泊まり、なんだかなーんにもないとんでもないところに来てしまったなぁ、と思ったんだっけ。

それから、3年毎にバンフ・コンクールを眺めに来るようになり、シアトルやサンフランシスコ乗り継ぎから直行便になり、帰国の夏の終わりのレイバーデイでノースウエストは日本に戻る米軍関係者でパツパツという状況からは解放された。今日も、なんか、普通に成田行き、観光客のみなさん楽しかったですかぁ、って感じの滅茶苦茶広くてガランとした空港が広がってる。

1週間滞在したバンフ・センターの宿舎の窓のそと、目の前に枝が出ている杉の木に、「おい、おまえら、もう帰っちゃうのか」とでも言うように、カラさんの群れがやってくる。
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ちょっと顔がコワいぞ、Mountain chickadeeさん、て方達。日本語に直訳すれば、なんだい、ヤマガラさんじゃあないの(追記:マミジロコガラ、という日本名があるそうな)。え、ぼぼくのことですか、って真面目で一生懸命働く頭の良い色の綺麗なちっちゃい方が、吃驚してらぁ。バンフの森は、実はそれほど生き物たちが濃いところではなく、地面を走ってる鼠からチップマンク、スクウェル、さらにはエルクの子供達まで、あまり数は多いとは言えません。飛んでる方々も、巨大猛禽類のえらそーな方は姿をみず、雀の親戚たちと、カラの群れが動いているくらい。

誰にとっても生きるのが大変なとこで、世の中になーんにも役にたたな「あーと」をやろー、ってこの場所、今回の結果は、いろんな意味で「バンフ・センターという場所は何なのか」を真っ正面から考えさせられた。なにせ、「21世紀カナダ最高の弦楽四重奏団ロルストンQの歴史の最初に記される記念すべき栄光の瞬間」に立ち合ってしまったんだからなぁ。ま、カナダ音楽史、演奏史に特筆される出来事に巻き込まれちゃった他の連中には、ご愁傷様としか言いようがないのだけどさ。

「うん、来たことに意味はあったよ、勿論」とドイツ某所の彼女さんのもとに急ぐベルリン東京のモーティ君、「勉強になりました」とやっと直接話せるようになった名倉先生の隣に座って空港までの2時間みっちりお話を出来た我らがアルパのとはら君、そして「期間中、審査員の間でも、参加者の方とも議論することを禁じられてたので、ストレスがたまりましたわ」と苦笑しているお疲れ様審査員の名倉先生。
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さあ、空港に到着。みんな、何かを得て、この魔の山を下りていく。勿論、あたしらじいさんばーさんもね。

普通の、でも普通じゃ無い、日々が始まる。とにもかくにも、一度、湾岸に向かいます。

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