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ダニエル・ベル元気です [演奏家]

エッセンにおります。都響がヨーロッパ公演で来たとき以来かな。なんせ、昨日はインタビューのテープ起こしで寝たのは3時前。6時半には起きてなんのかんの、午前11時成田発のデュッセルドフル便に乗って、シベリア上空でテープ起こし内容を記事にする作業をして、ウラル山脈直前くらいで一応、初稿は完成。それからヨーロッパに入ってペテルスブルク上空くらいまでちょっと寝て、午後4時前に到着し、5時頃にはDBでエッセン中央駅まで来て、宿に荷物投げ込んで風呂浴びて一寝入りする暇もなくアールト劇場まで行き、楽屋口に向かい…って調子。午後7時からは半分沈没しながら《ティトゥス》見物して、今に至っておりまする。本日は30時間以上あり、そのうち睡眠時間は3時間ちょっと。こりゃああ頭が海胆になる…

なんでここにいるかはともかく、こんな方に会いました。
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そー、エッセン歌劇場のコンサートマスター、ダニエル・ベル氏でありまする。ってか、皆々様におかれましては、溜池室内楽お庭でヘンシェルQがベートーヴェン全曲やったときのセカンドさん、って言った方がお判りでしょうね。

ペッターソンQがアルテミス騒動の玉突きで解散になり、その後、ベルリンフィルに数シーズン加わったのだが、クァルテットがやりたくてヘンシェルQに復帰。そのときにエッセンとBBC響のコンマスもかねて、ヨーロッパの常設団体では極めて珍しいコンマス複数との掛け持ちを数シーズンやっていた(そもそもベルリンフィル世紀団員の収入をクァルテットだけで得るなんて、アルテミスやハーゲンだって不可能)。だけど流石に無理ということで、昨シーズン今頃の日本ツアーを最後にクァルテット業界からは引退、コンマスに専念することにした。なかなか波乱の経歴でありますねぇ、こうして記すと。

まあ、この話には、ヘンシェルQのルクセンブルク国立大学のレジデンシィの話があって、ほぼ決まっていたのだが、最後の最後に国会での予算承認がされず流れた、という背景があるのですが…それはまた別の話。ちなみに、ヨーロッパでも所謂「常設弦楽四重奏団」としてツアーや録音だけで食って行けている団体は、2017年現在、そーねー、恐らく…アルディティQ会社だけじゃないかなぁ。ある年代を過ぎて続いている団体は、どれもメンバーの数人が安定した教職を持ってます。

もとい。で、楽屋口で待っていて、ビックリさせてやろうと思ってそっちに向かったら、なんと外で団員と話をしていてヨロヨロやってくるあたくしめを発見し、デカイ声で「やくぺんさーん!」と手を振って来た。ビックリしたなぁ、なにしてるの、いや、来週からレッジョのコンクールでさ、ヨーロッパに入るのにいろいろ道はあるんだけど、ここで今日はプレミアが出るから絶対に乗ってるだろうと思って、さっきデュッセルドフルに着いたんじゃわな…

ダニエル、昨シーズンからは家族もベルリンからエッセンに引っ越し、実質、この地を拠点に生活しているとのこと。ツアーもないし、スゴく安定した生活だよ。子供の教育にもね。そうそう、このオペラのオケの連中とクァルテットを組んだんだ。あ、今日の《ティトゥス》は、空港が舞台だからビックリしないでね。このプロダクション、歌手から制作スタッフから全てがうちのハウスの専属メンバーだけで作ってるんだよ…

立ち話で近況を語る姿は、とてもお元気そうでした。

こういう生き方もある。音楽的にも、(普通なら)眠気も吹っ飛ぶような勢いの良いモーツァルト。長い夏至前のヨーロッパの土曜の夜が、やっと暮れていく。

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