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真夏のマラ9へ [たびの空]

台北桃園空港から、リムジンバスで台中駅に向かっています。今、どうやら学園都市みたいな新竹市というところを台湾国道1号線だかで抜けているところ。バスは案外、大人しく走ってます。韓国の高速バスよりずっとノンビリ。周囲は緑の深い山が迫っている海沿いにずーっと街や田圃や工場が広がっているという風景が続いてます。一瞬、夏の九州道を走ってるのかと思っちゃう。アパートが香港なんかと同じタイプの、でもうんと低層なんで、日本列島じゃないなぁ、と判る。

なんせ桃園空港のスポットに書いてある緯度は、北緯25度。北回帰線が北緯23度ちょっとくらい、ましてや夏至が過ぎたばかりとなれば、ほぼ太陽は頭の上にあるわけで、正に文字通り「真夏」に向かっているわけでありまする。

なんでこんなことになってるかといえば、まあ、話は簡単で、台北の若く熱心な主催者さんがもうどうにでもなれ、ってわけでもないえど、頑張ってやることにしたダネルQの「ベートーヴェン+ヴァインベルク+ショスタコーヴィチ」全16回演奏会の最初の6回が去る水曜日から始まっている。このサイクル、やるとは聞いていたがいつになるかがハッキリせず、どうもやくぺん先生がレッジョなんぞに行っている頃らしい、またすれ違いだなぁ、と思ってたら、去る月曜日に成田に帰国そうそう、マーク・ダネル氏から「お前、来るんだっけ」という連絡が入った。そこからバタバタばたばた…

んで、本来は今日は上野でアルディッティQが西村朗の第6弦楽四重奏東京初演をする日で、そっちに行かねばならぬ筈なんだけど、いろんな手違いで(その説明はしたくないぞっ!)今日の朝に台湾に到着することになってしまい、まあアーヴィン達は若い評論家さんなども一生懸命盛りあげてくれているからわしゃもうお役御免と神様がお考えになれれたのであろーと、腹をくくってこの島に至った次第。ぶっちゃけ飛行機のタダ券が取れたのが今日の朝一の便だけ、でも今日はダネルQは唯一のお休みという。ったら、今、台北にいらっしゃる文化人類学アイヌ研究&拉麺研究家の某氏から「今日は台中で台湾で一番古いオケがマーラーの8番やりますよ、僕は行くんですけど…」という情報をいただいた。
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てなわけで、夏至の北回帰線の下、フォルモサの弦の慟哭を聴いてやるべーか、ということになった次第。

さても、たった2日の台湾たびの空、なにがあるもないけれど、どーなることやら。北緯24度の土曜午後3時、これぞ、真夏。どうやら今は、清水、というところらしい。台中まで、あと少し。
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回帰線 跨ぎ舞い飛ぶ 鷺の群れ

★★★

てなわけで、台中の中興堂で当地を本拠地とする国立台湾交響楽団(NTSO)が、PMFでもお馴染みだったウェンピン・チェン指揮でマーラーの9番を聴いてきたでありまする。
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ま、いくつもプロオケがある台北(ちなみに、上の空港に掲げられた写真は、日本では「フィルハーモニア台湾」として知られる台北のオケです、台中のNTSOとは別団体でありまする!あたくしめも、やっとさっき理解しました)から離れた場所に、国家の肝いりで実質上再結成された「国立交響楽団」でありますから…なんというべきかなぁ、これからのオケ、ということなんでしょう。ともかく、マーラーの9番というとてつもない曲をみんなでちゃっとやったぞ、という演奏でありました。ある意味、マーラーすれっからしの日本の聴衆とすれば、アマオケ聴くみたいな新鮮さがあるかな。ホルン全員女性、ってのは凄いなぁ。
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ちなみに、NTSOは9月15,16日には台中と台北でマーラーの8番やります。指揮は、シンガポール響のシェフ、ラン・シュイであります。日本のマーラーに飽きたマニアの皆様、是非どうぞ。その先は3番もあるみたい。

あ、東京では明日、ヤマカズのまらくだっけ。

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