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演奏家がSNSで情報発信するということ [演奏家]

雑談です。

昨日来、今の世の中のあり方を考える上で非常に興味深い事態が勃発しております。事の発端は、これ。
https://twitter.com/DBarenboim/status/1577358192711008256

ピアニストで指揮者のダニエル・バレンボイム氏が、昨日、自分のtwitterで「このところ体調不良で、この先数ヶ月の音楽活動、とりわけ指揮活動を停止します」と発表しました。

この情報が流れたのは、昨日10月5日の日本時間での午後くらいから。バレンボイム氏のtwitterをフォローなさってる方は世界にどれくらいいるか知りませんけど、まずドイツ語で出され、英語でも同じ内容が出されたツィートは、あっという間に世界の数千人単位の目に触れたようであります。日本でも、Facebookなどに「大変だぁ!」というファンや業界関係者さんからの情報が瞬く間に流れるようになり、夕方にはみんな知ってる、みたいになってましたね。

まぁ、バレンボイム氏に於きましては、コロナ明けのリンデン・オパーとすれば最初の最も大きなプロダクションのひとつで、とっくに売り切れてる《リング》チクルスからの降板が数週間前に発表された段階で、これはなかなか大変じゃないかぁ、という空気は流れておりました。あ、もう最初のチクルスが《ヴァルキューレ》まで出たところなのね。おいおい、あっという間に売り切れという話だったのに、今日の《ジークフリート》は当日券が出るじゃないかぁ!11月3日の《ジークフリート》、強引に動けばベルリンに回れなくもないので、チケット確保出来たら無茶するか、と思ってもいたんですが…そっちはまだチクルスの販売のみですねぇ。チクルス席で完売となってるチケットだけど当日になればチョロッとは出てくる、ということなのかしら。そうなら、ともかくこの日はベルリンに控えていて、翌日朝にエベーヌQ聴きにハンブルクに向かう、という日程にしてしまう荒技もあるなぁ。
https://www.staatsoper-berlin.de/en/programme/ring/
ま、それはそれとして…やはり、というか、やっと、というか、監督の動向に関してはこのような発表になったわけですな。

で、こうなると当然気になるのは、来る11月末から12月にかけて予定されていたリンデン・オパーのオーケストラを指揮しての来日公演であります。こちら。
https://tempoprimo.co.jp/
日本の招聘元さん、現時点でも未だにトップに華々しくバレンボイム監督&リンデン・オパーオケのバナーが踊っておりまする。
IMG_5601.JPG
とはいえ、ニュースページに行くと、こうなってる。
https://tempoprimo.co.jp/archives/6885

昨日の本人からの一報が世界に流れた瞬間から、どれだけの数の人が招聘元さんの公式ページに走ったやら、恐らくはチケット買った人の全員が慌てて覗きにいったでしょうから、もの凄い数の検索数だったでしょうねぇ。で、この招聘元さんからの情報がアップされたのが本日の午前中。つまり、丸1日とは言わないまでも、半日以上の時間、バレンボイムのブラームスが聴けると心躍らせていた方々は宙ぶらりんな状況だったわけですなぁ。

具体的にそれで何が困るわけでもない、どうしようもないといえばそれまでの話とはいうものの、うううむ、これって、とってもイヤな状況だなぁ。

バレンボイム氏はその周辺の方々が、マネージャーやオーケストラ運営の方々、はたまた海外公演の招聘音楽事務所やら主催団体に、事前に連絡をした上でこのtwitterでのアナウンスがあったのか?日本側の対応が遅れたのか、はたまたどうしても昨日の欧州時間での朝一での告知の必要があったのか?なにがなにやら。

昨日午後、一報があった情報がフェイクではないか、twitter画面を本人のオーセンティックなものと確認する方法って何があるのやら、マジで考え込んでしまったです。

とにもかくにも、このような情報が本人の口からいきなりファン愛好家関係者の携帯端末なりPC画面なりに届いてしまうとてつもない時代なんでありますわ、わしらが生きているのは。礼儀正しい媒体なら「バレンボイムさんの健康と無事の復帰を祈ります」などと書いてオシマイにするんだろうが…ま、当無責任電子壁新聞は、以上オシマイ。ところでリンデン・オパーの《リング》、誰が振ってるの?

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haydnphil

Yakupen先生、
お久しぶりです。私はドイツ語のニュースサイトでドイツ時間の10月4日の夜9時頃に知りました。バレンボイムのフェイスブックには「1時間前」と出ていたので4日の8時頃(日本時間だと5日の朝3時頃)に投稿されたみたいです。なぜこのタイミングかはわかりませんが、グラモフォン・アワードでライフタイム・アチーブメント賞を受賞したことがきっかけだったのかもしれません。メッセージでは引退をほのめかしているようなところもありますが、ライフタイム・アチーブメント賞の受賞スピーチだっだら納得かもしれません。ドイツのプレス、特にベルリンの新聞はショックみたいです。
ちなみに国立歌劇場のリングは第1,3サイクルはティーレマンで、第2サイクルはシカゴ響に客演しているのでカペルマイスターのグッガイスです。南ドイツ新聞などはティーレマンが後任候補の筆頭みたいに書いてます。
by haydnphil (2022-10-06 20:03) 

Yakupen

ご無沙汰です。情報、ありがとうございます。お元気ですか?欧州遙かになってしまった3年、もう関心ない世界になってしまったとはいえ、世の中動いてますねぇ。日本はますます離れ小島かも。


by Yakupen (2022-10-06 21:55) 

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