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隠居のたびの始まりの終わり [たびの空]

霜月元日に新帝都湾岸は羽田空港を発ち、延々7時間以上チャンギ空港で過ごしたシンガポール経由でウクライナ上空を避け黒海南はトルコ上空周りで30時間、翌朝には懐かしや独逸国フランクフルト国際空港に到着。ターミナル地下のローカル線ホームから始まったユーロパス10日間鉄道乗り放題のたびの陸路は、何故かパスのトラブルで下車しチケットセンターでおばちゃんとなんのかんのやったフルダ駅でリスタートし、ベルリン、ドルトムント、ハンブルク、ヴッパタール、エッセン、ベルギー抜けてリール、ユーロトンネル潜ってロンドン、再びトンネル潜り仏白と国境越えてハノーファー、フランクフルト、ザールブリュッケン、ユーロパス使い倒し欧州振り出しのフランクフルト空港地下ローカル線ホームに戻り、また旧ハプスブルク帝国からトルコ、インド横断しシンガポール、そして29時間のたびの空で福岡空港へと戻ったのが15日朝。国際線ターミナル下からパツパツの直行バスで温泉県盆地バスセンターに戻り、ハイパー庭師様に迎えられてオフィスに倒れ込み、翌日は雑務と洗濯に明け暮れ、再び17日午後には福岡空港国際線ターミナルからヒョイッと海峡跨いで40分、底冷えの大邱に到着。翌日は大邱国際オペラ祭の広報さんらと話をしたりして、次の朝にはパツパツのKTXでソウルに至り、やっと昨日昼過ぎに仁川空港から福岡空港に帰国。なんのかんの総計20日のツアーを終え、すっかり温泉宿の夕食時間となった午後7時過ぎに半島からの若いお客さん溢れる温泉県盆地オフィスに滑り込み、ぶっ倒れたのでありましたぁ。

3週間弱とはいえ、実質、欧州往復に要した日数はなんのかんので5日間、半島は移動日2日で、実質1週間は移動だけというオソロシー日程でありましたとさ。帰路のフランクフルト空港でリクルートされ、以降のたびの空を同行することになったご隠居あひるも、板付でバス待ちながら呆れおるじゃだっく!
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今回のツアー、ぶっちゃけ、隠居宣言をして温泉県盆地に拠点を移した老体が、果たしてどこまで現役時代の様な無茶なツアーが出来るのかの実験でありました。欧州内は実質滞在12日間に10日間乗り放題パスを使い尽くし、仏英間ユーロスター往復の追加料金€60を加えても恐らくは完全に元を取ったアホな乗り方をしまくり、連泊はエッセンとリールと大邱のみという移動移動の日々。その間に聴いたもの、要はネタ仕込みをしたものを列挙すれば…

★ペトレンコ指揮ベルリンフィル コルンゴルド交響曲など
★ノヴスQ ベートーヴェン作品18の4、ショスタコ3番など
★エベーヌQ リゲティ1番、シューマン1番など クスQオリーくんのプレトーク付き
★ヴッパタール歌劇場 ノーノ《イントラレンツァ2022》
★エッセン歌劇場 《タンホイザー》
★リール歌劇場 シュトックハウゼン《光の金曜日》2公演
★エマーソンQ ショスタコ13,14,15番 ロンドン最終公演
★クスQ&エマール カーター後期ピアノ五重奏&ピアノ三重奏など
★フランクフルト歌劇場 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》
★ザールブリュッケン歌劇場 《ラインの黄金》
★大邱国際オペラ祭2022閉幕公演 イサン・ユン《シム・チョン》
★ノヴスQ ベートーヴェン作品18の6、作品135、作品132 韓国初の国内団体によるチクルス

以上です。まあ、移動日抜けば実質2週間でこの数をこなせたのだから、上々と言えるでありましょう。やくぺん先生の外の人の現役時代の商売とすれば、どれだけこういう仕込みがやれるかが勝負だったわけで、その意味ではキューシュー島温泉県盆地拠点でこの歳で、なんとかこなせたという感じです。無論、現役時代ならこのくらいのツアーの間に最低でも原稿5,6本は処理していたのが、今回はたった1本。つまり、商売的には全く成り立っていない。原稿として商売になるのも、現時点ではひとつだけで、完全に赤字です。ともかくやれるかやってみた、ということ。

それにしても、やはり体力の限界は隠しようがなく、道中Facebookをご覧の方には心配をかけないために隠してましたけど(やくぺん先生の世界、Facebookも「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」のモットーで運営されておりますっ!)、欧州到着後の1週間は過労から持病の上気道炎が発生し、咳が酷く、時節柄コロナと思われると大変なのでもう強引に押さえ込むのに一苦労。更に、実質飛行時間13時間+6時間の長距離フライト、いかな天下のシンガポール航空さんとはいえ貧乏人席は貧乏人席で、冗談ではなく「どうでしょう」深夜バスの旅でお馴染みの「お尻が取れる」状態の床ずれが発生、ヴァーグナーの長丁場を座ってるだけで難行苦行状態(戻って来て慌ててバンドエイド大を貼ったけど、まだ治癒に至らず)。更には、Facebookではぼかして書きましたが、どうやらベルギー独逸国境のアーヘンで車内置き引きでルーターくんを盗られるという事件も発生。20年ぶりに「欧州鉄道旅行では盗難は税金」という格言を想い出したりして。ま、背負子全体を持って行かれなくて良かった、と思うべきでありましょう。

そんなこんなの、実質2019年7月の《光の土曜日》ツアー以来の大移動たびの空、反省するところ多々あるも、コロナ&ウクライナ戦争前に比べ欧州航空券実質3倍という状況は年単位で変化する情勢ではないでしょうから、まあ、来年はイースター明けの「《中国のニクソン》新演出3連発ツアー」と、11月の「《光の月曜日》パリ若しくはリール往復」くらいしか長距離移動ツアーは予定なし。7月のメルボルン国際室内楽コンクールも、9月のピアノ三重奏が課目となるミュンヘンARDコンクール見物も、ロシアが革命で体制交代いきなりの西欧化なんて余程の劇的な情勢変化が無い限りは諦めざるを得ないのが現状でありまする。

とはいえ、アペンディックスみたいな半島ツアーで、温泉県盆地拠点で釜山、統営、大邱、ソウルなどへ出張るのは広島やらに行くのと同じ、新帝都や札幌より遙かに近く楽と判明したのは大きいな発見でありました。頭では判っていても、実際にやってみて、GoogleマップとT-moneyさえあれば半島南は全く問題なく往来可能と実感。ま、コロナの国境封鎖が再開しない限り、数ヶ月に一度はソウルやら釜山に行きそうだなぁ。なんせ、温泉県盆地から最も近いマンモス都市は、大阪ならぬソウルだもんねぇ。恐らく、2月のノヴスQのベートーヴェン・チクルス真の最終回(初回と2回がコロナで中止になり、当初予定では去る土曜日が最終回だったのが、来年2月に1,2回をやることになった)、3月末の統営音楽祭、10月からの大邱オペラ祭は、ちょろっと眺めに行くんじゃないかしら。なんせ博多釜山高速船、爺値段で常時片道8000円ですから。大阪行くANAより安いわい。

田舎者隠居のたびの空、やれるのは、せいぜいがあと5年くらいかな。

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