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滝廉太郎の120年 [音楽業界]

所謂「クラシック音楽」というジャンルのかなりの部分が「過去の創作の再現」である以上、記念年というのは騒がれてしかるべきものであって、たとえそれが多少は中途半端であっても一向に構わない。んで、というわけでもないけど、こんな演奏会があります。
https://spice.eplus.jp/articles/318568/amp?fbclid=IwAR34CB5D_X4fhpNm3AQYvVooXJaWpwKx1N_cBmnYU1E1VZEfJiKioW4r6Kc

公式ページよりも、演奏会の趣旨解説が付いてた方が話が早いので、上のURLをご覧あれ。ともかく、滝廉太郎が音楽家として育った上野の杜の旧奏楽堂で、没後120年の命日に豊後竹田から上京した室内アンサンブルが顕彰演奏会を行います。こちらが豊後竹田旧市街の滝廉太郎が育ったお宅じゃ。
IMG_8554.jpg
へえ、滝廉太郎って、シェーンベルクより5歳若く、山田耕筰より7歳年上なんだぁ。日清日露戦争は国民総力戦ではなかったから徴兵は逃れられたろうから、24歳で夭折せずせめて20世紀前半までの天樹を全うしていたとすれば…山田耕筰なんかはどうなってたんだろうなぁ。日本語歌曲のあり方を巡って大激論になった、なんてこともありそうだし。

そんな虚しい妄想はともかく、現実として滝廉太郎という作曲家は残した作品が極めて限られていて、でも圧倒的に著名な作品があるものだから、このようなイベントもあり得る。明日の晩に上野旧奏楽堂で演奏されるラインベルガーなんて、やくぺん先生はこの団体の本拠地定期演奏会で拝聴させていただいたんですが、どロマン派交響曲のマイクロ版のようなもの。こういうものが滝廉太郎とどういう関係があったのか、その次のリヒャルト・シュトラウスの時代にモロにぶつかった山田耕筰との資質の違いなども、あれこれ考えてしまいますです。老いて滝廉太郎は結局は日本のマックス・ブルッフになった、なんてトンデモな可能性もあり得るわけだしね。

そんなあり得た未来、そしてリアルな今を俯瞰する演奏会、お暇なら是非、上野の杜へどうぞ。

現豊後竹田を収めるお殿様のお江戸お屋敷跡地の辺りで生まれ、遙か大分の地で育った廉太郎を顕彰するイベントは¥、記念日の新帝都だけでは終わりません。来る日曜日には、こんなのもあります。
https://www.city.taketa.oita.jp/glanz/koenjoho/kouenlink/4/8576.html?fbclid=IwAR2DmGyQuvJzDE0-JVgJUuJkY2C3nz-IN_H9KwdxErUcaQmTFGEK0DKRNJM

なんとなんと、20余名のマイクロ・オーケストラを指揮するのは皆様ご存じ、本名徹二マエストロではあーりませんか。コロナの間はずっとヴェトナムから離れられず、久しぶりの日本のオーケストラへの客演がまさかまさかの大分は竹田だなんて、ちょっとビックリ。種明かしをすれば、TAKETA室内オーケストラ九州を獅子奮迅の勢いで全くのゼロから起ち上げ、東京公演も実現してしまった団長にしてコントラバス奏者の森田氏は、かつて本名さん率いるヴェトナム国立管で弾いていたことがある、という縁なのでありまする。

やくぺん先生、この演奏会があるなど知らずに新帝都に出てきていたわけだが、温泉県盆地オフィスの隣市の出来事、知らん振りもできんとばかり、ANAさんのタダ券取れたのを良いことに、日月とチョロッと温泉県に戻り、ベートーヴェンのハ長調交響曲を拝聴して参ります。このオーケストラ、マエストロ茂木との壮絶な7番で佐伯の聴衆を熱狂させ、近い将来には竹田や佐伯での第9公演も企画しているとのこと。三分の一が終わったとなると、勢いで「日本で初の小編成版によるベートーヴェン交響曲完奏」ということにもなりかねないぞ。そうなったときに「しまった、本名さんが振った伝説の1番を聴いてない」なんてなりたくないもんさ。

時代はマイクロ・オーケストラ…なぁんてまでは言わないけどね。

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