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ジュネーヴは今回も総取り… [弦楽四重奏]

本日早朝というか、深夜というか、遙かレマン湖の畔90年代末までのメイジャー大会だったエヴィアンの麓たるジュネーヴで、エヴィアンがボルドーに移った今世紀に復活した歴史ある総合国際コンクールの弦楽四重奏部門ファイナルが開催され、結果が出ました。以下です。公式は毎度のようなもんなんで、早速アップされているThe Stradの記事でどうぞ。あれ、限定かな。
https://www.thestrad.com/news/novo-quartet-wins-at-the-2023-concours-de-geneve/17208.article

ご覧のように、ファイナルで最後に弾いたノヴォQの優勝。セミファイナルでいちばん素晴らしかったで賞を除き、聴衆賞、ジュネーヴ近郊の若い聴衆賞、ジュネーヴ大学生賞、お寺で演奏させてあげま賞、など各賞総取りですな。面倒なんで、貼り付けます。ご覧あれ。

SPECIAL PRIZES

AUDIENCE PRIZE: CHF 1,500.-
Novo Quartet
The Audience Prize is awarded by the spectators of the Final Rounds. The finalist who receives the most ballots is the winner of this prize.

YOUNG AUDIENCE PRIZE: CHF 1,000.-
Novo Quartet
The Young Audience Prize is awarded by a group of students from public and private schools in Geneva, having formerly received a specific training. Their eval- uation asses the two Final Rounds.

STUDENTS' PRIZE: CHF 1,000.-
Novo Quartet
The Students’ Prize is awarded by a group of students from the Faculty of Music and the Department of Musicology of the University of Geneva, who evaluate both Finals. It is integrated in their official curriculum. The Students’ Prize is offered by Ms. & Mr. Hervieu-Causse.

CONCERTS DE JUSSY PRIZE: CHF 4,000.-
Novo Quartet
The “Concerts de Jussy” Special Prize is awarded to the winner of the String Quartet Competition and consists in a concert on October 30th at the Temple de Jussy.

FONDATION ETRILLARD PRIZE CHF 5000.–
Quatuor Elmire
The “Fondation Etrillard” Prize is awarded by the Jury to the quartet finalist who has presented the most remarkable personal artistic project during the semi-final round.

我らがハナQは同率2位で、3位はなし、という結果。審査員さんたちがなかなか優しかったですね。前回以来のジュネーヴの特徴というか、目玉として、「地域の一般中高校生と、ジュネーヴの大学生とがそれぞれ最もアピールした団体に特別賞をあげる」という奴があるけど、前回はこの賞をヴィジョンQが総なめ、今回もノヴォQが同様に、という結果になってますね。「地域や開催都市の若い人たちにコンクールに関心を持って貰う」という意味では有効でしょうし、なんせここは参加者を民泊させているわけでそのボランティアがいなくなると運営が困る。だから、やる意味はあるんでしょうがぁ…この2度の結果を見ると、ちょっとやり方を変える必要もあるんじゃないかなぁ。

セミファイナル以前にどう対応しているかを含め、ホントに審査員の誰かにちゃんと話を聞かないとなぁ、と思ってしまうのは現役の感覚が残りすぎておるわい。来月、ヴィーンでエベーネQ聴くけど、ツアー最中だから楽屋でガブリエル捕まえてそんな話は出来んし、うううむ。

ま、とにもかくにも我らがハナQが業界内でチェックされるポジションをなんとか確保出来たのは良かったでしょう。正直、結果だけから見ると圧勝だったに思えるけど、ファイナルをストリーミングで聴き、メンデスルゾーン2番の第1楽章までで「ああ、もういいや」と思って寝ちゃったいーかげんな無責任聴衆とすれば…なるほど真っ当といえば真っ当ですな、という感じでした。メンデルスゾーンの2番だけをファイナルで弾いて勝った団体って、過去のメイジャー大会ではなかったんじゃないかぁ。隠居爺の感覚からすると、いろいろ問題を感じてしまうなぁ。現場にいたら、個人的には荒れたか、呆れたかだろーなぁ(前回もそうだったけど)。

ハナQ、ヴィオラさんもケルンのオケに乗っているというし、ドイツの大手マネージメントはオケに入ってるメンバーがいる若手は原則契約しませんから、なかなか難しい道が待っていることは自分らも判っているでしょう。前回のメルボルン優勝でベルリンフィル団員以下独都の若いオケメンバーを揃えたノガQが、結局は「ライジングスター」に出てこられてないのもそれが理由ですから、さてどうする。コロナ以降、常設弦楽四重奏団の存在がもう無理ではないかとすら言われているドイツでも、「若い頃からオケのメンバーで生活を安定させながら、常設弦楽四重奏団を目指す」という日本式の弦楽四重奏団運営が表に出てくるのかなぁ。

てなわけで、2023年のメイジャー大会はこれでオシマイ。コロナ時代は一段落、なのかはまだ判らんですな。こちらからラウンドの全ての演奏が視られますので、お暇な方はどうぞ。
https://www.concoursgeneve.ch/


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