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春節前の亜細亜たびの空 [たびの空]

以下、業務連絡みたいなもんです。

明日14日日曜日から春節休暇明け後のグレゴリオ歴2月21日までの5週間と少し、まだまだひよっこ隠居のやくぺん先生とすれば、恐らく2024年最大のツアーの季節となります。なんせ秋のル・バルコンによるシュトックハウゼン《光》チクルスが終結まであと2作のところまで迫ったのに一年休み(巴里五輪の為に文化関連イベントがグチャグチャという話があるんだかないんだか…)のため、大陸を跨ぐ長距離移動は現時点で確定しているものはなし。

この週末から始まってるパリのクァルテット・ビエンナーレ
https://philharmoniedeparis.fr/en/activity/musique-de-chambre/26455-kronos-quartet
それに続くアムステルダムのクァルテット・ビエンナーレ
https://sqba.nl/en/
パリはポール・ビアンコがチェロに座るクロノスまんせー大会みたいだし、アムステルダムは大阪のアンバサダー団体も出るんで、現役時代なら当然ずっと欧州だったじゃろが、なんせ隠居となって収入激減で庵の維持で精一杯の貧乏爺、3週間の渡欧などとても無理じゃ。かくて、この二つのクァルテット業界大イベントからはサッパリ身を引き、もっと近いところの、もっと未来のある類似イベントに向かう爺と婆なのであーる。

正直言うと、大きいのは費用の問題じゃの。今や、情報を仕込んでも使ったり売ったりするところがない隠居の身、もの凄い贅沢と言われかねない渡欧なんぞ出来ても年に一度がやっとという状況には変化がない。ほのQがテープ審査通って招聘される10団体になると確定した時点で、久しぶりのレッジョ行きを考えている程度。あちらも、ご隠居とはいえ影響力ないとは周囲の誰ひとりとして思ってはいないジメナウアーおばさまが審査委員長、ってトンデモ人事なんで、本気で売れたい欧州の猛者共は目の色変えている可能性があり、初回のカルミナQ大スキャンダルがあった特別大会だったときくらいの勢いで、既にキャリアのある実力派団体がこぞって押しかけるやもしれぬわい。要は、「ジメナウアー音楽事務所の公開オーディション」ってことじゃの。そうなると、冗談じゃなく、気楽に考えてるとほのQだってテープ審査落ちの可能性がなくはないわけで…

ま、それはそれ、数週間後に考えましょ。ともかく現時点では、この初夏くらいまでにやくぺん先生が羽田なり成田なり福岡板付なりから飛行機に乗って、高度10キロで3時間以上のたびの空をする予定としては、明日から如月頭までの亜細亜ツアーしかありませんです。はい。静かな年になるんじゃろかのぉ、婆さんや。

んで、まずは明日の朝5時過ぎに起き出し、ろくにモノは詰まってないけど無駄にデカい荷物ゴロゴロ引っ張って盆地駅まで歩き、夜明けはまだまだ先な午前6時20分発久大線大分行きに倒れ込んで1時間も下っていくのじゃ。なんせ午前7時55分大分駅前要町バス停から福岡空港国際線ターミナルまでの直行便バスに乗らにゃならん。

なんでこんなアホなことになっとるかといえば、午前8時盆地バスターミナル発福岡空港国際線ターミナル行きバスが、一席もないからじゃわい。1ヶ月前の予約の日、年末のバタバタで日付を1日間違えていて12月15日に慌ててネット予約しようとしたけど、一席も無し。以降、バスセンター近くを通る度に「キャンセル出た?」と無愛想なおねーさんに尋ね続け、ネット画面もチェックし続けたんじゃが、結局、出てこず。次の10時のバスは数日前に一席出たけど、それじゃチェックイン時間に間に合わず。で、しょーがないからこんなアホな時間に大分までおりにゃならん。

何が起きているかって、よーは今や全国津々浦々の観光地で起きている「インバウンド問題」です。発売日の日が変わった瞬間に外国観光客さんや旅行会社さんがネットで予約を入れ、バスセンター窓口が開く時間になるともう一席も無くなっている…なんて状況が続いてます。午前中のバスはもうずっとその状態で、地元民が思い立って福岡に行くのに利用しようとしても、午後遅くの便までほぼベッタリ売り切れなんですわ。

困ったことに、このバス予約はキャンセル料が実質設定されていないので、ともかく予約してしまう輩がいっぱいいるらしく、実際には利用したい人がいるのにバスは空いた席をいくつか残しながら発車せざるを得ない。無論、予約時点で払ってませんから、亀の井バスさんや大分交通さんにとっても、乗りたい客がいながら売れてない空席のままで行かざるを得ない。ううううむ、これ、困るんだよねぇ…。実は、あの無愛想なバスセンターのおねーさんによれば裏技があるそうなんだけど、明日14日日曜日まではお正月期間ということでその裏技設定はしていないそうな。ええええええん…

ま、インバウンドの皆様と我が軍駐屯地のお陰で喰えている貧乏な田舎盆地ですから、文句は言えませんな。はい。京都や鎌倉の住民のように「観光公害」なんて、口が裂けても言えぬ何もない貧乏な田舎なのであーる。

もといもとい。そんなこんなで盆地発直行バスが福岡空港国際線4階出発ターミナルに到着するより15分程遅く出発ロビーに到着。ちなみにJRで行くと、久大線久留米行きが6時半過ぎだかで、なんのかんの福岡空港国内線ターミナル地下に到着するのが直行バスとほぼ同じ。ただ、国際線ターミナルはあの猛烈に混雑した無料ターミナル連絡バスを待ち、インバウンドの森を掻き分け掻き分けで15分以上余計にかかるので、国際線出発ターミナルに直接乗り付けてくれるバスが圧倒的に楽なのじゃわい。ここ。
IMG_2656.jpg
んで、昼過ぎのすっかりお馴染みLCC香港急行さんで夕方前にランタオ空港に到着。明日は着くだけだから延々と路線バスでも良いんじゃが、羽田からANAさんで既に到着しておるお嫁ちゃまがお腹を減らしているかもしれのぉ、とにもかくにも香港島の安宿に到着。今回は夜の公式パーティやらが多いのでアパートタイプではなく、普通のツーリスト用安宿に1週間の滞在じゃわい。んで、目的はこちら。
https://www.pphk.org/festival/bpmf2024/

10年代には当電子壁新聞でもレギュラーで報じておった旧香港国際室内楽音楽祭、今は「飛翔演奏香港」なる名称に代わったフェスティバルなのであーる。春節明けに大々的に行われている香港芸術節とは異なり、あくまでも民間が主催する室内楽フェスティバルで、初期はチョーリャン・リンなんぞが中心に動いておりました。今は…よー知らんです。ま、お伝えすることがあれば、当電子壁新聞になんか貼り付けましょ。なんせニッポン語は紙メディアもWebメディアも関心を示してくれない地味なイベントですから。で、同時期に完全に重なっているパリのビエンナーレではなくこっちに来るのは、ひとえに出演者の顔ぶれ。なんせ、ミロQと元パシフィカQのマスミさんとなれば、これはもう2時間半飛べば到着するところにいて行かないとなると、何を言われるかわかりゃせぬ!
https://www.pphk.org/festival_event/festival-opening2024/

今や北米でいちばん売れっ子の作曲家キャロライン・ショウが来るという話もあったんですけど、現時点では判らず。明後日辺りの当電子壁新聞を請うご期待!

で、1週間後の土曜日に同じ道を戻り、日暮れ過ぎに盆地に戻って翌日は洗濯や荷物の詰め替え。22日月曜日の夕方にはバスで再び福岡に向かいます。一晩をカプセルホテルで小さくなって過ごし、翌23日朝に天下のシンガポール航空さんで同じ道をひとっ飛び、恐らくは台湾からフィリピン上空を抜けて戦艦武蔵眠るブルネイ沖を跨ぎ、午後遅くない頃にシンガポールに到着。この日はまたまた東京羽田から到着するお嫁ちゃまとほぼ同じ時間なんで、一緒に市内に向かい、春節前の南の島祭り第2弾、「シンガポール室内楽フェスティバル」周辺をウロウロしますです。
https://www.sgchamberfest.org/

正直、こっちもまだ内容を把握しきってないのだけど、所謂「世界から著名な演奏家を呼んできて聴衆に聴かせる」という普通の国際音楽祭としての側面もあるものの、仕掛けているプロデューサーさんのホントの目的は「シンガポールに於けるプロフェッショナルな室内楽の育成」であることはハッキリしてる。その意味では、非常に興味深い「教育イベント」ですな。

あれよあれよという間に日本を追い抜きアジアのトップ先進国となったシンガポール、演奏家も10年代くらいから次々と出てきていて、カーチュン・ウォンなんて日本のオーケストラ愛好家がみんな知ってるスターも出現している。感じとしては90年代終わりから世紀初め頃の半島みたいな勢いで、いよいよ室内楽にも手が付けられ始めたその萌芽期を眺める(お嫁ちゃまとすれば、現役時代に晴海や溜池でやってきた嘗て取った杵柄、今や立派なプロデューサーとなったかつての若い同僚と、遙か南の島でお手伝いする)という、とても面白い状況なのであります。そこでメインゲストになっているのが、我らがヴェローナQのオンちゃんと、我らが葵トリオというのだから、もうこれはアムステルダムのビエンナーレなんて行ってる場合じゃないでしょ。

思えば今や世界一物価が高いと言われるシンガポールに10日もの長逗留、宿はキッチン付きのアパートとはいえ、どんなことになるやら。厳冬期のキューシュー島は温泉県盆地から避寒できる事実をラッキーと思いましょか。

で、欧州への道にも盛んに使う深夜過ぎのチャンギ空港発福岡板付行きで如月4日に戻り数日を盆地でぶっ倒れ、やっとフラフラ立ちあがれば、春節休暇の到来とともに日本フィルの九州ツアーが始まるわい。

なお、明日以降、メールやらFacebookメッセージ欄でのインターネット経由の連絡は問題なく可能です。生活せにゃならんので、通常業務もやりまする。皆々様、よろしくお願いいたしますぅ。

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