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ギャラの高いクァルテットとは [弦楽四重奏]

行き詰まった原稿を横に放り投げ、先に「音楽の友」誌のためにレポート系原稿をやっつけてしまおうと、先月の札幌PMF取材ノートやらを引っ張り出している。

そんなところに、「音楽の友」今月売り号が届いていたので、ビリビリと封筒をひっちゃぶいて、来年もいっぱいいろんな団体が日本に商売しに来るなぁ、と他人事のようにノンビリ眺めていたら…ふと、もーれつに基本的なことが心配になってきたのでありますね。

皆様、ギャラが高い有名な弦楽四重奏団というのは、そうじゃない人たちと、何が違っているとお思いでしょうか?

答えは凄く簡単、かつ、明快なんですね。

お高い団体というのは、「広い会場で、沢山の聴衆を前にして、それでも自分たちの音楽を伝えられる人たち」なんです。

先頃の東京Qのマスタークラス、結果として、初級、中級、上級の3クラスをやるような生徒たちの顔ぶれとなってしまった。で、東京Qが既にプロとして仕事を始めているビアヴァQ(昨日話題にした、工藤すみれさんのアヴァロンQなどとほぼ同クラスの団体です)に行うレッスンというのは、極端に言えば、目的はたったひとつ。「2000席の会場でどうやって自分らのやってることを伝えるか」なんですね。

それが出来る人たちが、ギャラのお高い団体になれるんです。イヤでも資本主義自由経済の中で生活していかねばならぬプロの音楽家とすれば、当然のことでしょう。

そこからいきなり結論なんだけど、「だから、ギャラのお高い有名クァルテットを、数百席規模のホールでやるのは、はっきりいって間違い」なんです。
日本ではクァルテットで1000人を越える聴衆を集めるなどトンでもないことだから、「狭い会場でやっちゃおう」というのが豪華なことと思われているようだけど、それは誤解。
アルバン・ベルクQや東京Q、グァルネリQなどは、デカイところでやらないと、彼らのホントの芸の凄さはわかんないんですよ。というか、「そういうところでもきっちりやれるのが彼らの芸」という言い方も出来るかな。

言うまでもありませんが、音楽の中身とは一切関係ありません。純粋に技術的な問題です。誤解なさいませんように。
小さいところじゃないと自分らの音楽が伝えられないタイプの音楽をする人たちは、CD録音に特化したり(多くの古楽系クァルテットと呼ばれる団体がそうですね)、大きなところで弾く羽目に陥らないように自分らの仕事をコントロールするわけです。それはそれで、クァルテット・マネージメントのノウハウが必要。

以上終わり。とっても誤解されそうな内容を、なんの整理もしないままに書いて世に出してしまったぞ。ブログってオソロシイ。
この記事、消去するかもしれません。読者対象は「クァルテットをやるお財布を持っている主催者の皆様」限定だもんなぁ。商売にはならない文章の典型だ。ううううん。


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ガーター亭亭主

いやいや、商売にはならない&読者限定のメッセージだとしても、それを読んで得るところの多い一般の?音楽ファンも多いわけですから。消去するなどと仰らずに。
by ガーター亭亭主 (2005-08-30 00:29) 

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