たびの空のコスト

富山市民プラザ・アンサンブルホールからちょっと行った飲み屋で吉野直子ご夫妻、高橋＆佐久間ご夫妻、エクの面々らの終演後のワイのワイのにお付き合いさせていただき、今、日本国大激動の９月12日も深夜を過ぎ13日になったところ。一路東京駅へと向かっています。お鉄っちゃんの皆様なら、訝しげに思っていらっしゃることでしょう。なにせ、原発から上がる煙がCNNのトップニュースになった先頃の新潟近辺での大地震以降、北陸本線から信越線に入り、上越線に向かう列車は未だバス代行。富山からの夜行上野行は走ってない筈だぞ、って。

そーです、列車じゃあありません。なんと、夜行バスです。この歳になってこんな貧乏な大学生みたいなことをするとは思ってもみなかったけど、実際やってるんだからしょーがない。これからバスで東京まで帰ります、と宣ったら、みんな呆れてました。ま、そりゃそーだ。

この初夏のツアーは全然聴けなかったエクは、吉野さんとの共演のバックスで誠に立派な音を出しておりました。このところ若い連中しか聴いていなかったものだから、久々にまともなクァルテットの音を聴いたなぁ。バンフでも、聴衆の皆さんが「日本のエクセルシオは頑張ってるか」と盛んに声をかけられた。はい、皆様、エクは頑張ってますよ。北米に行ったらよろしくね。

さても、どうしてこんなことになってるか。一言で言えば、コストです。今回の軽井沢・魚津・富山のたびの空、日曜日から水曜夜までの間にだって原稿２本やってるんだけど、このツアーそのものでギャラが発生する取材はたったひとつしかない。魚津はボランティアのセミナー通訳兼カメラマンだし、富山の今日の演奏会は単に見物に行っただけ。
さて、この軽井沢の取材で発生する原稿料だけでツアーの経費を極力賄わねばならぬ。個人事業者をやってく以上は、当然の金銭感覚であります。今回は徹底的にケチらねばならぬぞよ。

ではここで、今回のミニ国内ツアーの予算内訳を大公開いたしましょう。足代・宿代だけですけどね。佃厄偏庵にいたって飯は喰っているので、食費は経費には入れません。あ、収入の方は公開いたしませんよ。悪しからず。

◎交通費
月島→池袋（有楽町線）：240円也
池袋→軽井沢メルシャン美術館（西武高速バス）：3010円也
御代田→長野（しなの鉄道・JR信越線）：1290円也
長野→魚津（JR信越線・北陸線）：2940円也
富山→東京（高速バス）：5900円也（ちなみに富山→上野はJR乗車券のみで7140円也です）
東京駅八重洲口→月島駅前（都バス）：200円也
◎宿泊費
長野駅前ビジネスホテル：4887円
天神山交流館３泊：不明（推定数千円）

以上であります。総計18467円（＋α）也。

小生らのようなフリーの売文業者は、交通費など出ることは殆どありません。ですから、これは全部ギャラから経費として引く。さてこれで黒字になるかといえば…ううん、ノーコメント。ここまで絞ってもやっぱりこれくらいは出てしまうんだなぁ。

富山と東京を結ぶ夜行バスには、３列シートの高級タイプと、４列シートの通常タイプがあり、2000円くらい違うのですけど、流石にこの歳になると許されるだろうと、高級タイプを選ばせていただきました。乗客は1ダース弱。周囲を気にせず、ゆったりとリクライニングできます（最近のビジネスクラスのフラットシートとまではいかぬが）。ま、国際線のビジネスクラスよりは格下で、エコノミークラスよりはちょっとは席ピッチが広いから、プレミアム・エコノミーくらいかしらね。我が最寄りJR駅の東京駅まで6時間ちょっと。成田からシンガポールとか、東海岸から大西洋横断してフランクフルトやアムステルダムくらいの時間。ま、こんなもんでしょう。成田ＮＹ直行便や、先日のヒューストンからの帰りを考えれば、まるで快適ですな。考えてみれば、ちょっと遅くまで起きて原稿やってるくらいのもんだもん。

高速バスは立山インターからいよいよ高速道路に入るところ。右手奥の山の中では、明日もガンガンにレッスンをされようと若者たちがそろそろ楽器をしまって床に就いている頃でしょう。君たちも、これから沢山の夜行バスに乗り、いろんな街や、いろんな突拍子もない風景を眺め、いろんな人々に遭うのだよ。オジサンも、もうちょっとはがんばろーか。うん。

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そして夜行バスは直江津手前の上越ジャンクションで右折して日本列島横断にかかり、小布施PA、さらに双葉PAを経て、中央道を一路新宿へと向かう。八王子料金徴収所辺りで朝日を浴び

新国立劇場横で高速を下り、都バス四谷・晴海線の車窓を高い場所から眺め、三宅坂を下ったところで左手を振り返れば、９月のどんより曇った早朝にぎざぎざピラミッド頭を虚しく晒すは

お坊ちゃんそーりがトンズラした我らがダイエット・ビルヂング。おーい、あべちゃん、そーり辞める前に、あんたが先月末に使った無駄な印豪ツアーのコスト、自腹切ってわしら納税者に返してくれんかのぉ。ジャンボチャーター代と宿泊費で、総計1千万円くらいかしら。手元にないなら、お友達の御手洗経団連親分に借金しなさい。あのあべちゃんたびの空なんぼかかってるか、だれかご存じの方、教えてください。

コメント 2

一千万じゃあ、足りないでしょう〜
by I嬢 (2007-09-15 03:17) 

まあ、あの首相専用機は一応、軍の所属だから、そのメンテナンスなどの費用は特別にまけてあげるとして、純粋にアセアン、インド、オーストラリアの油代や空港使用料（国家元首クラスが公式訪問でその国の首都空港を訪れた際は、多分空港使用料は取れないと思うんだけど）をゴッソリ同行したお友達経済人（こいつらは実費を払っているそうなんで）なんぞの分を割り引いて、宿代を単純に上積みして…でも、警備のコストとか、いろいろあるしなぁ。
なんにせよ、アホな奴が真面目にあの無意味だったどころか、国益に害するだけの結果になった外遊（どうせ１年で崩壊するブッシュ政権と、選挙で勝っても辞めると言ってるオーストラリア首相と、これまたもうすぐ瓦解は目に見えてるムシャラク政権ととの関係で言い出してしまった、国内政治を混乱に陥れただけの無駄な所謂「国際公約」！）なんだから、その責任くらいは最低でもちゃんと取って欲しいなぁ。ま、場当たりそーりには無理だろーが。
by Yakupen (2007-09-15 09:28)