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もんじゃの風 [ゆふいん音楽祭]

NHK朝の連載テレビ小説がどんな情報を流布してるか知らぬが、少なくとも佃厄偏庵近傍に於いては、「じゃあ、ちょっともんじゃでも喰いに行こうか」ってサンダル紮げて清月橋陸橋潜って西仲通り、ってなはっつあんやぁ熊さんはおらぬ。もんじゃ、ってのはあくまでも「月島観光用の食い物」なのであーるよ。

んだもんだから、我らがゆふいん駅アートホールの浪速の若きリチャード・クレーダーマンかいやんが、いろんな風の吹き回しで大川どころか多摩川向こう、はたまた玉川の里も越えた町田でテンペストの大風吹かせたりしたあと
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せっかくだからとお江戸見物、「銀座東京駅から最も近い田舎」佃くんだりまで酒持ってやってきて、「やくぺん先生、もんじゃ道を御指南あれ」と宣われた日にゃー、もーひたすら困るしかないわけでね… 

お小遣いあげるからその辺で食べてらっしゃい、ちゅーわけにもいかず、まあとにもかくにも観光しましょ。厄偏庵路地抜けて中央区文化財のオーセンティックな商家を見物、謎の鳥屋を眺め、佃小橋渡って、無念にも瞳ちゃんはクルクルまわったりしてない住吉さんの能舞台を拝み、佃煮天安の匂いを嗅ぎ…その勢いで月島渡りゃ、西仲通りのおせんべやさんのおばちゃんにご推薦店を指南されつつ路地裏抜けて、ま、結局は我が佃オフィス大家さんちのもんじゃやさんに到着しちゃうわけでありました。


アートホールのスター来訪の知らせに、帝都のゆふいん音楽祭広報部関係者も三々五々集まり、そうなりゃいきなり広報会議になっちゃうわけだけど、やっぱり目の前には鉄板が広がってるんだから喰いましょうたべましょう頂きましょう。わけもわからず目についたものを注文し、ひとしきり格闘したあと、おもむろに注文するは「素もんじゃくださいな」。素もんじゃ、すなわち、もんじゃなるものの最も基本的な具材のみが盛られた、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番プレリュードみたいなもんであります。どんなもんか知りたかったら、勝手にお調べあそばせ。
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やっと湯布院側からもたらされた今年の演奏曲目の概要(未だ概要!)を前に、チラシ裏の文面をどうするかやら、月島亭改め塩浜亭で編纂作業が進められてる音楽祭事前広報新聞の台割り議論やらを横目に、我らが「トリルと分散和音の巨匠」かいやんはもんじゃ作成作業に励んでおります。騒々しい連中の議論に口を挟むこともせず、ただひたすらもんじゃの道を究めようとする。あっしらぁ所詮は空理空論飛ばす人、そしてやっぱりアーティストはつくる人。

かのブダペストQの神話的第2ヴァイオリン奏者、アレクサンダー・シュナイダー翁が都内某所のもんじゃやを訪れた折り、ドイツ脱出中の最悪の食事から世界のホントのセレブとの御会食に至るまであらゆるフードを食い尽くした健啖家、出されたものを眺め、"This is not A food!"と呟いたとか。そー、たしかに爺の仰る通り。もんじゃは「食い物」じゃない。プロセスの総称。素材と形を提供して貰い、あとは味付けも喰い方も勝手。そんな状況そのものが、「もんじゃ」なんじゃ。

黙々と「もんじゃ」してるかいやんの姿からは、土曜の町田で披露された「ゆふいんの風」新ヴァージョンがまた聞こえてくる。去年の夏にゆふいん駅で鳴った第1稿から、ソプラノ声部のメロディラインが消えちゃってら。ヴィオラの対旋律とバスラインが流れる上に、僕らの「ゆふいんの歌のお兄さん」は、なんにも味付けをしません。皆さん、僕はこうやって下準備してますから、皆さんがお好きな歌を歌ってくださいな、ほら、風の向こうに去年の夏が聴こえてくるでしょ…
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2007-07-30 
いつも由布岳の風に吹かれてる訳でもなく、勝手に駆けつけて騒ぐわしら余所者東京広報部とすりゃ、こんなもんじゃっぽい状況こそ「ゆふいん音楽祭」。佃例大祭前の、大きな祭り。

夏ともなれば風は盆地に向けて吹き、あっちこっちに散らばった人たちも、ずっとそこにいる人たちも、同じ風に吹かれてさ…

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すみこ

基本の具はキャベツ、天かす、小エビ、切いか、青のりなど、と出てきました。観光者憧れのもんじゃであります。こちらのお店の住所チェックさせていただきました。経験者は皆「お好み焼きの方が美味しい、お腹一杯にならない」と言うんだけど、名前の響きの魔法でしょうかねー。へらではがして食べる形態も楽しそうだし、1度は食べてみたい。でもお仕事のお邪魔はしませんからご安心を。。。
かいやん大任終えて楽しそう。良かった良かった。
by すみこ (2008-04-23 15:45) 

Yakupen

ですからぁ、もんじゃってのは、「喰いもの」じゃないんですぅ。どうも「粉モノは大阪」という自覚がある関西の人などは、そこんとこ誤解なさってるから困るです。うん。
正直、食い物としてみればもんじゃは「水っぽい粉で纏めた野菜炒め」ですから、それだけで腹一杯にするのは大変です。「もんじゃや」というのは「カラオケ屋」みたいなもんで、みんなで遊びにいく場所なんですわ。
ですから、月島西仲通りやら近辺の佃の住民は、あれだけ食い物屋が並んでるのに、昼飯時にランチをやってる店は3分の1以下で、とっても困るのでありますよ。
by Yakupen (2008-04-23 16:17) 

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