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フライシャー御大箴言録 [演奏家]

月曜日の晩に武蔵野小ホールで、譜面めくりながらシューベルトのでっかい変ロ長調ソナタで「自然体」を絵に描いたようなピアノを弾き、無事にニューヨークに戻ったレオン・フライシャー御大。10日間ほどの溜池のセミナーで洩らされた数々の至言は、密着取材をした評論家A氏がいずれなんかの媒体にお書きになるでありましょう。
小生が接した短い時間の中からの興味深い言葉をランダムに拾い、当電子壁新聞にも貼り付けておきます。毎度ながら、テープをまわしていたわけではない速記ノートなので、書いてあることの信憑性はいつもの当電子壁新聞レベル。お気に入りの言葉は掛け軸にしてピアノの前に垂らしておくよーに。どれひとつをとっても、それをネタに10枚くらいの原稿なら直ぐに書けちゃうような蘊蓄に溢れたお言葉でありますな。
Leon-Fleisher1241009759895.jpg
上の写真は、本当に久しぶりに出た両手でのモーツァルトのジャケット。K.488など。シュトゥットガルト室内管をシュトゥットガルト音大のホールで弾き振りしてるので、ロータスQの連中などがオケに入ってる可能性もあるなぁ。明後日、大阪でヴィオラのともちゃんにあったら訊いてみよー、っと。

★歌はボトムラインが一番大切です。左手の(音量は)常に同じ大きさではない。モーツァルトでは音符が少ないので、そのラインをどう造るかが難しい。

★ピアノという楽器はひとつの音でのクレッシェンドやデクレッシェンドは出来ません。しかし、やっているように感じさせることは出来ます。

★同じフレーズがあると、(弾き方を)変えねばならないのですか?同じことを2回やるのがそんなに怖いのですか?聴衆は繰り返し故に退屈するのではありませんよ。演奏が退屈だから退屈するのです。同じフレーズが繰り返されると、より美しく弾くチャンスを与えてくれたことを私はモーツァルトに感謝しますけどね。

★この中にはピアノ教師をなさっている方も多いと思います。そんな方に言うのですが、真似をしろと生徒に言うのは極めてヘルシーです。なぜならば、真似をするとは、よく聴くということなのですから。

★空間の中での自分の姿を認識するため、バレエのレッスンを受けるのはとても良いことです。

★演奏では細部と大きなラインの両方を意識しなければなりません。全体が見通せないと、聴衆には細部ばかりが聴こえてしまいます。

★自分の悲しさをそんな風に表現しようとすると、貴方の考える悲しさだけが伝わる。モーツァルトの悲しさではなくなってしまいます。聴衆は貴方の悲しさに関心があるのではありません。モーツァルトの悲しさを聴きたいのです。このままではソープオペラになってしまいますよ。

★単純さの美、退屈さから生まれる美もある。

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