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富士山とアヒルと [演奏家]

いかな季節に無関係な前頭葉の肉体労働者たる小生たれど、梅雨も明けすっかり晴れ上がった「海の日」連休の真っ最中に遙か西伊豆まで呼び出され、観光客しかいない列車で温泉地の私鉄駅に下り、指揮者I氏が細い海沿いの国道を駆るちっちゃい車に文字通り揺られ、ジェットコースターのようなアップダウンをぐうっと曲がればこんな風景が望め
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ポニョの気丈な義理のお母さんが住んでそうな崖の上の家でこんな奴らに出迎えられれば
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気分はすっかりリゾートでんねん。

マーラーの楽譜積み上げた横にざっくり切ったスイカも積み上げ、なんのかんの話をしてりゃ、なんだかお休みの保養地でバカ話をしてるみたいな気になってくるなぁ。

「これ、食べるんですかぁ?」などと間抜け極まる質問をしてしまい、マエストロに、アホかこいつは、という目で眺められてしまった手前、アヒル君らの素性をご紹介しておきましょう。

海を越え厄偏庵に戻り、暑い暑いと上がり込んでた半居候モグラの現場情報ネットワークに拠れば、このアヒル君はマエストロIの演奏会の出演者だったそうな。「ピーターと狼」の最後に登場させるためガーガーと騒々しくしないアヒルを調達、ご出演になった、あのアヒルはどうなったんだろうなぁ、と思ってたんですけど、こんなところにいたんですねぇ。鳴かなかったでしょ…

確かに、アヒルのガーガー声はしてなかったっけ、言われてみればさ。崖の上、耳を澄ませば、聞こえてくるのはヒヨドリの声、波の音、微かに騒ぐ水泳客らの嬌声の断片、それにたまぁに西伊豆通いの客船のモーター。

マエストロIは、そんな音を耳にしながら、アヒルたちに水をかけてやってる。そうやって、音たちは内側にためられ、重なり、秋ともなれば、そんな夏の響きをタップリ含んだ音符たちが音になって。

「僕は今ね、作曲してるの。自分の親のこととか…オペラ、ってんじゃないんだけどさ…」

マエストロIも夏休み作曲家。かのマエストロMと同じです。

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