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塔がひとつになった街 [マンハッタン無宿]

奥さんがブリーカー・ストリートのクラブで6年間ディレクターやってる奴と話をするんで、「そこの猫がいつも昼寝している角を曲がって、燕のお家になってる家のところからちょっといったとこ」という様な調子で世界の位置関係を把握しているなんとも頼りないうちの奥さんが迷ったら大変なので、連れて行ってきたです。マンハッタン厄偏庵からこの辺りの劇場にセミナーで1週間くらい通ってたこともあるのに、「だってあれは冬だったから、全然違って見えるもん」とおっしゃる。うううん…

さても、M5のバスで延々と南下すれば良いと思ったら(これで行くと、奥さんが冬にブリーカー街とワシントン広場の間の劇場にセミナーで通ってたときに使ってた赤い地下鉄とは反対側から通りにアプローチすることになるんで、我が愛するお嫁さんの脳内ナビゲーションシステムは壊滅であります!)、なんせ大西洋岸の7月には珍しい爽やかさ、気温も華氏80度までいかないくらい(もうめんどーなんで摂氏に換算して考えるのは止めてます、はい)、マンハッタンは足を剥き出しにしたおねーちゃんや、タットー腕で振り回すにーちゃん、Tシャツでどこでも入っちゃうようなお上りさんで溢れてて、バスが全然動かない。で、しょーがないなーとスパイダーマンのお爺ちゃんが殺されちゃった図書館の前で下りて、グランドセントラルまで走り、緑の地下鉄でだああっと南下して、ブリーカー街駅まで至り、わあああ遅刻だぁ、とここまで下ると2車線の普通のローカル通りになってるブロードウェイを渡って妙に緑溢れるブリーカー街を劇場探しながら半分駆け足。
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人が地面を占拠しちゃってるワシントン広場から逃げてきたのか、アパート前のちょっとした広っぱにも鳩やスズメたちに混じって栗鼠がうろちょろしてます。
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んで、まだかいな、こっちかいな、と通りの左側が開けたところで目を上げると、え、あれはなんじゃいな。
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ちょっとまえまでは無骨なぶっとくて四角いだけの柱がドカンと2本、スカイラインを切り取っていたところに、太めの高い柱が1本だけ聳えてら。もちょっと開けた学生街の入口にまで来ると、シカゴのシアーズタワーみたいにいじましくも細い尖塔が天を指してるのがよーみえる。
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なるほど、あれが911跡地にやっと完成したリバティタワーなるもんなんね。へえええ。

地元民とすればもう錦糸町から眺める東京天樹みたいに見慣れたものになっちゃってるんだろーが、こんなとこに来るのは年に1度くらいのお上りさんやくぺん先生とすれば、へええええええ、でんがな。この辺りはマンハッタンでも珍しくワールドカップを本気になって眺めてるラテン系の若い衆やオヤジ共がいっぱいいるらしく、通りにはこんなもんも出てる。
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決勝は明日の夕方、もしかして3位決定戦をやってたのかな。それにしても、ブラジル応援団はこの状況でどういう風に盛り上がるんでしょーかっ。

んで、迷いながら到着したクラブ「赤い金魚」には、こんなポスターが貼ってある。その辺のコピーコップで大量に吸ったようなカラーコピーです。
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へぇ、アマネットQ、頑張ってるなぁ。まだセカンドとチェロの夫婦が中心でやってるんだろーか。なんせ最後の民音コンクール優勝団体なわけだから、もうここも結成四半世紀になるんだわなぁ。

てなわけで、霧なんてかかってない爽やかなブリーカー街、街は変わり、人は変わるも、なんかやっぱりいつも同じ、という場所でありましたとさ。

でももう、西に抜けた先に住んでたエリオット・カーター翁はいない。ツィンタワー崩壊の瞬間をアパートから眺めたという翁は、新しいタワーが先端まで伸びるのを見届けたのだろうか。♪ほりーほり~ぃ


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