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マダム・クァルトゥーのコンクール [弦楽四重奏]

昨日から、今やドイツばかりか全欧州弦楽四重奏オタクの聖地となりつつある1月終わりのハイデルベルク、「ハイデルベルクの春音楽祭弦楽四重奏フェスティバル」に来ています。
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2006年にじみいいいに始まって(オリーくんに拠れば「最初は聴衆は15人だったよ(苦笑)」)、いつのまにか今回で12回目を迎えたこのシーズンオフの小さなフェスティバル、今年からは更にとんでもないことになってる。

なにしろ、欧州弦楽四重奏業界でこの人を知らないとモグリと言われる「ブリュッセルのマダム・クァルトゥー」、知る人ぞ知るイレーネおばさまが、これまではベルリンでやってた若手支援コンクール(Qベルリン東京が2等賞になったりしてます)を、この音楽祭に持ち込んだのであります。ほれっ。
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「このフェスティバルは凄い水準よね」と仰っててきたイレーネおばさま(パリのビエンナーレのやり方には納得いってらっしゃらないようですが、ま、それも理解出来ます)、とうとうご自身が音楽祭の中心のひとつになっちゃった。

詳細は「奏」に書くことになると思うので、ともかく、結果だけ記しておくと、結成数年くらい、これから彼方此方のメイジャー国際大会に打って出ようという若手8団体がここハイデルベルクまで自腹でやってきて、20分くらい弾き、そのあと、エルベン御大以下、クスQのオリーくん、元ベルチャQで今はギルドホール音楽院の室内楽科の偉いさんになってるテイトくんなんぞ、そのままメイジャー国際コンクールの審査員団になれるような連中の前で弾いて、その後に質疑応答。抒情組曲を弾いた団体にエルベン御大が「君たちはハンナ・フックス・ロベティンの問題とこの作品のことをどう考えますか」とか、シューベルトの大ト長調を弾いた連中には「この曲のダイナミックス指定は他の曲と違うけど、それをどう考えますか」とか、猛烈に容赦の無い質問を飛ばします。テイトくんもオリーも、容赦ない質問をする。

それが無料で公開され、100人程の聴衆が聴いている。恐らく、こういう公開ホーディションとしては、空前のレベルのものですな。

さてと、実は今から、「コンクールとは何か」というテーマで審査員が喋るセッションが始まるのです。凄いフェスティバルでしょ。んなので、急いで結果だけ書いておくと…
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第1位コスモスQ
第2位ゲルハルトQ,、シンプリーQ、ゴルドムントQ

です。イレーネおばさんが「この子たちに奨学金をあげる」と決めるためのコンクールですから、賞がいっぱい出るということは、お金を貰える連中が沢山いる、ということ。だから、全然わるいことじゃない。ちなみに、おおっぴらに話したわけじゃないですけど、イレーネおばちゃまが考えてた結果とは違ったとのこと。「どう思った?」なんてあたしに言われてもねぇ…

詳細はこちらをどうぞ。なぜか英語版には賞金の詳しいことなど書いてないので、ご関心の向きはドイツ語でなんとかして下さい。
http://www.streichquartettfest.de/programm/veranstaltung/id=23876

ちなみに、音楽祭がお金を出す「聴衆賞」も設定され、なんと驚いたことに票数同一でゲルハルトQとエスメQ(トロンハイムでも入賞してた韓国のお嬢ちゃんたち)が賞を獲得しました。正に珍事、そんなこと想定してなかったから大変だったでしょう。こんなこともあるんだなぁ。

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