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上海Q大陸4都市でベートーヴェン全曲演奏 [弦楽四重奏]

2020年のベートーヴェン・イヤーにちょっと先駆け、お隣中国大陸ではベートーヴェン祭りが始まろうとしています。2018年シーズン、上海Qが中国大陸4都市でベートーヴェン弦楽四重奏全曲演奏会を開催すると発表されました。まとまった「サイクルですよ」というページは特設されていないようなので、ともかく、今シーズン中の日程を貼り付けます。
http://shanghaiquartet.com/performances/

じっくりご覧になればお判りのように、4月の中頃から北京、天津、武漢、長沙でサイクルの最初の2回のコンサートが次々と開かれます。それだけではなく、上海Qからの情報に拠れば、来シーズンには蘇州でも予定されているとのこと。

この話の重要なことは、このようなサイクルが北京や上海、広州といった大都市だけではなく、武漢とか長沙とか、はたまた蘇州とか、普通の意味で中国大陸で西洋音楽が盛んに行われていると信じられてはいない都市でも開催される事実。これ、大変なことでんねん。

今や世界のコンクールで次々と優勝者を出し、ランランとかユジャ・ワンとか、ソリストではスーパースターがいくらでもいる中国大陸の「クラシック音楽」でありますが、最大の問題点は「マーケットがないこと」と言われて来ました。ぶっちゃけ、「やりたい奴は山のようにいるが、ホントに金払っても聴きたい奴がいない」ってことです。そういう人がいるのは大都市部だけで、話が室内楽となると大都市でも客は弾くやつらばかり。ま、考えてみれば、人口10分の1の隣の極東の某島国だって、実体はそう違わないような気もするが…

このサイクル、上海Qの本拠地で上海シンフォニーホールのオープン時に中国大陸初のベートーヴェン・サイクル(これもデータが混乱していて、北京でドイツの団体が先にやってる、という話もあるのだが、よーわからんです)を無事に終えている上海は敢えて外し、上海辺りなら蘇州。北京はやるけど、ジュリアード分校が出来る天津でもやる。そればかりか、武漢とか長沙とか、内陸とまではいわないけど、あんまりわしらには関係ないような都市でもやる。

これらの都市には、悪名高い「作っちゃったけど、中身は殆どスカスカ」と揶揄される立派なアーツセンターなんぞもあります。そういう場所を活用する大きなイベントとしてベートーヴェン200年があるのなら、それはそれでなかなか有意義な使い方ではないかい。

それにしても、ホントに中国大陸は広いなぁ。まだもっと内陸には重慶だって長安だってあるわけだし、その気になれば「ベートーヴェン全曲」をやる可能性がある都市が国内に数十と存在している。「マーケットがない」とは、「広大な未開のマーケットが広がっている」という意味でもあるわけですからねぇ。

シャンが道半ばで倒れても、彼らに続くシンプリーとかも出てきている。なんか、思わず、「昴」がなって歩き出しそーな気がしてきたぞ。やっぱ、作品131終楽章口ずさみながら負け戦覚悟の悲愴な進軍、かな。

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