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ゲームの終わり~クルタークのオペラ世界初演 [現代音楽]

昨晩午後10時過ぎ、92歳の作曲家クルターク・ジョルジュが初めて書いた「オペラ」たる《エンドゲーム》の世界初演が、スカラ座で無事に終わりました。
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これからミラノの宿を出てパリはリヨン駅まで、7時間半の鉄路お旅です。流石にものがものだけに関心が高く、朝の7時過ぎにベルギー在住の現代音楽もレパートリーとする某弦楽四重奏の第1ヴァイオリン氏から「どうだったどうだった」と電話がかかってきたり。ここに至るまでに遇った音楽家たちも、皆、高い関心を示していました。こういう作曲家って、もう他にいないでしょうねぇ。

で、先程も朝から(日本では金曜午後だけど)編集者に連絡し、こういうものを書きますよ、というアウトラインを入れたら、もう字数制限を超えてしまった。なんせ、当地には「ミラノ現地レポーター」さんがいらして、当初はその方がこの作品には興味がないということで小生が見物にいくから、ということだったのだけど、数日前にその方がやっぱり行く、書く、というので、編集部も困っちゃったみたいで、結果として字数が猛烈に少ない、事実関係を書いたらオシマイ、というものになってしまい、当無責任電子壁新聞の方が余程ちゃんと記事を書けるんだけどそういうわけにもいかない、という困った事態になってます。

ただ、結論だけ言えば…オペラとしてはともかく、抜粋というか、断片としては恐らくレパートリーに残る部分がある作品でしょう。クルターク作曲バスバリトンのための《「エンドゲーム」からハムの最初のモノローグ》とか、テノールのための《「エンドゲーム」から仕立屋の歌》とか、そういう形でそれぞれ15分くらい(!)のクルタークのオーケストラ付き歌曲として広まっていくんじゃなかなぁ。

オペラとしては…うううん、演出家のアウディさん、お疲れ様でした、ってか、ご苦労様でした、って感じであります。まあ、《ヴォツェック》舞台転換的な技術が必要なわけではないにせよ、この繋ぎを「オペラ」として観せるのは大変だろーなー、って←これ以上書くと、商売原稿のネタバレになるからオシマイ。これ以上は、来月売りのO楽のT誌をご覧あれ。オペラ関係者の方に、「まあ、独立記事が載ると後で国会図書館などで記事検索するときに便利だから、ないより良いでしょ」と慰められました。トホホ…

なんにせよ、音は昨晩の世界初演がRAIで生放送されているので、いずれNHKFMでもやると思います。請うご期待、ってか、もうすぐにネット上には溢れかえるんじゃないかしら、エアチェックした音源が。

さて、もうミラノ・ガリバルディ門駅に向かわねばなりません。徒歩10分くらいとはいえ、荷物があるので、もう出なければ。明日はこの短いツアーの最後、オペラ・コミックでどうやら全曲指揮を狙ってるみたいな指揮者さんによる《光の木曜日》です。思えば、この作品の世界初演もスカラ座だったっけねぇ。

[追記]
やはり今時の世の中、YouTubeに全曲をアップしている方がおりました。こういうの、良いのかと思うが、ともかく2時間5分の全曲が聴けます。ご関心の向きはどうぞ。
https://youtu.be/sFOUf9WAY8Y

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