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2018最後の柿の実 [葛飾慕情]

そもそも今年は葛飾オフィス巨大柿の木にしてみれば裏の年で、大豊作の昨年を受けて実りが極端に悪い年だったところにもってきて、夏の灼熱地獄はともかく、秋には颱風が次々と荒川放水路向こうの新開地を襲い、中川放水路の開削が終了したオリンピックの前の年よりも昔だったら確実に水が出ていたでろう葛飾オフィス近辺のかつては小型アカイエカ跋扈した暴れ川流域には、なんと東京湾から吹き上げられた海水がぶちまけられる塩害被害が発生。巨大柿の木の南側は一気に葉っぱが枯れて落ち、結果として南側の町工場や道路に突き出た枝にぶら下がった柿の実は一気に熟し、北風が吹いてはボタボタ落ちて車道を柿色に染め上げるというご近所迷惑をやらかすことになったわけでありまする。いやはや…

普段ならば新暦霜月第3週の日曜日くらい、サンクスギビングのお休み前くらいに開催する柿の実収穫フェスティバルなんだけど、今年はこのままではボタボタ落ち続け、ひよちゃんやムク軍団にいいように蹂躙されてしまうぞぉ。ってなわけで、先月に超短期で欧州をウロウロしてくる前に慌てて収穫を行い、ご近所や道ゆく善男善女におわけしたわけでありますが、今回は日程変更のためにいつも来てくれる近隣児童の何人かが来られず、結果として随分と葛飾オフィスのテーブルに並べたまま留守にすることになった。んで、戻って来たらこんなことになってたわけでありました。
https://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2018-11-30

なんでも「木枯」にはきちんと気象庁さんの定義があり、東蛮族の土地では新暦霜月に吹く最初に強い北風が「木枯一号」だそうな。んで、なんと今年は木枯一号が吹かないままに師走となってしまい、どうも未だに吹いていないらしい。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018120100168&g=soc
実際、師走も2週目に入ってもアホみたいに暖かい日があったり、なんでも「地球温暖化」にするつもりはないけど、今年は妙だったねぇ、ってこと。とはいえ、流石にいくつか残してあった柿の実も巨大柿の木から全てなくなり、色付いた葉っぱももうほぼ落ち切って枝が裸になる寸前であります。なんせ柿の葉というのはデッカくて、歩道に落ちればこれまたそれなりに面倒なゴミの山となる。ホントは落葉焚をしたいのだが、こんな遙か東京から離れた新開地とはいえ一応戦時中のドタバタで「東京都」の「特別区」なるヌエ的な自治体になっちゃっており、今は落葉焚をしようもんなら消防庁さんに叱られます。しょーがないなぁ、と夜の間にコソコソと葉っぱを叩き落とし、かき集め、月曜朝一の燃えるゴミに出す作業をすべく参上した日曜であったとさ。

さても、それなりに量がある柿の葉をゴミにして、区役所指定ゴミ袋に突っ込み、あとは朝っぱらに出すだけ。かくて2018シーズンの巨大柿の木関連作業は全て終了、次は時期を見てシジュウカラ・レストランを開業することになるわけですが、とにもかくにも終わった終わった。じゃあ、冷蔵庫に入っている最後の柿の実も腹に収めてしまおうかいな。

葛飾オフィスの巨大柿の木、もう典型的な「渋柿」でありまして、そのままでは喰らえません。配られた皆さんもそれぞれに工夫なさってるのでありましょうが、いちばんポピュラーなのが「干し柿」だそうな。だけど、なんせやくぺん先生は日本列島滞在時の半分は佃大川端縦長屋にいるわけで、雨が降ってきたら干し柿を慌てて引っ込める、なんてことが出来ない。となると、一番簡単なのは…なーんにもせずに放置することでありまする。

ただ放置するだけでも、数週間も室内の日陰においておけば熟成は進み、どんどんグチャグチャになってきて、ある程度以上いっちゃったなぁ、と思ったところでおもむろに皮を剥く。っても、堅いときのように包丁で剥いたりは出来ず、なんのことはない、指をグチャグチャにして皮をぶち破り、中のグチャグチャな実をスプーンで掻き出すだけでありまする。これをデッカいボールに集め、そのまま喰らっても良し。ある方のアドヴァイスで、脂肪強めの無調整牛乳をぶち込んでかきまわすと良いあんばいに固まるよ、というのでやってみたけど、なぜか全然ダメでした。この柿&ミルク汁、それなりに美味しいものではありましたが…あんまり人には薦められないなぁ。

結論からすれば、葛飾巨大柿の木から収穫された渋柿を最も美味しくいただく最も簡単な方法は、なんてことない、冷蔵庫に入れて数週間放置する、であります。家電メーカーが「野菜専用室」など湿度を落とさないパーティションが付いた高級冷蔵庫も出している今日この頃ですが、巨大渋柿を喰らうには、そんな場所に入れてはいけない。冷蔵庫の普通の場所に入れて、低音でじっくりと、ちょっとづつ水分を取っていきます。要は、低音状態の極めてライトな干し柿にするわけですな。

今年は1個だけ、そんな風にしてあった(なんせ柿の実というのはもの凄い場所ふたぎなもんでねぇ)。全ての柿の木関係作業を終え、おもむろに冷蔵庫から取り出し、ふたつにすっぱり割ります。んで、白いお皿の上にのっければ、ほーれ、こんなん。
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いやいや、巨大柿の木の下に基地を構えるアヒル軍団のクリスマス盛り上げ隊長もやってきて吃驚しているように、なんとも立派なスィーツに見えるじゃああーりませんかぁ!先っぽが割れた苺スプーンをばざっくり突き刺し、美味しゅういただきましょうっ。ありがとー、葛飾の土よ!ありがとー、帝都東の太陽よ!震災時にはセシウムも降ったこの汚染された地を、今年も潤して下さって感謝の極みでありまするっ!

残りの半分は、グチャグチャに潰して、夜の間に既に仮店舗は出してあるシジュウカラ・レストランの屋根の上にのっけて、ムクヒヨ雀にお裾分け。朝になって眺めると、もうこんな状態。
IMG_4986.JPG
柿の実がなくなってから「レストランはまだだぎゃー」と叫んでるヒヨちゃんも、朝からやってきてぎゃーぎゃー騒いでます。

かくて、柿の実の季節は終わり、いよいよ柿の木周囲はめじろんやらシジュウカラさんの季節。今年はまだ帝都ではつぐみんを見ないなぁ。

木枯も 吹かず師走の 裸枝

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