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ヴェトナムの音楽家たちご紹介(2) [演奏家]

連日朝から夕方までのセッションが続く藝大&ヴェトナム国立音楽院室内楽プロジェクト、本日は松原かっちゃんとモーツァルトの弦楽四重奏曲K.428に取り組んでる音楽院の若い先生たちをご紹介いたしましょうぞ。

まずは、第1ヴァイオリンを弾いているグェン・ティエン・ミン氏でありまする。
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VNAMのファカリティではいちばん若いひとりらしく、ともかく忙しいそうで、なんせ藝大一行到着初日のキックオフ・パーティにはなにやら練習があったそうでヴィオラさんと一緒に遅刻してきて、話をすればその前日には開催中の現代音楽祭で弦楽四重奏でヴィオラを弾いてて(拍子が難しいので指揮者付きだったそうな)、もうバタバタとのこと。どうやらこの街、それなりにプロフェッショナルな音楽家が必要とされる仕事はあるようで、難しいもんだとこの世代の若い人達にまわってくるらしい。ま、世界中、どこもそうなんでしょうけど。

弾きっぷりも風貌も藝大のながおかくんにそっくり、と上野連中から言われているミンくん、当地で学び、どういう官費か知らないけど官費でオスロの音楽院に留学、昨年はオスロのオペラのオケで弾いていたそうな。どうも土地が合わないというか、仕事が合わないというか、とにもかくにも故郷に戻ってきて、音楽院の最若年スタッフに名を連ねたばかりとのこと。

セッションが始まったときは、みんなそうだけど、松原かっちゃんの「間違っていることはない」「音じゃなくて音楽」「合ってることがは大事じゃない」などというやり方に戸惑っていたようですが、2回目のセッションからははスゴく楽しそうになって、もうドンドンとやりたいことをやるようになって来ている。国に帰ってからこんなに音楽やってて楽しかったことはない、って勢いになってきてます。本番ではどこまで炸裂するか、楽しみでありますねぇ。

松原クァルテットでヴィオラを担当するのは、これまたお若いド・ホン・チャさん。現在ブカレストに留学中で、今、休暇でハノイに戻っているところみたい。彼女も自由すぎるかっちゃんセッションには驚いたようだが、面白がりっぷりでは一応「先生」という立場のミン君よりもアクセルの踏み方は早く、セッションのムードメーカーになってました。今日は「じゃあ、場所を変えてみよう」とかっちゃん先生が言い出し、それまでの下手から「ファースト、セカンド、チェロ、ヴィオラ」という配置を、「セカンド、ファースト、チェロ、ヴィオラ」とか、「ファースト、チェロ、セカンド」、はたまた「ヴィオラ、チェロ、セカンド、ファースト」などというあり得ないような配置とか
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いろいろやってみて、目を白黒させながらも面白がり、最終的に「ファースト、チェロ、セカンド、ヴィオラ」というやり方でいこうと決定したのはチャさんの「これがいい」という御意見によってでありました。いやあ、こんな配置でのクァルテット、彼女のこれから先半世紀も続くであろうヴィオラ人生でもこれだけじゃないかしらね。

昨日は、松原先生がやってみるかと持ち出したバッハの無伴奏ヴァイオリン曲のクァルテット編曲楽譜がもの凄く気に入って、本番でもアンコールに弾きましょうよ、と言い出してます。さても、どうなることやら。

松原クァルテットのセッション、とにもかくにも端から眺めていてこっちがなんだか無性に嬉しくなってきてしまう程楽しそうに楽譜と遊んでるみたいな時間が続いており、ま、こういうことがやれたのだから日本国御上もたまにはまともなことをしてくれるじゃないかい、と納税者として大いに喜ばしいセッションの日々でありまする。

24日午後7時から、松原クァルテットに請うご期待!

[追記]

結局、本番ではバッハ、弾きました。演奏会が基本、「第1楽章アレグロ」ばかりが次々と並ぶ形になっていたので、格好の「アンコール」となりました。
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https://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2018-12-25
なお、チャさんが「この楽譜、欲しい、弾いて良いですか」というのに編曲者の松原先生はご自由にと応じたので、ことによるとこのかっちゃん先生のクリスマス・プレゼントのバッハの楽譜、VNAMの弦楽器合奏クラスでは有名なものになるかも。

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