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ジェームス・エーネスの弦楽四重奏団 [弦楽四重奏]

「ソリスト級の集客力を持った奏者が中心となり、ある程度固定した顔ぶれで弦楽四重奏を演奏する」というタイプの団体があります。フェスティバル・クァルテットと呼ばれたりもするタイプで、「常設弦楽四重奏団」神話が眼前と聳えていた20世紀レコード巨匠の時代にはイロモノとして異端視されていたけど、実は歴史を遡れば遙かパガニーニに始まり(パガニーイを除く3人はピットで弾いていた、なんて記録もあるようですが)、あの世に名高いヨアヒムQも「ヨアヒム先生が各都市氏に赴き、その地の弟子やら知った顔ぶれを集めて弦楽四重奏を演奏する」というのが実体だったという。「レコード巨匠時代」にも、目立たないながらもオイストラフが頭を弾いた弦楽四重奏団が存在し、録音も遺されてますな。シュパンツィックやカール・クリングラーとは別の流れがあるんだ、って割切った方が正しい認識なのかもなぁ。

もとい。そんな「スターがやる弦楽四重奏」、あたしらの記憶にあるのは今やツェトマイアーもパムも今井さんもメネセスも経歴には決して記さないカザルスホールQとか、クレメルQとか、それこそツェトマイアーQとか、若いところではユリア・フィッシャーQとか、いろいろある。クイケンなんぞの伝統か、イブラギモヴァや酒井淳氏みたいに、古楽系の影響を受けた人達は、弦楽四重奏を特別視せずにいろんなアンサンブルのひとつとして常設でやる、なんてのも当たり前になってきてますな。

とはいえ、大学レジデンシィという世界が羨む制度をガッツリ有する常設弦楽四重奏大国北米では、案外とこういうスター軍団って弦楽四重奏は存在せず、ヨーヨー・マがたまにやってたりするくらいだったんじゃないかしら。そんななか、今や中堅だけど、かのジェームス・エーネスが弦楽四重奏をやるようです。それも、なぜかソウル・アーツセンターのあのバカでっかい大ホールでの公演。
http://www.sac.or.kr/SacHome/perform/detailE?searchSeq=35777
ノブスQもここでやるから、やれなくはないのだろうけど、世界のメイジャー団体でも紀尾井がMAXで、エベーヌQがハクジュやブルーローズという会場の適正規模化が進むトーキョーでは考えられないですなぁ。ま、ヴィオラとピアノのソロリサイタルをあの大会場でやってギャルを集めちゃう韓国では信じられない程の人気者、リチャード・オニールがヴィオラに座っており、どうも集客的にはそっちがポイントみたいなんですけど(リチャード・オニールのクァルテットって、日本ではラ・フォル・ジュルネでエリック・シューマン頭でやったことがあったんだけど、なんか当て外れみたいな聴衆の入りでしたっけ)。

個人的にはエーネスというと、スクロヴァチェフスキやデ・プリーストが振っていた頃のジュリアード音楽院管のコンマスってイメージなんだが、もう20年以上も昔の話かぁ。さても、どんな弦楽四重奏やるのかなぁ。この情報、なんせ昨日ソウル・アーツセンターから送られてきたリリースからホームページ眺めててやっと今頃発券したもんで、興味深いけど残念ながらこの日から秋吉台入りなんだわなぁ。もう山口宇部空港行きのFIXチケット買っちゃったし。誰か、元号転換代連休の初っ端、ソウルまで行って聴いて来てくださああい。

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