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サルでも(パスポートがあれば)行ける統営のいきかた [たびの空]

ふたりの新入学生オリエンテーションが明日あるので、アーヴィン様にはご挨拶も出来ないままに桜溢れる上野の杜に戻ったお嫁ちゃまを釜山近海国際空港までお見送りに行き、戻って参りました。今晩は大ホールでのメストレ様のチェロやヴァイオリンとの室内楽のあと、《二人静》が撤収されて香港現代アンサンブルが来るまでの隙間を利用した小劇場でのアルメニアやら西洋やら韓国やらの横笛がいろいろ出て来る現代ものというか、ワールド・ミュージック(まだそんな言葉あるのか?)というか、ま、そんなんないかにもフェスティバルっぽいナイト・スタジオでありまする。

さても、当電子壁新聞は立ち読みの皆様はよーくご存知のように「書いてあることはみんな嘘、信じるな」をモットーとしておりまする。とはいえ、たまには世間のお役に立つこともするわけで、ある方から伝え聞くところによれば「ミラノで市内からコンサートホールに向かうにはどう行けば良いのか」とググると、当電子壁新聞の記事が出て来るそうな。へえええ、少しは世間のお役にも立ってるのかぁ。

てなわけで、今回も統営のディレクターやら裏方さんの直接のお役に立つべく、旅行ガイドでありまする。ニッポン国から、基本的にニッポン語でハングルは読めない方が統営のイサン・ユン・メモリアルホールに来るためにはどうすれば良いのか、であります。統営市観光局に褒めていただきたい話だぞっ。

※※※

さても、ミュンヘン故郷のディレクターさんは「仁川が出来てから国際線長距離があっちに統合され、ルフトハンザの直行便もなくなってLCCばかりになってしまった」と嘆く釜山市郊外北西の平らな中洲に広がる金海国際空港でありますが、幸か不幸か昨今のLCC大爆発のお陰もあってか、ニッポン列島からはスタアラグループは飛んでないけど、大韓航空やJAL、それにエアブサンを始めとするLCCがあちこちの都市から就航しております。金沢の音楽祭プロデューサーさんは金沢便がない、とお嘆きだったけど(セントレアから来るそうな)。

なんであれ、この空港、ソウルのように国際線は仁川で国内線は金浦と分離してはおらず、国際線と国内線ターミナルが別棟ながら南北に並んで配置されていて、歩いても移動は可能です。ハノイみたいに並んでるけどターミナル移動をしようとすると一騒ぎ、ってのじゃありません。だから、韓国国内では、金浦から仁川への移動が面倒なんでわざわざ釜山に来て減ったとは言えアジア圏を中心にそれなりにいっぱい出ている国際線に乗り継ぐ、という客も多いそうな。

もとい、で、日本からいらした方は、みんな北側の国際線ターミナルに到着します。なお、ご存知の通り韓国は未だに戦時下ですから、駅や空港は本来は撮影禁止。なんせLCCが沖駐めされる貨物ターミナルの北側には、韓国空軍の虎の子E-737が背中に細長いレーダー乗っけて並び、その隣にはこれまた虎の子のK-330が空中給油の尻尾出してる。更に向こうにはソウル上空でも結構お馴染みのちっちゃいCASA235とか、世界のベストセラー空の4トントラックC-130も。胴体の短いオリジナルタイプと、長い新型とが掩体壕の中に収まり、朝からLCCやらに混じって空港の周りをグルングルン、タッチ・アンド・ゴーしてら。
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反対側の北の済みにF-16がアラートしてるのを眺めたことがあるけど、今回はノンビリした裏方連中ばかりで、そういう物騒な最前線猛禽類はおりませんでした。

もとい、で、自動入国システムはないけど、比較的あっさりと入国し(外国人の数よりも圧倒的に韓国パスポートの人が多いLCCだったからかもしれぬが)、世界のどの空港とも同様に1階となる到着ロビーに出る。すとんとした判りやすいロビーで、ともかく、入国口を背に右のいちばん隅っこ、4番出口に向かいます。
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真ん前にはリムジンバスの停留所が並び、向こうを2両編成の新交通システムが走ってる。
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統営行き直行バスがまだない午前10時以前に到着しちゃった方は、国際線と国内線ターミナルの間にある新交通システム駅まで荷物引っ張り、乗り込んで、釜山市街方向に終点まで行き、釜山西バスターミナルに向かうことになるのだけど、そんな早い便があるのか知らん(JALとかがあるのかな?)。ともかく、直行バスに乗るのじゃ。

とはいえ、バスのチケットを買わねばならぬ。チケット売り場は、4番出口を出て更に右、国内線ターミナルに向けて数十歩歩くと、右手にあります。窓口は複数あり、どっちでもOKみたい。
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ともかくカウンターにいるオッサンやらおねーちゃんに「とんよんとんよん」と叫べば良い。と、現金₩12400也でチケットを出してくれます。日本語は出来ないかもしれませんが、流石に国際空港、ちゃんと対応はしてくれます。こっちも堂々としてればもーまんたいっ!チケットは表記はハングルだけど、バスの指定席はまあ、誰でも判るように記されてる。
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んで、4番出口の真ん前の1-2バス停に行くと、しっかり「統営行き」とアルファベットでも書かれているので大丈夫。これが時刻表。
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やがて、定刻ちょっと前にバスがやってくる。なんせバス大国朝鮮半島南部ですから、新しくないバスでもそれなりに立派で、なによりもシートが広くて快適。やくぺん先生が乗ったヒュンダイのバスは、残念ながら電源は付いていないし、Wi-Fiも飛んでませんでした。最近は韓国のバスは基本、両方大丈夫なんだけど、ハズレだった、ということなのかしら。それともこの路線はこうなのか。なお、ソウルの市バスみたいに「この車両はこの路線しか走りません」ってタイプではありませんでした。

釜山西バスターミナルからの客を乗せた統営行きの中に空港に寄るのもある、って運行なのだろうと思ったら、どうやら空港発みたい。10時丁度くらいにやってきたバスには、誰も乗ってません。で、バスに乗って運転手のオッサンにチケットを渡し、半券をちぎってもらい、指定された席に座ります。2×1席の韓国の長距離バスでは標準的な配置で、ひとりがけは進行方向右側。釜山から統営に向かうには、海側は左で右は山側になるんだけど、左に座るとずーっと日向になるので、それが嫌なら右にすべし。なお、統営行きは途中でちょっと南の固城という恐竜パークがある人口5万くらいの町にだけ停車し、巨済島側の風光明媚な海の高速道路は通りませんから、残念ながら海は殆ど見えません。だから、左側座っても拍子抜けですので、悪しからず。

国際線ターミナルからは3人の客を乗せ、定刻10時4分に動き出す。ちょっと走って国内線ターミナルバス停で停車。8人の乗客を乗せます。で、あとはもう、空港から5キロに渡り延々と続くという桜のトンネルを抜け、釜山とソウルを結ぶ高速にちょっと入って、直ぐに分岐し、一路西へと向かいます。
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正直、それほど車窓風景は楽しくはないですが、川が流れてると桜を植えちゃってるんで、この季節はとっても綺麗でありまする。これ、軍事政権の後くらいに全国規模で桜の植樹をしたときに上手くいったものたちだそうで、日本の比べると遙かに樹齢が若く、勢いがありますな。ソメイヨシノの品種だそうな。

てなわけで、なんのかんので高速を飛ばし、途中から一般道に降りる。ってか、釜山から西に来る高速支線が、統営から真っ直ぐ北に大邱の方に抜けて行く高速に合流する前の辺りがまだ工事中で繋がってない。あと数年もすれば完成するのでしょう。

で、その釜山からの高速が繋がるであろう場所が、唯一の途中停車駅たる固城バスターミナルじゃ。
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小さな町の外れの畑の中のバス車庫、って感じ。11時3分に到着。ここでオジサンとオバチャンが下車。上空を韓国沿岸警備隊のピューマ君がノンビリ舞ってるのを眺めつつ、バスは小さな街中を抜け、一般道で統営に向かいます。
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満開の桜に囲まれた統営市北西のバスターミナルに到着したのは、11時半でありましたとさ。
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渋滞もなく、いかにも韓国のバス旅らしい、ノンビリと快適なもんでありました。流石にバス旅王国であるなぁ。ちなみに、統営には韓国国鉄は入っておりませんので、ソウルやら大邱やらに向かうにも、この中央バスターミナルから北へと向かうのが基本となります。

さても、バスを降り、人々の流れに従って横のターミナルビルに入っていっても、残念ながら表記は全てハングルのみ。正面を出ると、ずらっとタクシーが並んでるので、面倒なら飛び乗って、「コンサートホール」と叫べば、絶対に行ってくれます。市内には、昔からある文化会館みたいなものはあるそうだが(統営音楽祭祝祭オーケストラの練習はそっちでやってます)、まあ、そっちに連れて行かれることはないでしょう。不安なら、「イサン・ユン・コンサートホール」と言えば大丈夫。間違って市内港近くの「イサン・ユン記念公園」に連れて連れて行かれちゃっても、バスターミナルからだとホールに向かう途中ですから、「ねーねー、コンサートホール」と言えば判ってくれるでしょう。ちなみにタクシー代は₩10000くらいだそうです。千円札1枚、って感じ。

それが嫌なら、並んでるタクシーの先頭の向こうに、路線バスの停留所があります。その手前に路線バス案内所があるので、「マップ」と叫べば、市内バスマップを下さいますし、中に居るオバチャンに「コンサートホール」と繰り返せば、マップを開いて乗るべきバスに丸をしてくれます。タクシー乗るにも、そこでマップを貰って、コンサートホールの場所を指差すのが安全かも。バスは全く簡単で、正面に電光掲示板で番号が書いてありますから、100番代のバスに乗れば良い。バスをどう支払うか…ううん、韓国のSuicaみたいなTマネーで乗っちゃったんで、現金ではどうするのか、いくらなのか、知らない。ゴメン。Tマネーは韓国全土で使えるし、コンビニやらタクシーやら飯屋でも使えるところが多いので、空港に着いたらコンビニで調達することをお薦めします。1万ウォンもいれておけば大丈夫だから。

バスはジャンジャン来ますし、何番のバスがあと何分で来るかの電光掲示板表示もありますので、ハングル読めなくても全く安心。いつものように乗り込んで、Tマネーをタッチ。バスは選挙最終日
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前大統領弾劾後に大統領代行を務めた大物を、父はイサン・ユンの宿敵たる前大統領の勢力が猛烈にプッシュして釜山拠点の現大統領派との壮絶な闘いを繰り広げているという国会議員補選の騒動を抜け、20分も走り、音楽祭幟がはためく橋を渡り
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中学などがある桜の通りを抜けると
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熱海みたいな観光地風景になってきて、コンサートホールの聳える岬の下に到着。100,113,143番のバスはここが終点だから、間違いようがありません。
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なんのかんので釜山金海国際空港にタッチダウンし、うまくいけば3時間くらいで到着も可能です。さあ、イサン・ユン・メモリアル、貴方も行けます、直ぐ行けますっ!6月には溜池でベートーヴェン全曲を終えたクスQが翌日にやってきてベートーヴェン弾くし、7月にはエベーヌQもベートーヴェンばっかり弾きに来るぞおお!

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