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アルディッティが居る風景 [演奏家]

統営国際音楽祭、まだ残すところ明日からのマイスキー&フェスティバルオケがメインとなる(ホントは、香港現代音楽アンサンブルがメイン、と言いたいけど、世間ではそうもいかんでしょー)今週末まで続くのだけど、あたしゃ、明日の朝に崖の上の音楽堂隣の宿舎を出て、釜山空港に向かい、桜も終わりの帝都に戻ります。なんせ、モロに商売もんで、こんな無責任私設電子壁新聞に気楽に書く訳にもいかなかったので、最後にイサン・ユンのお墓も眺める真っ暗な半島南の風光明媚な海を眺めつつ、生存証明のよーなことをば気楽に記しておきましょう。

本日は、昨日の夕方に北米から15時間のフライトで半島までやってきたアルディッティの日でありました。昨日、アーヴィン会社の若いもんら(でもないんだけどね、もう)に宿舎の食事処で出会い、俺たちは一度ヨーロッパに戻ってそっから来たんだけど、社長は直接北米からここに入る筈。まだ到着してないのかな、なーんて気楽な話をしてた。んで、今朝、10時からホールで細川氏立ち会いで練習があるというので覗かせていただくことになり、ホール隣の宿舎を出ると、目の前をひょこひょこと歩いて行く見慣れたお姿が。現代音楽の鉄人アーヴィン・アルディッティ氏、御年66歳也!
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アーヴィン氏ったら、やくぺん先生なんぞがいることには驚きもせず、ああまたこいついるのか、って顔でご挨拶。あとはもう、まるで数日前からいるような空気になってしまい、ダラダラと誰も居ないホールに入り込み、アーヴィン社長は「この譜面台じゃ、楽譜が大きいんで置けないぞ、なんか別なのはないのか」ってバタバタ始まってしまい(面白いことに、アルディッティQは誰も今時の電子パッドを使ってません)
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そこにセミナーの若い作曲家と一緒に細川氏がやってきて、あとはもう、毎度ながらの風景。
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ボーッと眺めているやくぺん先生とすれば、今、練習が行われてる《ランドスケープⅠ》って作品、1992年のカザルスホールでの初演の時になぜかやくぺん先生が曲解を書いていて、そのときもアルディッティの練習を眺めてたなぁ、結果的に最終回になった民音の室内楽コンクールが芝の郵便貯金ホールで行われてる時で、うううん困った、と両会場を往き来してたっけ。そうそう、西村氏の《光の波》も同じコンサートで初演されて、思えばトンでもない演奏会だったんだなぁ…

なーんてすっかりしょーわ爺の昔話に浸っていたのだが、そのときにも既にスタッフとしてカザルスホールにいらして、一緒にホールで練習を聴いてた現アルディッティ日本のマネージャーさんと「7月にアーヴィンが静岡でソロの演奏会をやるんで、せっかくだから話でもきこうか」ってことになり…

あとはなんのかんのなんのかんの、どうやら流石に今日は鉄人アーヴィン・アルディッティにしてインタビューは無理かな、てことは午後に音楽祭プログラム・ディレクターさんとのインタビューが終わったらあとはボーッと演奏会に座ってるだけかぁ…なーんて、気分は終わった終わったモードになってたところに、アルディッティQ演奏会開演40分前になって「インタビュー、します」という連絡。おいおいおい、いつやるんだぁ、あたしゃ、明日の朝8時に釜山空港に向かうんだぞぉ、ってパニックってたら、またまたなんのかんのなんのかんの、終演後に飯食いながら、ってことになってしまい…

斯くて、演奏の最中は10分程度で何を聴くべきか、半分はそんなことを考えつつも、おおおおもしかしてアーヴィンたちで細川作品を聴くのは初演以来ではないかぁ、思えばあの頃はホントにアホだったなぁ、今はもっとアホになってる気もするけどさ…

終演後、サインを求める人々に、楽屋から出て来たロビーで、こんな楽譜に書くのか、俺は作曲家じゃないぞ、などと苦笑しつつ丁寧に対応し
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やっとホールのレストランに辿り着けば、山のようにアルディッティQのCDを抱えた熱烈ファンがこの全部にサインをしてくれと無茶な要求。呆れつつ、しっかりサインする鉄人であった。
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皆さん明日は本番がないので旅の疲れのままにワインやらを空け始めた横で、質問2つだけのインタビュー敢行。あたくしめも、先程来のサインちょピープルとなんも違わんわなぁ、いやはや…こんな状況でも、極めて適切に、そのまま内容を書き起こせば記事に出来てしまうようなスゴくキレキレの発言をしてくれる超人アーヴィンであったとさ。ありがとう御座いましたです。

アーヴィン・アルディッティ氏、7月に単身来日し、静岡でのみ只1度の無伴奏ヴァイオリン演奏会を行います。
https://www3.aoi.shizuoka-city.or.jp/concert/detail.php?y_yoyaku_day_uid=16216
数年前に津田ホールでやった《フリーマン・エチュード》の語り草となる演奏をご記憶の貴方、静岡なんて遠くないっ。

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