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香港に就職… [演奏家]

香港シンフォニエッタさんから新しいリリースが来ました。Web版もアップされているようなので、ご覧あれ。こちら。
https://hksl.org/press_release/hong-kong-sinfonietta-appoints-german-conductor-christoph-poppen-as-music-director-from-april-2023/

要は、本日付の緊急報で、「2023年4月から香港シンフォニエッタ音楽監督にクリトフ・ポッペンが就任します」ということ。

正直、ちょっと驚きました。ひとつは、音楽業界の常識からすれば随分と急だなぁ、ということ。普通に考えれば、音楽監督就任って少なくとも2シーズン位前から準備されるものです。ポッペン氏は、この団体にはもうずっと客演していて、イップ氏がもう数シーズン前から監督のタイトルは返上しているので、実質上監督空位になっていた。まあ、端から見れば「え、まだポッペンさんじゃなかったの」という感じなんで、人事そのものはビックリではない。つまり、監督としてのタイトルを貰う2ヶ月前に発表になる、というタイミングが不思議なんですね。これはどういうことなんだろうなぁ。

ま、いろいろと勝手な憶測はしちゃうところですけど、なんであれミュンヘンのポッペン氏が今、敢えて香港のポジションを獲った、というのは興味深いところです。思えば、ニューヨークのポジションは早々に手放したヤープ氏も香港フィル監督というタイトルはまだ維持しているわけだし、香港情勢は「安定」と判断しているということなんでしょうかねぇ。

ニッポンではテレビのチャンネルを捻れば「台湾有事」やら「中国軍の侵攻」やら叫ばれる今日この頃、みんな「香港民主化」は忘れちゃったのかぁ。思えば、今を去ることもうぐるっと干支も一回りした12年前の2011年、大震災&原発事故直後に日本フィルさんが香港芸術節出演のためにラザレフ御大と彼の地に向かい、シンセン近くの新開地の中学にアウトリーチに行ったりしたっけ。あのとき、学校で弦楽四重奏を聴いていた真面目そうな子どもたちは、今、正に香港民主化運動で闘ったり、あるいは昔の仲間を通報したり逮捕したりする現場の側に入っていたり、いろんな人生を歩んでいるのでありましょう。

ポッペン氏としても、ケルビーニQでフィッシャー=ディスカウ息子なんかとやってたのは遙か昔、ミュンヘンARDコンクールを「普通に優勝者が出るまともな大会」へと大改革したのももう20年も前のこと。アジア各地で指揮者や教師として大活躍する勢いで、香港の音楽界に何を与えてくれるのか。

…っても、やっぱり今月半ばに予定していた芸術節のエスメQ公演、やくぺん先生は見物を断念しますです。ま、九州でもいろいろありますもんで。次にランタオ空港に着地するのは、いつのことになるのやら。

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