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韓国団体初のベートーヴェン全曲演奏は… [お詫びと訂正]

「弦楽四重奏」ではなく「お詫びと訂正」カテゴリーです。

先程、ソウル・アーツセンター室内楽ホールで、ノヴスQに拠るベート-ヴェン弦楽四重奏全曲演奏が終わりました。ホールを埋めた広い世代の聴衆は長い長い拍手とコロナなんぼのもんじゃいのブラボーが乱舞する大盛り上がりの《大フーガ》のあとしっとりと作品135緩徐楽章で、いろいろあったコロナ勃発からソウルでのサイクルがやっと始まってからのノヴスQの連中にとっても激動が走馬灯のように…なのかな。
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際立って独特な、賛否両論は必至の重くない、でも《ラズモ1番》などでパワーの炸裂が必要な部分ではしっかりはしっかりと強烈なアタックのfffはある演奏です。11月の第4回(コロナ禍がなければ最終回だった)で覚えたなんとも不可解な違和感は、最後に弾かれたジョヨン社長が第1ヴァイオリンに座りきっちり纏められた作品130+《大フーガ》のあと、第1ヴァイオリンがヤンウクに交代し奏でられた「もうヘバヘバで力入れて弦を押しません、全部ノンヴィブでソットヴォーチェ」みたいなアンコールとのキャラクターの違いで、成る程なぁとある程度は納得した…というには、サイクルのうちの2回しか聴いてないのでなんとも言えんなぁ。やっぱりベートーヴェン全曲は作品127を聴かんと判らん、と思ってしまった。

「ともかく集まってやってみました」というレベルではない、まともなプロの演奏としてのしっかり商売になる再現だから、こんなこと言えるんですからね。ただ、一昔前の「韓国の弦楽器は熱く粘るチョン・キョンファ」みたいなイメージとの脱却とは言わんけど、随分と違う世代になってることは確かです。

…と、いうよーな話ではなく、問題は「韓国団体による初のベートーヴェン弦楽四重奏全曲ライヴ演奏」です。一部では「ノヴスが韓国初」とも言われていたのですが、どうやらノブスさんに尋ねると、ソウルのローカルな団体(先生とか学生とかの団体みたい)がふたつくらい、前にやってるんじゃないか、とのこと。とはいえ、過去にこの半島南から出てきた「国際的」に名前のある団体として唯一名前が挙がるクフモ・アシアナQはやってないだろう、とのことでした。

うううむ、ニッポンで旧第一生命ホールでプロムジカQが完奏したときの「やっと日本の団体が…」感とはちょっと違うのは、弦楽器の世界的ソリストや海外オケのメンバーは既に無数に存在する韓国音楽界なれど、なぜかノヴス出現前は室内楽はマーケットとしても文化教養としても完全な空白地帯だったという特殊な事情があるのでしょうが…面白いなぁ、いろいろで。

てなわけで、過去に当無責任電子壁新聞で煽ってきた「韓国初」というのは、あっさり間違いでしたぁ、と撤回、お詫びしますです。はい。

とはいえ、この規模のホールで、きっちり広い客層にチケット売って、このレベルで実質半年6公演でやり通す、という作業をやったノヴスQの偉業に対する評価が些かなりとも下がるものではありませんです。オケとか、著作権管理するところや出版社にしっかり記録が残るわけではない2世紀前のアヴァンギャルド作品ですから、「初演」データって判らんのよねぇ。

いろいろあって加入した新メンバーが安定する頃に、もう一度聴いてみたいサイクルでありました。去って行った2人も含め6人のノヴスの諸君、お疲れ様でした。没後200年でまたサイクルをやって欲しいなぁ。なんせ温泉県盆地からだと、新帝都や浪速行くより近いんだからさ。

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