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スト直撃前夜 [たびの空]

マンハイムから南に下るライン右岸幹線から外れ、大河を跨いでフランスに向けのっぺりした大地を延々と西に走り
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「ドイツの横田」ラムシュタインNATO軍輸送基地にヤンキーグロマスやらスロバキア空軍の輸送機が降りていくのを眺めながら
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国境の街ザールブリュッケンまであと少し、音楽ファンならばヘンツェのオペラしか頭に浮かばないだろう人口4万のICEも停まらない街、ホンブルクにやってきましたです。来年に初来日を果たすコロナ明けのコンクール・キラー、レオンコロQと話をし、やっとライヴで本番を聴くのが目的。

ホントに久しぶりのドイツの地方音楽協会のコンサート、ああ、なんだかこっちまで若返った気がする「さすらう若人の歌」まんま、数週間も故郷を離れ、マネージャーさんのお手伝いなんぞ一切無く、自分らだけで移動し、宿に入り、会場に行き、練習し、本番やって、はいお疲れ様、ってのが延々と続く。ある意味で難行苦行なんだけど、20代にこれをちゃんとやれるかどうかが「常設弦楽四重奏団」としてきちんと長くやっていけるかどうかの試金石。正にコンクール時代が終わった若者達の修行の時でありますわ。

これまでライヴでは聴けてなかったやくぺん先生、本音を言えばこのツアーの最大の目的は彼らの作品130を聴くことであったのはもう隠しても隠しようがないわけで、その意味ではいろいろと納得したり、なるほどなぁと思ったり。大赤字のツアーもこのためならば仕方なかったわい、と思いつつ日付が変わるのを刻々と待っているホンブルクの夜なのであったぁ。
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「弦楽四重奏」カテゴリーで書くようなことは、商売絡みになるかもしれないのでこのくらい。

で、日付が変わるのを待つ、ってなんなんねんとお思いでしょーがぁ、なんとなんと、あと30分ちょいで訪れる4月21日、午前3時から午前11時まで、独逸国内の公共交通組合の皆さんがストライキをなさるのでありまするよ。そー、明日は朝からDBで延々とベルリンに向かい、夜には明後日の次の取材本番菅尾友氏演出《魔笛》のお勉強としてベルリン・ドイツ・オペラで同演目を見物する予定でありましたがぁ…当然、そんなん無理ですわ。なんせここはフランスやルクセンブルクまであとちょっとのドイツ西の隅っこ。殆どポーランドに近い東の外れのベルリンやら、最終目的地のコットブスまで統一ドイツを横断しなければなりません。ちなみに既にチケットなんぞ売り切れのバスを使うと、延々と半日以上の道中。ICE乗り継いでも最速6時間以上はかかる、たっぷり遠い場所なのじゃよ。

昨日夕方、フランクフルトのDB本社近くのビジネス宿で原稿一本東京に送った直後にあちこちから情報が入り始めたこのスト騒動、なんとかしてベルリンまで至る方策をあれやこれや探り、明日朝8時40分ザールブリュッケン空港発のベルリン行きちっちゃなドルニエだかに日本円にして5万円だか払って飛び乗る、空港まで25キロくらいは路線バス乗り継ぐ(この地方のバス組合はストに参加しているか、知らんわい)、って荒技も考えたものの…うううん、流石に《魔笛》のために5万円也払うのは、このトラブル続きのツアーとしても極め付けだなぁ、と躊躇しまくり、結局、ドイツ・オペラさんに「ストで間に合いません」と連絡したら、「残念ですが了解です、リファンドは出来ないけど同額のヴァウチャーでお返しします、また来てね」との連絡。おいおいおい、またツォー駅の向こうまでいかにゃならんのかい。

んで、我らがライオンハートの作品130で大いに満足してしまい、広い気持ちになってしまった今、もう明日は労働者の皆様が心行くまでストをなさり、さて働いてやるか、と思ってくださるまで待って、あとはもう流れに任せてともかくマンハイムまで戻り、やって来るんだか来ないんだかのICEに乗って、なんとか深夜前くらいには独都に辿り着けば御の字、という気分になっております。

さても、トラブル続きのイースター明け欧州たびの空、極めつけのスト直撃の明日、一体どうなることやら。そこのラムシュタインから、ミサゴくんでちょろっと2時間弱くらいかな、独都まで運んでくれんもんかのぉ。

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