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香港はHongkong [たびの空]

「戦前戦後」という言葉をリアリティを伴って感じることないままにノンビリした一生を終えるのだろうと思っていたけど、どうやら2020年春節頃から始まり実質的に昨年の半ばくらいまでの2年以上続いた新型コロナウィルス流行に拠る行動制限の時代は、世界大戦に近い歴史の分節点になるんだろーなぁ…

…などとボンヤリ思いながら、「コロナ後」の世界をうろうろたびの空するようになり、はや四分の三年くらい。一国二制度などという近代国民国家とすればあり得ぬシステムを強引にぶち込み、20世紀国家観に挑戦状叩きつけたみたいな状況にもそろそろ終わりが見えてきて、やくぺん先生の周囲にもチラホラ影が見える西洋世界が報じる「香港民主化運動」の連中にも、前世紀最後の10年前半の「香港脱出」の空気が再び漂い始めているHong kongにおります。つらつら調べるに、2019年春節明けの香港藝術節でマキシムが師匠のオケ振って《幻想》&《レリオ》をやり、終わるや拍手鳴ってる最中に席を立ちスターフェリー乗り場に走り、空港特急に飛び乗ってLCC成田行きへと向かって以来のようじゃわい。

昨日はコロナの間にも立派にきっちり育っていたオンちゃんらヴェローナQを久しぶりに拝聴し大いに満足し、今日も昼には来年年明け春節前に予定されるアジア某所でのその都市初の室内楽フェスティバルについて、令夫人とオンちゃんが打ち合わせなんだか夢語りだか、大いに盛り上がるのを爺婆アヒルと一緒にニコニコ眺め
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明日はバンコクに向かうという若者修行の旅の行方に幸あれと別れ、あとはなにをするともなく、コロナじゃ無くても空気の悪さでマスクが欲しくなるような香港島は湾仔の雑踏に猛烈な雨が落ちていくのを眺めておりまする。

コロナと、民主化運動押さえ込みで、香港は変わったのか…っても、たびの空にふらりと立ち寄り数日過ごすだけの他所者には、なんとも判らない。ただ、今回の滞在に限れば、湾の上をこれ見よがしに人民解放軍のマシン蝗虫が飛びまくることもないし
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公安が街角に立っているわけでもない。いつもの香港、といえばそれまで。

ただ、ひとつだけハッキリしていることは…明らかに英語表記が減っていること。それから、公共交通機関で働く人々が、猛烈に英語が下手になってきていること。

この島と半島の最大の強みであった筈の「誰もが英語でのコミュニケーションが出切る」ってのに限れば、正直、今やシンガポールの方が遙かに上かも。

ニッポンはフクシマが大地震&原発爆発で、外国人が一斉に脱出する群れに紛れるように羽田を飛び立ち日本フィル&ラザレフ御大とこの地にやってきてから、もうはや暦も一巡り。考えてみれば、遙かランタオ島の対岸は屯門までアウトリーチに出向いた中学の、とっても真面目で賢そうなちゅーぼーたちは、コロナ勃発前のデモで中心を担う若者達になっている筈。彼ら彼女らとすれば、一国二制度廃止の頃が正に働き盛り。仕事でも家庭でも、どうするのか最も責任を持って考えねばならない世代じゃあないの。

そのときに、「こっちにおいでよ、本気で国を捨てるんなら」と扉を開ける場所に住んでいたいものじゃが…もうわしはこの世にはおらんじゃろなぁ。

夜の香港島に雨が降り、かつての百万ドルの夜景は百万人民元くらいに目減りして輝く。

明日はさっさと、温泉県盆地に戻りましょ。

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