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弦楽四重奏の多様性の皐月総括 [弦楽四重奏]

皐月半ば前、新帝都は上野の杜の裏は日暮れの里での、ニッポンの若い世代で欧州の今の流れを肩に力入れずに自然とやってみてる頼もしい奴らの姿にを皮切りに
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大阪城北詰での1週間の闘いで、コロナの時代を様々に切り抜けた若い団体の、この瞬間の様々な有り様を一気に眺め
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後の歴史に「史上最悪のサミット」と記されること必至のヒロシマの惨状を上空から見下ろしつつ、温泉県盆地で荷物を詰め替え、やくぺん先生新拠点空港たる福岡は板付空港から香港に至り、パンデミック災禍でも奇跡的にしっかりとまともな成長の仕方をしている北米の若い世代の現状を確認。
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キューシュー島にとって返し、福岡帝国首都で日暮里の参謀格が古典中の古典にあっさりとうっちゃりを仕掛けるのを耳にし、これはこれでひとつのあり方、と納得。
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その足で福岡空港から半島に渡り、「アメリカ合衆国拠点で大学レジデンシィの職を得ずにチームを貫いた最後のスター弦楽四重奏団」の最後の海外公演と、今の独逸で考えすぎ系コーチング真っ最中の韓国の弾ける子達への長老からのアドヴァイスに接して、このジャンルンでのひとつの成功の仕方とそんな時代の終わりをしみじみと感じ
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まるで夏の湿った風が吹く温泉県盆地の田圃の中の隠居場に戻って参りました。

もうメイジャー弦楽四重奏コンクールをフォローするのはオシマイにする、という隠居宣言をした身、「可能な限り多くの現場に触れていないとやれない仕事をしていた者が現場を離れる」状況を「隠居」と呼ぶ、そんなんフリーランスにとっては当たり前のことなのに何故か世間の多くの皆様が理解なさって下さらないのには戸惑いを感じるんだけど、ま、それはそれ。ともかくそんな隠居爺が、Qオチェーアノ、ラサQ、アストQ、ミラQ、タレイアQ、モーザーQ、Qインダコ、ヴィヴァーチェQ、マリオンQ、テラQ、ほのQ、ヴェローナQ、コンセール・エクラタン福岡、アレテQ、そして大トリにエマーソンQと、17日間に15団体を聴くという現役時代が戻ったような動きをしたわけで…年寄りは、すっかり肉体的精神的に疲れてしまいましたとさ。

そんな疲労がニンゲンばかりかマシンにも出たか、香港はランタオ空港から福岡板付空港に戻る3時間弱の機内での作業中くらいからメインパソコンキーボードの9やOが入らないという猛烈に困った事態が発生。パソコン以外ではアクセス出来ない当電子壁新聞更新は、すっかり滞っております。今朝の8時前に福岡空港に戻るや、開店を待って博多駅前ヨドバシカメラに飛びこみ、お安いUSB接続キーボードを慌てて購入し温泉県盆地に戻り、やっと溜まった自分への秘書仕事を少しは片付け、今に至った次第。

てなわけで、生存証明です。書きかけで積み上がってる電子壁新聞近過去記事は、土曜日のエク直方演奏会までの作文お籠もり週間の間に、幾つかくらいはアップ出来るかしら。

いろいろと表の作文もあるので、こんな無責任電子壁新聞にはあれやこれや気楽に記すわけにもいかぬのですがぁ、実質4年ぶりくらいに本格的な現役スイッチが入った2023年新暦皐月を振り返るに、「2020年春節から22年イースター頃までの、近代市民国家成立後初の事態となった世界大戦クラスの異常事態」は、いろいろな形で弦楽四重奏世界に大きな影響を与えているのは否めないようです。長期的に見れば、「Driven into Paradise」現象により弦楽四重奏演奏史が根本的に書き換わった第2次世界大戦以来の大きな節目…となるのかもしれません。

隠居宣言をした直後の身でこういう時代に遭遇したというのは、ある意味では猛烈にラッキーであり、この先の巨大な変化を見ていけないという意味では、とてもとても残念でもある。ま、こればかりは巡り合わせだから、仕方ないといえばそれまでだけどさ。

かくて弦楽四重奏の世界がこれから向かっていくであろう「多様性」をイヤでも目にせざるを得なかった皐月の終わりに至り、やくぺん先生、大爆笑必至の大予言をしておきましょう。以下、列挙するぞぉ。

★世界中の音楽ファンなら誰もが名前くらいは知っている「世界をツアーして歩き世界的レーベルから録音が商品として次々と出てくる国際的スター弦楽四重奏団」は、この先はもう出現しない。クァルテットはローカル化が進行し、その地でのみ知られ、その文化圏でのみ愛される団体というあり方が基本となる。

★20世紀の室内楽愛好家がスタンダードと信じた「常設クァルテット」も、実質上存在しなくなる。とはいえ、オーケストラなど既存の演奏団体をベースにするわけではなく、著名なクァルテットは実質上は今でいうところの「フェスティバル・クアルテット」として運営されるようになる。敢えて妄想を述べれば、近い将来に第2ヴァイオリンとピアノを兼任する大谷選手のようなスーパー奏者を擁する「四重奏団」が出現し、弦楽四重奏とピアノ四重奏をレパートリーとしてこなすようになり、フェスティバルのディレクターなどを任されるようになり、それが最もメイジャーな形の「常設室内楽団体」となっていくのではないかしら。

★1200席を超える大ホールでのクァルテット公演は極めて例外的となり、100席から最大でも500席程度の会場での演奏が当たり前となる(当たり前に戻る)。大会場隅々に演奏を伝えるテクニックの取得が最大の目的だった20世紀後半型スタークァルテットが教えていた「プロ弦楽四重奏団としての基本技術」は常識ではなくなり、所謂古楽系HIPがプロとしての常識になる。

★弦楽四重奏はアジア系の女性がする商売になる。

ま、全部外れてくれた方が良いかも、って大予言だけどさ。

さても、梅雨のはしりの溜池でのお庭開幕まで、このジャンル、ひとやすみ。

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