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緊急告知:ヘンシェルQ大阪公演決定 [弦楽四重奏]

昨晩遅く、東京芸大の澤先生から連絡があり、明日16日に関西に到着し1週間の滞在でドイツに戻るヘンシェル弦楽四重奏団、大阪公演が緊急に決まったとのことです。以下の当ブログ記事をご覧あれ。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20050925

日程を整理しますと

17日(木)可児市
18日(金)各務原市の小学校「音楽教室」
20日(日)19:00福岡「あいれふホール」
21日(月)19:00 大阪・モーツァルトサロン(06-6364-5836)
23日(水・祝)14:00美里町文化センター(073-495-9055)

です。大阪のモーツァルトサロンは、大阪北区にあるサロンで、来日演奏家が練習場としてよく利用している場所。客席は60くらい。こんな場所でヘンシェルQクラスが聴けるのは猛烈にラッキーかも。
今回のヘンシェルQの来日、大手音楽事務所が関係せず(事情は書けませんけど、ひとことでいえば、赤字必至の若手クァルテットは大手音楽事務所が結局引き受けなかった、ということ)、結果として一般の音楽メディアにも告知は皆無。彼らのCDを出しているレコード会社も広報に動いていません。←あ、非難してるんじゃないですよ、Kさん!しょうがないもんねぇ、この状況じゃ。

ですけど、中身は保証付きです。南ドイツの家庭音楽の伝統と、アマデウスQの一番弟子としてたたき込まれた20世紀中央ヨーロッパの演奏伝統が、無理のない形で美しく融合しています。それに、「私たちマイペースだから」と笑っている余裕は、実力的には直接のライバルとなるアルテミスQなんかとはまるっきり違うところですねぇ。今はともかく、将来的には大きな音楽の質の違いになってくるでしょう。
蛇足ながら、イギリス圏では不可解なほど人気があったリンゼイQが惜しまれつつ引退し、アルバン・ベルクQが隠居仕事に近くなりつつある今、ヨーロッパではその空いた席を巡って猛烈な争奪戦が始まっており、アルテミスQがメディアがらみの大攻勢をしてきているのは室内楽好きの皆さんならご存じの通り。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20050811
キャリアや実力的には、ヘンシェルとアルテミスは良い勝負。ヘンシェルQはちょっと余りにマイペース過ぎるので、ヴィオラのモニカの結婚式にわざわざミュンヘン郊外まで出かけた小生とすれば、「お前ら、もうちょっとしゃかりきになって売れようとしろ!」と言いたくなっちゃうぞ。
でも、いつのまにかドイツグラモフォンに録音しちゃってるし、セカンドレーベルとはいえBMGでベートーヴェン全集を始めちゃうわけだから(アルテミスがCD出してるヴァージンだってEMIのセカンドレーベルですからね)、流石、こういうのを本場の余裕というのだろうなぁ。
ちなみにヴァイオリンふたりとヴィオラはミュンヘンの音楽一家ヘンシェル家の出。チェロは彼らの先生でもあるバイヤーの孫。バイヤーは、あのモーツァルト「レクイエム」のバイヤー版で知られるバイヤーさんその人です。これ以上の名門はない、という感じ。いやはや。
そうそう、今、ベネヴィッツQが優勝ツアーをしている大阪国際室内楽コンクール弦楽四重奏部門の前々回優勝団体ですね。そのときの第2位は、我らがクァルテット・エクセルシオでしたっけ。

なんであれ、大阪公演、皆様、是非ともいらしてくださいな。小さいところなので、予約などは直接電話で連絡お願いします。繰り返します、21日月曜日午後7時、キタのモーツァルトサロンです。
小生は23日の和歌山に「ストリング」取材で日帰り往復します。終演後に、澤先生とヴィオラのモニカさんで、この春に亡くなったアマデウスQの名手ブレイニンさんを追悼する対談を行う予定。その司会及び記事とりまとめです。これも乞うご期待。なんせ、シドロフ没後のアマデウスQに張り付いていた人たちですからねぇ。

                              ※

ついでにもうひとつ。去る土曜日に東京公演があった今年のベネヴィッツQですけど、本日15日の広島県庄原公演と、明後日17日の富山県高岡公演のみは、そおおお、あのドヴォルザークの作品106を弾きます。
プログラムは、ヤナーチェク1番、トゥーリナ「闘牛士の祈り」、ドヴォルザーク作品106、というとてつもない勝負プロ。どうしてこれを東京でやらんのよ!
で、しょうがないから、明日から富山行きます。アホ、と思わないで下さいな。他に、ゴールドベルク・メモリアル・セミナーのことやら、クァルテット・エクセルシオの入善でのレジデンシィプログラム見物やら、いろいろあるんですから(おお、考えてみれば、ヘンシェル、エク、ベネヴィッツと、みんな大阪繋がりじゃないか)。

以下、明日以降の「たびの空」シリーズを待て!
って、入善の駅前旅館に無線もLANもないだろうから、ブログ記事はお休みだろうなぁ。げんこーのしめきり、いっぱいあるんだけど…だいじょーぶか、わたし。


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コメント 4

SQファン

はじめまして。
ヘンシェルSQ大阪公演、「おっ、行きたい!」と思ったのですが、11月21日は、フェニックスホールで、まさしくライバル、アルテミスSQのコンサートがある日。なんでまた、同じ日時に、同じ大阪でコンサートをするんでしょう・・。一日でもずれていたら、行けたのに・・残念です。
独り言でした。
by SQファン (2005-11-15 23:43) 

Yakupen

あ、アルテミスQ、大阪は21日ですか。だから澤先生も焦っているのかしら。それにしてもフェニックスとモーツァルトサロンなんて、歩いたってさほど遠くはないでしょ。なんだかなぁ。いっそのことオクテットやってくれぇ、なんてね。
いろんな事情でたまたまこうなったんでしょうけど、もうちょっとなんとかしてくれませんかねぇ。ホントに。
お車が自由になる方なら、和歌山の美里町はさほど遠くないですよ。この日は、澤先生とのモーツァルトの五重奏がありますし。
by Yakupen (2005-11-16 01:18) 

ゆりしーず

やくぺん先生、はじめてお邪魔いたします。
いつもワクワク拝見しております。
著書にはずいぶんお世話になりました。
思わずトラックバックしてしまいましたが、ちなみに21日は神戸の松方ホールでファウム・チェンバーオーケストラもあるのです。
うぅん、どうすればよいのでしょうか…。
by ゆりしーず (2005-11-17 00:46) 

Yakupen

えええ、ファウムもありましたっけ。なんなんだろーなぁ。もうこれは、鉛筆転がすか、チラシを階段から飛ばして遠くまでいった団体の勝ち、とかするしかないですなぁ。あ、ヘンシェルはチラシがないかな。
まあ、某大手事務所が、ヨーロッパのこれまた某大手事務所にあれやこれやせっつかれても結局ヘンシェルQをやらなかったのも、この日程の重なりようでは仕方ないですねぇ。
きちんと確認した話ではないのですが、一昔前のロンドンでは演奏家ユニオンで曲目や演奏日の調性があったという話を聞いたこともあります。外来団体は、その更に外側にあって、やりたい曲があってもロンドンの団体が優先になる、とか。ホントなのかなぁ、と思いながら聞いたいい加減な話ですけど、そういう制度が会った方が良いと思う瞬間もありますね。
なんせ、日本国では唯一といっていいほど完全自由化されていたのがクラシック音楽興行界ですから。国内団体育成保護も、相互利害調整もまったくない、珍しい業界。いやはや。
by Yakupen (2005-11-18 00:32) 

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