幟が立つ場所

引っ越しの間中入院していたパソコンを引き取りに秋葉原まで行き、皐月の風に賑わう電気街大通りを往けば、あの場所にもこんな幟が立ってます。

そう、ゴールデンウィークが開ければ、神田明神のお祭りで、秋葉が原には初夏がやってくる。
http://www.kandamyoujin.or.jp/kandasai/h21/index.html
この場所で起きたことも、あの娘が運ばれてったのが神田明神向こうの順天堂だったことも、みんなもう忘れちゃったみたいで、角にはメイド姿のおねーちゃんなんて立っちゃったりして。

惨劇のあと、「君のことは忘れない」、なんて、みんなで繰り返したっけ。だけど、もう、みんな君のことなんか忘れちゃってる。だって、あまりにも沢山のことが起き、その全部を覚えてたら、僕たち生き残っちゃった者たちは、背負わにゃならん思い出や記憶、後悔や哀しみばかりで、もう真っ直ぐ立ってさえいられなくなっちゃうんだもん。

だからせめて、この場所に立ったときくらいは、君のことを思い出せるようにしたいんだけど…

神田明神のアルバイトか、はたまた地区町会の役員関係者か、あるいは電気街商工会議所のおっさんか、この幟をガードレールに結わく作業をしているとき、ここが去年の６月にどんな場所だったか、思い出してたのかしら。

新厄偏庵への引っ越し作業に参加していたかもしれないお嬢さんがひとり、ここで逝った。理不尽に、逝った。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2008-06-09
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2008-12-31

せめて業界関係者くらいは、秋葉原のバッタ屋にパーツやらＤＶＤの買い出しに行ったときには、この場所に立ち止まりましょ。どーせ赤信号で止められる場所なんだから。

僕たちは、君を忘れない…ようにしたい。

コメント 1

　そう・・・・もうすぐ１周忌ですね。本人をよく知っている人には忘れようと思っても忘れられないでしょうね。私も忘れないようにします。
by 皇帝きむち (2009-05-05 16:29)