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配置について [弦楽四重奏]

ハイチについてじゃありません。←日本語文化圏ではギャクにもならん、すっかり過去の忘れられた話題

さて、いよいよバンフ国際弦楽四重奏コンクールも実質上の最終日、予選ラウンド最後のベートーヴェン・シューベルトの日です。
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朝9時からタングルウッド・センターの室内楽部長さんがレクチャーして、10時半から延々と9団体が勝負曲を全力で弾きます。3団体づつ分けられたステージは、たまたま各回ともラズモの1番で始まり、昼と夜はラズモの2番が続き(午前の部は作品131)、最後は後期(昼は作品127、夜は作品131)か「死と乙女」(シューベルト選択はこのアトリウムQのみ)になってる。いやぁ、滅茶苦茶ヘビーでんねん。昼飯喰ってる時間は殆ど無くて、ダイニングは大混乱必至。いやはや。結果発表は深夜に至るだろうなぁ。

さても、昨晩のガラコンサート、小生らの席の隣にたまたま審査員のシンユンとへーバート氏がいらして、いろいろと盛り上がってたわけですけど、流石に同僚たちの演奏の中身についてどうこういうこともなく、話題になったのが「メンデルスゾーンのオクテットでどう座るか」でした。へーバートさんは「私が弾くときには、下手からヴァイオリンが4人、ヴィオラ、チェロだね」、シンユンはヴァイオリンとヴィオラが対面する形が良い、とのこと。

ファーストがミロQのダニエル、セカンドが同じくサンディ、サードがセント・ローレンスQのナッツ、じゃなくて、ナットル、フォースがカヴァーニQのフラルド、ヴィオラはミロQのジョンと元セント・ローレンスQのバリー、チェロはミロQのジョシュとダイダロスQのラマン、という錚々たる面子。この曲、ダブルクァルテットじゃないのにクァルテット弾きを本職とする奴らばかりでやるのは、案外ありそうでない機会ですな。

この「バンフ10回御目出度うライブ」、当然のことながらジョシュがバスから仕掛けまくってトンでもない盛り上がりになったわけですが、その配置は、所謂対面型。ダニエルとナットル、サンディとフラルド女史、ジョンとバリーが向かい合い、奥にジョシュとラマンが並ぶ、ってやり方でした。終演後、へーバート氏は「なるほど、この並び方もありかなぁ…」とモゴモゴ呟いてらっしゃいましたね。

追記:これがCBCのオンディマンドで聴けるオクテットのライブだっつ!
http://www.cbc.ca/radio2/cod/codPlayer.html?http://www.cbc.ca/radio2/media/20100903alumni/05.asx

ま、お祭りは結果オーライだからそれで良いんだけど、問題は本編のクァルテットたちでありましょう。今回のバンフのステージに登場している9団体のうち、チェロが奥に来るか上手に来るかというお馴染みの問題なんぞよりも、もっと興味深いことが起きている。なんと、参加2団体がヴァイオリンを対面に配置しチェロを下手奥に入れる、所謂古楽配置にしてるんですね。古典だけじゃなくて、浪漫派も、委嘱新作も、全部対面配置でやってる。そんなやり方を採用しているのは、パリ高等音楽院期待のツァイーデQと、ディズニーホールの隣に新校舎を建て西海岸のカーチスを目指している最新エリート校から送り込まれた若者たち、ペレソンQ。どちらも結成数年の最も若いエントリー連中です。なお、今回は古典だけ対面にする連中はいませんでした。

なるほどねぇ、これくらいの世代になってくると、もう古楽配置や古楽弾きというのは常識の一部になっていて、選択肢のひとつでしかない、ってことなんですなぁ。大昔、アマデウスQの講習会にやってきたキサQ(当時は全員がNJPメンバーによる団体で、今は大フィル頭のチェロとか、BCJのヴィオラとか)が対面配置で座ったら、ロヴェット翁がこれじゃ気持ち悪くて教えられん、と座り方を直させたことがあったけど、時代のトレンドは変わるもんだなぁ。

この配置、やっぱり20世紀作品などだと凄く奇妙な感じがすることもあるけど、まあ、慣れなんでしょう。

以上、とくになんてことない当たり障りのないネタでありました。さて、週末パックの聴衆が昨晩から増えているので、朝飯は大行列だろう。そろそろ行かねば。

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