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レヴァイン御大ボストン響辞任発表 [演奏家]

2月31日です。がんばろー。意を決して、本日夕方の東劇での「中国のニクソン」の40ドルもする映画切符を買ってしまいました。それまでに手つかずの原稿をひとつ絶対に終えねば。ええええいっ!

んで、飛び込んだニュースをひとつ。恐らく、日本での報道は皆無でしょうから。

ボストン響公式ページで、昨日、音楽監督ジェイムス・レヴァイン氏の退任表明が発表されました。ボストン・グローブは、早速「後任は誰だ」と煽ってます。グローブの記事を書いた記者は知らん奴だなぁ。もうリチャード・ダイヤーの時代じゃない、ってことか。
http://www.bso.org/bso/mods/content1.jsp?id=42000070
http://www.boston.com/ae/specials/culturedesk/2011/03/levine_stepping_down_as_boston.html

なんせ、今やってるマーラーの9番の定期もキャンセルし、副指揮者に譲ってましたんで、いい加減やっぱ無理だべ、って感じはあった。先月にボストン響の周辺にいる方とちょっと話をしたときも、「音楽的には最高なんだけどねぇ…」って空気で、今だから言えるけど、次の人事の噂なども出てました。興味深いのは、そこで出ていた名前が、ボストン・グローブの煽り記事に出てる4人とは違っていることです。うううん、グローブ、またボストン響のボードと連携して情報操作やってるのかな。

小生、レヴァイン御大では3、4回しかボストン響を聴いてませんし、どれもカーターとかカーシュナーとか、作品メインで聴きに行ってるもんで、ボストンの内部の方々が絶賛するような印象はレヴァイン御大には持てないままでありました。ただ、カーターの大曲のおまけについてたシューベルトの大ハ長調は立派だった。でっかい音楽が全くうるさくならなかったし。
それになによりも、どういうわけか就任の記者会見に小生は出てるんですわ。これは絶対に商売になる、と思ったんだが、どの音楽雑誌も新聞媒体も、買ってくれなかった。ちょっとショックでありました。
日本ではまるで人気がないどころか、某黄色いレーベルのレコード屋さんの日本の支店さんは、本社がこの人のベルリンフィルやヴィーンフィルとの録音を湯水の如く出して来るけど日本では全然売れず頭を抱えてる、って話を聞いてた。でも、まさか同じことが我が身に起こるとは思わなかった。オペラ好きの方も、「レヴァインまんせー!」って声はあまり挙がってなかったような気がするしなぁ。

ま、それはそれ。とにもかくにも、お疲れ様、ということ。メトは辞めないということですけどねぇ。さ、仕事仕事。以上、ゴシップ話でしたぁ。

追記
やっぱり日本語媒体ではまるで話題にならないこのネタ、北米東海岸では盛り上がってるようです。レヴァイン御大の音楽性批判は絶対タブーのNYでも、NYTにトマシーニ御大の記事が出ました。
http://www.nytimes.com/2011/03/04/arts/music/04levine.html?_r=1&ref=music
まあ、こういう、良くも悪くもその地域のみんなが寄ってたかって大事にする演奏家がいるというのは、良いことなんでしょう。日本国では大阪なんぞはその傾向があるけど(本音を売り物にするメディアはともかく、おおっぴらな朝比奈批判や大植、佐渡批判というのは見たことないぞ)、東京は足の引っ張り合いですからねぇ。

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romaneestvivant

いつも各地の事情を楽しく拝見しております。

レヴァイン氏の件は残念ですが,本人も限界だったということでしょうか。彼はメトでは登場しただけで(あるいはキャンセルせずに登場した事実に対して)ブラヴォーが乱れ飛ぶほど支持されていますけれど,ボストンのシンフォニー・ホールではそこまでではなかったですし。これはオペラとシンフォニーの客層の違い,NYとボストンとの街の性格の違いも大きいでしょうけれど。いずれにしても,ペースを落としても長く活躍してもらいたいものだと思います。

今月15日-17日にはNY公演が予定されているのですが,これは1日ずつ副指揮者レーニンガー,ロベルト・アッバード,アンドリス・ネルソンズに替えられてしまいました。ロベルト・アッバードの日はソロのポリーニまで一緒にキャンセルしてプログラムが全く違うものになり,楽しみにしていたシェーンベルクの協奏曲が聴けなくなって無念です。マーラー9番の日はメトで「スペードの女王」を振る合間だったネルソンズを捕まえられて運が良かったかも知れません。

BSOの後任がどうなるのか,興味深いですね。
by romaneestvivant (2011-03-04 08:22) 

Yakupen

romaneestvivantさま

ウェブサイトという媒体は、早速にも現地からの反応があるのがなんとも嬉しいというか、オソロシーものでありますねぇ。コメント、というか、情報、有り難うございます。

NY定期はそういう布陣になりましたか。それにしても、ボストン響はマーラーの9番を今度はネルソンズですかぁ。なんか、それもスゴイですねぇ。ネルソンズは今や代打四番の帝王ですね。ポリーニ、ってか、シェーンベルクの協奏曲がなくなったのは残念だなぁ。以前、小澤時代のボストン響NY定期でリーバーソンの新しい協奏曲が予定されていて、書けずにキャンセルになり、ピーター・サーキン独奏そのままで武満の「アステリズム」になって大喜び、なんてこともあったけど、そういう事情とは違うもんね。

レヴァイン御大、この列島では6月にちゃんとメトと来られるのかが最大の焦点でありまして、関係者はやきもきしているみたいです。それにしても、このところ60代後半から70代の指揮者さんがよくぶっ倒れてますね。やっぱり30代からジェット機移動で無理な時差を重ねていると寿命が短くなるんでしょうか。元気なのは怪人マゼールとメータ御大だけかいな。

by Yakupen (2011-03-04 09:20) 

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