ブラジル・ワールドカップ祝典指揮はオルソップ姫？

本日は２月30日であります。〆切の山です。何故か知らぬが、明日の2月晦日を過ぎると、いきなり３月の４日目になってて、もう税金〆切まで２週間を切ってます。あたしゃ、アウグストゥス帝を恨みますよ、ホントに。

てなわけで、こんな電子壁新聞を相手にしている暇などないけど、生きてます、というご連絡に５分で書けるネタを。最近の業界紙に載ってた情報だけど、なぜか日本語メディアには殆ど流れてないお話。

札幌PMFの最初の頃に大植えーちゃんやらサド氏などと一緒にぺーぺー扱いで来ていて、あれよあれよとすっかり偉くなってしまって、恐らくはあのくらいのタングルウッド・PMF世代で最も出世しちゃったひとりに、マリン・オルソップという指揮者さんがいるのは、音楽ファンの皆さんはご存じでありましょう。行けるかどうか判らぬメトライブの「中国のニクソン」が架かっている今とすれば、ナクソス盤の同曲を録音している人、ってのがいちばんタイムリーな紹介の仕方かしら。恐らくは、21世紀初頭の時点でそれほど珍しくなくなってきた女性指揮者の中でも、世界でいちばん成功している方でしょう。頑張れ、フェラッラねーさん、まけるないっぷちゃん！

んで、そのオルソップおばさまが、2012シーズンからサンパウロの国立交響楽団のシェフに任命されたそうな。2月11日に記者会見があった、というニュースだからもう随分旧聞になるわけで、スイマセンです。記者会見では、「世界一のオーケストラにします」などと大見得を切ったそうな。

ちょっと前なら「おおお、はったりかましてるなぁ」って笑ってれば良かったわけだが、昨今の世界情勢を鑑みるに、オルソップ氏の発言は決して冗談じゃすまない可能性も感じられますね。なんせ、前大戦を逃げた音楽家が沢山流れ込み、教育も歴史も背景はしっかりあって、過去にも沢山の天才を生み出している場所。今やピアソラは世界で最も人気のある作曲家のひとりだし（20世紀後半に没した作曲家に限れば断トツでしょう）、その気になれば巨匠として持ち上げられる可能性を秘めた作曲家はゴロゴロいる。今やラ・フォル・ジュルネだってやってるわけで、そういうところから育ってくる聴衆もあるわけだし。

残念ながら、日本を含むアジア圏がどんなに頑張ったところで、絶対に太刀打ちできないホンモノさはある場所なんで、21世紀中期にかけて大ブレイクする可能性は大いにある。少なくとも、最近はやたらと日本人音楽留学生も増えている大英帝国の田舎オーストラリアなんかよりは、余程ポテンシャルは高い。

記事のどこにも任期については書いてないのだけど、ま、普通に考えれば、ワールドカップもオリンピックも、祝典の指揮はオルソップおばちゃんになりそう。いやぁ、絶好のポジションを取ったなぁ、と感心することしきりであります。

とはいえ、サンパウロまでラテン・アメリカンQを聴きに行くのはシンドイわなぁ（1週間でヴィラ＝ロボスのクァルテット全曲演奏、なんてやってくれるんなら話は別だが）。アメリカ時差で、更に季節がひっくり返るんだからさ。ブラジル遙かなり。

コメント 2

ご無沙汰しております。
私は、6年前に物故した父がトランペット奏者で在京Ｙのラッパ吹きでした。

実は、父は現役時代から楽器改造が趣味で、私もその影響で今でも楽器改造にいそしんでおります。

10年以上前から、ブラジルのWerilという楽器メーカーの製品が東京のクロサワ楽器でよく売られていました。売れているわけでもなく、入門者向きの楽器でした。私はそういう楽器が安くて改造するにももってこいなので以前から目をつけていました。しかしこのところ、あまり目にしませんので、ＨＰを見たところ、ここ数年であっという間に上級機種を取り揃え、ロータリーＴｐまで製作しているようです。

なんでも創業者はオーストリア人でウィーンで小規模に経営していたものを、かなり昔ににブラジルに移住し、現在まで経営が受け継がれているとのこと。

単なるトランペット製造会社かもしれませんが、さすがBRICs優等生のブラジル。侮れないです。

ヤクペン先生がブラジルに行く機会がございましたら、お金渡すので、トランペット一本買ってきてください。（爆）
by 上野のおぢさん (2011-03-16 14:02) 

すみません。たびたび。
Weril社について、私はラッパ会社と言っておりますが、実際は立派な管楽器製造会社です。決して、軽んじているわけではありませので、よろしくご理解お願い申し上げます。
by 上野のおぢさん (2011-03-16 14:12)