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栗東は終わらず [指定管理者制度]

朝の大阪です。昨日は実質徹夜明け、立っていても寝られる状態で大阪にやってきて、よくまあハイドンなんてそこそこちゃんと聴いてるもんだと自分でも呆れてました。

さても、話題の(どこでぇ?)栗東ジュニア・オーケストラであります。前線とヴィーンフィルがあっさり通過し(天下のヴィーンフィルは土曜日広島で日曜日は名古屋と、関西圏は新幹線で通り過ぎただけの完全スルー状態です。大丈夫なのか、関西音楽業界!)、ウラリウラリと暖かいどころか初夏みたいな湖の南東。さきら名物の巨大広場からの照り返しに、元野外ステージ(としか見えない)のぺんぺん草が麗しく風に揺れる午後。親子連れがサッカーやったり玉投げやったり5組ほど。うううん、これで良いのか秋の午後。以前なら、日曜午後の市民向けイベントがホールである日に敷地内禁断の玉遊びなんて、絶対に出来なかったろーになぁ。

うん、自由になったんだよ、自由にね。叱られなくなったんだから、良いことだ…うんうん。

ホールに入ると、スタッフは忙しげに走り回ってる。おや、見た顔もいくつか。かつての指定管理者スタッフが、ジュニアオケの親御さんだったり、市民ボランティア・スタッフになったりして、まるで前と同じようにそこにいる。表方を仕切っている方があの人だなんて、おいおいおい、さきらの指定管理会社って、どうなってるんじゃ。

良く言えば、さきらの新指定管理会社は、これまでこの場所で培われてきた人的リソースを上手い具合に利用している、ってことです。皮肉に言えばもっと本質を突いた表現も出来るけど、ま、敢えてそんなことはいたしません。商売の文章じゃないわけだし。

小生はアマオケ業界は殆ど知らないのですけど、このさきらジュニアオケの最大の特徴のひとつって、「いろんな年齢の子供がぐちゃぐちゃに入っている」ってことじゃないのかしら。
なんせ首都圏ではアマオケ王国千葉は基本は学校の先生の指導による学校のクラブ活動だから、同じような年齢の子供が並ぶ。アマオケも、OBは入るとはいえ、学生オケは同じような年齢。一部のエリートアマオケは無論大人オケだけど、学生からご隠居までいるにしても、あれはプロが持ち出しで室内楽をやるのと同じで、日本社会でまともに働いているかたが持ち出しで趣味でやってるオケだから、基本は持ち出しが出来る財力のある大人になるわけで、そういう人たちが揃うことになる。
子供オケでいろんな年齢が一緒に並んでいるというのは、特別合同演奏会などの他にはなかなか目にしないような気がする。どうなんでしょうか。このあたり、詳しい方、教えてちょ。

なんであれ、さきらジュニアオケ、巨匠秋山御大の本気の棒の下、古楽ハイブリッドが常識になっている今時のプロオケではちょっと聴けない、ふっくらとした弦楽器の響きにバランス良く管楽器がブレンドされて、っておっとりしたハイドンを聴かせてくれようとします。無論、技術的なことを言い出せば、このオケであるが故の大問題があって、そのことを秋山御大は誰よりも判っているのだろう。それでも敢えてこのようなやり方をしているのだから、なにやらお考えがあるのでしょう。スタッフに拠れば、御大は「死ぬまで振るぞ」と仰ってるそうな。なーるほど、そのつもりなら、こんなやり方も判らないでもない。
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終演後、秋山御大の考えならば絶対に「アンコールでラデツキー行進曲会場手拍子」なんてことにはなるまいと思ってたら、やっぱりアンコールなし。コンミスちゃんがでっかい花束抱え、アンコールを当然のこととせがむ客席の手拍子拍手にどーしよーかしらぁ、と困ってるのが微笑ましい。ってか、ちっとも微笑ましくないわなぁ、本人とすれば。

栗東に住み、日々暮らしている人にはあたりまえの風景なんだろう。でも、この街の最大のアンコールは、真っ赤に映える夕方の空を背景に琵琶湖の向こうに広がる山並みなんですよ。東京湾岸住人にはなんとも羨ましい時間限定スペシャルショー。
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こんな場所で育つから、その場所を大事にしようと思うようになる。なんとも羨ましいことよ。

商売もんの原稿にしようと考え始めているのでこのくらい。「栗東さきら指定管理者問題、まだ全然決着はついていない、それどころか、次の展開が見えそうな空気もある」と記すだけにさせてくださいな。

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コメント 3

とらお

「こんな場所で育つから、その場所を大事にしようと思うようになる。なんとも羨ましいことよ」・・・まったくそうですね。さきらのジュニアオケで育っている子どもたちが、さきらを、栗東を大事にしようと思うようになっているという事実に、行政が気がついていないことが、残念というか何というか。
by とらお (2011-10-19 06:45) 

Yakupen

とらお様

ご無沙汰です。さきらジュニアオケ本番当日は、なにやら関西圏はいろんなイベントがある週末だったようで、お会い出来ずに残念でした。結果として、あまり「業界関係者」がいない、会場はローカル・アマオケの発表会のノリになっていて、それはそれでこのオケの正しい成長の仕方を示しているようでありました。

その場所の素晴らしさ、特別さは、恐らくはその場所にずっといる人には判らないと思います。判るのは、311のようなことがあってそれが急に失われちゃったときくらいなんでしょう。その意味では、地方行政や地方政治をやってる人は、無理にでも何年か外に出て普通に暮らしてみて、自分のところの当たり前がどう当たり前じゃないかをしるべきなんでしょうねぇ。まあ、エジプトの大学出ても(出たからこそ)あんな政治家、なんて人もいますけど。

by Yakupen (2011-10-19 09:16) 

月島亭女房

古いマンションの小さな部屋の我が家から「第一生命ホール」が見えます。その他にも、区の建物のホールが歩いていける範囲にあります。いろんなジャンルが様々な形態で楽しむ事ができます。2歳のムスコを連れて行ける無料のイベントもあります。観る聴くことは、事欠かない場所なので、まずは耳と目を楽しませてあげたいと思います。ムスコが何を感じて、育っていくのか気になるところです。
by 月島亭女房 (2011-10-19 19:26) 

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