相互館復活 [新佃嶋界隈]
京橋だけど、ま、お隣ってことで、「新佃嶋界隈」のお話。
先程ちょっと用事で久しぶりに銀座に出て、有楽町側の裏から山野に入り、歩行者天国で賑わう銀座通り側に出て隣であんパン５色セットを買い、さて銀座一丁目駅から月島に戻りましょうか、って銀座通りを日本橋側に向かおうとしたら、ビックリして足がすくんでしまいました。
おおおお、相互館がある!!!!!
ある世代以上の方、っても、もう還暦を過ぎてかなりの方になっちゃうと思うんだけど、にしてみれば、銀座の四丁目交差点和光のところから山野の側を眺めると、通りが日本橋に向かって大きくカーブしていく真っ正面のところに、まあるいドームを乗っけた大正モダンなビルが建っていたのをご記憶でありましょう。例えば、これ。真っ正面に見える奴です。
建て替えられ、銀色に輝くインターナショナル様式の戦後モダンな建築になるまで、「四丁目交差点から北を眺めた先に聳える丸ドーム」は銀座風景の一部だった。なんせ関東大震災でも微動だにしなかったし、空襲被害も受けていませんでしたから、たっぷり街の記憶になっていた。
それこそが「旧相互館（第一相互館）」です。日本で初めての相互会社として誕生した第一相互生命保険の本社ビル。日中戦争直前の建築バブルの時に本社はお堀端の第一生命館に移って相互館は「中央支社」となり、「第一生命館」は後のマッカーサー陣取るGHQであり、日比谷公会堂の小ホールとして山葉ホールと共に1960年代まで日本の室内楽のメッカとして機能した旧第一生命ホールが入ることになるのだが、ま、それは別の話。
ともかく、相互館は、銀座四丁目交差点からの視野に常にあった。
二代目相互館が取り壊されリニューアルされるという話は、今世紀初頭に第一生命ホールが晴海に移った後のプロジェクトとして予定されていた。当初は、旧相互館は設計図があるのでそのまま再建するかも、なんて話を担当者さんから漏れ聞いたこともある。911以降の世界情勢不安定と不景気で、そんな話はどっかにいってしまい、どうも三代目相互館もあまり面白くない今風のビルになるらしいと聞いていた。
なんせ厄天庵からは直ぐだし、今、お世話になってる弁護士さん事務所が直ぐ裏手なんで、横をチャリチャリ通っては、さてもどんなものになるのやら、と巨大な四角い覆いでガッツリ囲われた中身にはあまり関心も持たずにいたわけです。東京駅丸の内側の三菱関連リニューアルでは、丸ビル以下、出来上がったものの余りの情けなさに失望を味わわされるばかりでしたからねぇ。
てなわけで、数時間前、目の前に「ああああ初代相互館！」としか思えぬ遠景が飛び込んできて、もう腰を抜かしそうになったわけでありますよ。多分、あぁ、ってでっかい声をあげてたと思う。周囲の人々はなんじゃと思ったろうねぇ。
無論、銀座一丁目駅から地下鉄に乗る気など失せ、終わろうとする歩行者天国の銀座通りを慌ててまっすぐ北上したわけであります。京橋越えて、筋向かいのローソン前から眺めると、こんな。
そう、確かにこれは、あの「相互館」です。紛れもない、21世紀に蘇った相互館でしかありえない。
まだプレートなどが見えないし、誰がやった仕事か知らないけど、この東京でこんな形で「過去の記憶」を街の風景に残してくれようとする努力をしてくれた人がいる。有り難うございます、と頭を下げるしかない。第一生命って会社、相互会社を止めちゃって株式会社化したところで、小生には関心の持ちようがなくなったんだけど、まだまだこういうことをやってくれるんだなぁ。こういうリリースもありました。ところで、東電の最大株主のひとつだったのはどうなのかしら。
http://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2011_041.pdf
幸いにも、この復活した相互館、紀尾井町交差点からは微妙に真っ直ぐではない銀座通りのお陰で、どんな建物が建とうが先っぽの丸ドームは絶対に隠れることはない。東に眺めた新第一生命ホールが入るトリトン・スクエアの３本ビルは、たった10年で別の高層ビルの影になってしまったけど、北側はそんなことはない。
銀座が戻ってきた。あとは都電の復活だ。オリンピックなんてやらんでいいから、トラムシステムを造ろうよ、イシハラ都知事さん。
燕舞い 林檎を望む 丸ドーム
追記
晴れた日曜日の午後、溜池までチャリチャリと向かう途中、歩行者天国が始まった銀座四丁目交差点を突っ切りると、こんな風景。上の昭和初期の絵葉書と高さは違うもののほぼ同じアングル。
新橋の向こうでは、マッカーサー道路が姿を見せ始めている。TOKIOはまだまだ変わる。
先程ちょっと用事で久しぶりに銀座に出て、有楽町側の裏から山野に入り、歩行者天国で賑わう銀座通り側に出て隣であんパン５色セットを買い、さて銀座一丁目駅から月島に戻りましょうか、って銀座通りを日本橋側に向かおうとしたら、ビックリして足がすくんでしまいました。
ある世代以上の方、っても、もう還暦を過ぎてかなりの方になっちゃうと思うんだけど、にしてみれば、銀座の四丁目交差点和光のところから山野の側を眺めると、通りが日本橋に向かって大きくカーブしていく真っ正面のところに、まあるいドームを乗っけた大正モダンなビルが建っていたのをご記憶でありましょう。例えば、これ。真っ正面に見える奴です。
それこそが「旧相互館（第一相互館）」です。日本で初めての相互会社として誕生した第一相互生命保険の本社ビル。日中戦争直前の建築バブルの時に本社はお堀端の第一生命館に移って相互館は「中央支社」となり、「第一生命館」は後のマッカーサー陣取るGHQであり、日比谷公会堂の小ホールとして山葉ホールと共に1960年代まで日本の室内楽のメッカとして機能した旧第一生命ホールが入ることになるのだが、ま、それは別の話。
ともかく、相互館は、銀座四丁目交差点からの視野に常にあった。
二代目相互館が取り壊されリニューアルされるという話は、今世紀初頭に第一生命ホールが晴海に移った後のプロジェクトとして予定されていた。当初は、旧相互館は設計図があるのでそのまま再建するかも、なんて話を担当者さんから漏れ聞いたこともある。911以降の世界情勢不安定と不景気で、そんな話はどっかにいってしまい、どうも三代目相互館もあまり面白くない今風のビルになるらしいと聞いていた。
なんせ厄天庵からは直ぐだし、今、お世話になってる弁護士さん事務所が直ぐ裏手なんで、横をチャリチャリ通っては、さてもどんなものになるのやら、と巨大な四角い覆いでガッツリ囲われた中身にはあまり関心も持たずにいたわけです。東京駅丸の内側の三菱関連リニューアルでは、丸ビル以下、出来上がったものの余りの情けなさに失望を味わわされるばかりでしたからねぇ。
てなわけで、数時間前、目の前に「ああああ初代相互館！」としか思えぬ遠景が飛び込んできて、もう腰を抜かしそうになったわけでありますよ。多分、あぁ、ってでっかい声をあげてたと思う。周囲の人々はなんじゃと思ったろうねぇ。
無論、銀座一丁目駅から地下鉄に乗る気など失せ、終わろうとする歩行者天国の銀座通りを慌ててまっすぐ北上したわけであります。京橋越えて、筋向かいのローソン前から眺めると、こんな。
まだプレートなどが見えないし、誰がやった仕事か知らないけど、この東京でこんな形で「過去の記憶」を街の風景に残してくれようとする努力をしてくれた人がいる。有り難うございます、と頭を下げるしかない。第一生命って会社、相互会社を止めちゃって株式会社化したところで、小生には関心の持ちようがなくなったんだけど、まだまだこういうことをやってくれるんだなぁ。こういうリリースもありました。ところで、東電の最大株主のひとつだったのはどうなのかしら。
http://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2011_041.pdf
幸いにも、この復活した相互館、紀尾井町交差点からは微妙に真っ直ぐではない銀座通りのお陰で、どんな建物が建とうが先っぽの丸ドームは絶対に隠れることはない。東に眺めた新第一生命ホールが入るトリトン・スクエアの３本ビルは、たった10年で別の高層ビルの影になってしまったけど、北側はそんなことはない。
銀座が戻ってきた。あとは都電の復活だ。オリンピックなんてやらんでいいから、トラムシステムを造ろうよ、イシハラ都知事さん。
燕舞い 林檎を望む 丸ドーム
追記
晴れた日曜日の午後、溜池までチャリチャリと向かう途中、歩行者天国が始まった銀座四丁目交差点を突っ切りると、こんな風景。上の昭和初期の絵葉書と高さは違うもののほぼ同じアングル。
銀座は昔から好きな町でした。
色気づき始めた１５，６のころに六本木や麻布へと遊び場がシフトしていく前は、日比谷や銀座が遊び場でした。まぁ子供ですから映画を見てソニービルに行く程度ですけど。
銀座は、下町とは呼べない新開地のガキンチョの精一杯の背伸びも、余裕で受け止めてくれるような気がしてました。
ということで、先日は遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。また次回以降もよろしくお願いいたします。
by 北千住のＯ (2012-05-27 17:34)
O様
お疲れ様でした。次回の宣伝のタイミングで、金曜日のイベントについてはアップさせていただきます。少しでも広報宣伝はあったほうが良いですからね。
by Yakupen (2012-05-27 17:47)