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コンクール情報あれこれ [弦楽四重奏]

現役引退を表明したとはいえ、情報はいろいろ流れてくるので、2019年イースター頃のネタをアップしておきましょう。ってのは、今年の弦楽四重奏国際コンクールの目玉たるバンフから、こういうアナウンスが来たから。
https://www.facebook.com/events/1287020608131181/
今月末の4月30日北米東海岸時間午前11時から、トロントで公開会見とライブストリーミングで今年の参加団体が発表される、とのこと。コンクール参加者や参加団体を発表することそのものを盛り上げのための公開イベントにしてしまう、って、これまでのコンクールの歴史でなかったことじゃないかしら。

要は、「コンクールのフェスティバル化」という流れとしか言いようがないし、その通りなんだろうけど、「主催側が参加団体全ての足代を出して招聘する」というもの凄くお金を使っているメイジャーな室内楽コンクールというのは、皆様驚きになるかも知れませんが、世界にバンフ、大阪、メルボルンしかないのです。他は「勝手に来なさい、いいところまでいけば足代の一部は負担してあげるかもよ」ってのが当たり前。天下のミュンヘンも、ロンドンも、レッジョも、ボルドーも(今年、実質的に普通の意味での「コンクール」ではなく参加者を主催側が招待する形にしたので、その辺りはかわるんでしょう)、つまり「西洋クラシック音楽の本場ヨーロッパ」というブランド意識を有したところで開催される、今時の言い方をすれば「上から目線」の大会では、演奏家とチェロ代含めた主催会場までの足代は参加者もちなんですわ。
それを考えれば、せっかく10団体を呼ぶのだから、呼ぶことそのものをイベントにするのは当然でありましょうね。これ、大阪やメルボルンも考えて良いんじゃないかなぁ。参加団体に対しても、前回の優勝団体が演奏して、後ろに映像付きで参加すると世界中に宣言されちゃうと、ちょっと流石にキャンセルするわけにいかないなぁ、というプレッシャーになるしね(かな?)。

今年は前述のようにボルドーが実質的に「フェスティバル参加者に最後にいろいろ賞を与える室内楽音楽祭」みたいな、ある意味で欧州では「20世紀のオワコン」と認定されつつあるコンクールというイベントを質的に革命しようとしているイベントを除けば、メイジャーなコンクールはバンフだけ。とはいえ、小さな国際室内楽コンクールはそれなりの数、開催されています。ちなみに業界的な意味での「メイジャー」とか「マイナー」とかの評価は極めて明快で、予算規模です。大会としての評価ではありませんので、悪しからず。

この週末がファイナルで最終結果が出た、ワイマールでのセミナー&コンクール(うううん、最近のコンクールの流向だなぁ、このやり方)、こちら。
https://www.facebook.com/WeimarMusicCompetitionsandMasterClasses/?__tn__=kCH-R&eid=ARCTydRkgPb6rFjRYpqB0IDWzTM5j4hnH6cEW7jcwd0YzmP-Youc1zXpoiv3152H4mgY7pficWqbE3kx&hc_ref=ARQsE3WKHa_akw_qI4Il6SMdamZcNYnpqTWsD6lPYeoLF8DOehpTbM584ofEIkuS93E&fref=nf&__xts__[0]=68.ARCic6dODcOu4isX7oQvKQy0r4TWhMb4Z67jQMjnyAmHn1bP87FjDBjmjO1TeoGU-dwB7nr1-w2DCgdHn94IZ1_OoyuN_zgNFxqKIeSdwevQW-F2XAL5fV3b8R4iXKjJFW_P5t0GREfNDxEwf6b49822Rq8WyOUsPLS481iLvcrIUfktyjzxS-btdJ90qLjKbzq1mfm7YDpnnGUNZt8EjrOYw2rPWfG34CBtTUS0FW3D6OcJrptiOlGalzAMfWSlJ3NAMNWYTf9Tc0RP5OpfpT8TWb97QItOT9RHTOdjJCY7SgmrRDw7y60hqm9pCOsFoV4nT-iemrm3JSb8pHQNhp4JcZ17460
ドイツ語圏ではいくつかある「音楽学校が主催するコンクール」です。イースター頃にやるのは学校を使いやすいからで、ロンドン大会が英国の横須賀たるポーツマスからロンドンのシティに移ってきたときに、ギルドホール音楽院やドンドン・シティ大学の施設を練習所や宿舎に使えるからイースター休暇時に開催されるようになった、というのと同じでんな。20世紀のカール・クリングラー・コンクールの位置付け、ということでしょう。結果は…

優勝:バービカンQ
2位:メルマンQ
3位:コスモスQ

だそうな。優勝団体は知らないけど、この世代なら仕方ないかな。ちなみに3年前の大会の結果は、優勝がアリスQ、2位アマティス・ピアノトリオ、3位が我らがベルリン東京でありました。オリー弟子、着実に業界に進出してきてますねぇ。

こうやって、隠居爺にはどんどん知らない世界になっていくのだろーなぁ。ちなみに、現役引退宣言をしたやくぺん先生ったら、今年はもうバンフは行きませんが(ロルストンQを出して就任以来の責務を果たしたバリー監督が、コンクールを「国際的に才能を発掘する」本来の形に戻すのか、カナダ・ローカルの価値創造というこのところの路線を続行するのか、興味深いけど、もうわしの世代の眺めることではない)、「コンクール」の在り方そのものを改革しようとしているボルドーは半分だけ見物に参ります。

ま、隠居爺としても、当無責任電子壁新聞には気が向いたらこういう情報もアップはしていきます。っても、予選とか眺めてない結果だけをお伝えしても、ぜーんぜん判んないけどね。去年のロンドンにせよ、会場にいなかったらまるで判らんもんなぁ。ま、ぐぁんばってくれ、若き世代よ。

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