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秋のTOKYOクァルテット祭り開幕 [弦楽四重奏]

ぶっちゃけ、自分への日程メモです。

世界の主要室内楽コンクールをすべて追いかけるというアホな生活からの引退は表明したものの、一応、商売上のフィールドということで、肉体的欠損抱えた爺の老体を新帝都及びその近辺ではウロウロさせにゃならん彼岸も過ぎた湿っぽい秋の午後、皆々様いかがお過ごしでありましょうかぁ。

世間の主催者からは「客が入らなくて困る」と嘆かれ、音楽事務所さんは自爆覚悟の情熱と愛のみで招聘を繰り返す弦楽四重奏ジャンル、それでも「TOKYO秋のクァルテット音楽祭」としか言い様のない状況になってしまうのは、それなりに聴衆の分母があるということなのであろーか?

ともかく、これからチャリチャリと銀座まで行き、まずは天下のタカーチQのインタビュー仕事。本来は某弦楽器専門誌の社内記者さんがやる仕事なんだが、なにやら今週は皆さん出払っているらしく、老体が引っ張り出されることになったようじゃ。

タカーチQ、今回の短い来日の最大の話題は、なんといっても昨年から第2ヴァイオリンに座っているハルミ・ローズ女史のニッポンデビューでありましょう。そー、何を隠そう、お父様はかのジュリアードQ二代目ヴィオラとしてお馴染みだったサミュエル・ローズ氏(その頃にタカーチQのヴィオラだったタッピング氏が今はジュリアードQのヴィオラ、ってのはなんだか不思議だなぁ)。そしてお母様はガリミアQのほぼ最後の第2ヴァイオリンを務め、サイトウキネン管創設時からのレギュラーメンバーとしても知られる矢島廣子さんなのでありますからっ!生まれたときからマンハッタンは120丁目辺り、コロンビア大学にほど近いご自宅にクァルテットが鳴りまくる中で育ったサラブレッドでいらっしゃいます。今や世界の長老団体となったタカーチQの中で、お父様よりちょっと若いくらいの創設以来のチェロ氏と世代を超えたどんな音楽を作るやら。

…っても、明後日のヤマハホールも兵庫も売り切れだそうです。明日の鶴見はまだ数枚あるとのことですので、どうしても聴きたい方はそちらへどうぞ。去る週末には香港島の新しい香港大学キャンパス内ホールで二日間でバルトーク全曲弾いてきたみたいだけど、ニッポンはそういうのやらせてくれないのかなぁ。

もうひとつ、今週のハイライトは、既に月始めから暑い暑い列島に滞在しているアマリリスQ。ひとつの演目で全公演を弾くタカーチQとは対照的に、一体どんだけレパートリーあるんだ、ってあきれる程の多彩な演目でツアーの真っ最中。鶴見はモーツァルトの「ハイドン・セット」ふたつなんて、ありそうでない演目。
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アルバン・ベルクQをうんと真面目にしたような北ドイツっぽいに芸風、赤坂智子女史の自由な音楽が入ってきて、細部がいろいろ面白いところだらけ。なんといっても聴きものは土曜日に湾岸はトリトンで披露されるルトスワフスキでありましょう。超有名曲なのに案外とライヴでは聴けない、貴重な体験を逃すなかれ。

続く日曜日、ちょっとアナっぽいけど、ドビュッシーQが上野でなんとまぁ、フィリップ・グラスの《ミシマ》を弾いてくださいます。招聘元さんに「なんで?」と尋ねたら、やりたいって言ってるから、とのこと。へえええ。
http://artsplan.jp/
案外レアもののフランクのピアノ五重奏もあるし、絶対に行きたかったんだけど、なにやら野外イベントの取材が入ってしまい、ダメそう。台風でも来て中止になってくれると有り難いんだが…とは言えません。なおこの団体、さりげなく捻った演目を来日の度にやってくれて、鶴見ではタン・ドゥンの琵琶コンチェルトのクァルテット版を披露してくださいます。いぇい。
http://www.salvia-hall.jp/event/?id=1557727653-862773

そしてまたその次の日たる来る月曜日には、今、東京拠点でいちばん頑張ってる若手のひとつ、サントリー室内楽アカデミー現役生のタレイアQが、すみだトリフォニーの地下のホールで弾きます。なかなか興味深い演目もあるので、北欧好きは是非どうぞ。あれ、演目が出てないなぁ。
https://www.facebook.com/events/1397824387024550/

んで、月が変わって税金が上がるや、今や北米のタカーチQと並ぶ欧州の巨匠となってしまったハーゲンQが、大曲はトッパンホールで「ハイドンとバルトーク後期」というなんとも味わい深いハンガリー演目(と、言えるのかなぁ)で3日間。これはもう、どうこう言うもんじゃないけど、やっぱりこれだけガッツリとハイドンの作品76をメインに弾いてくれるのは有り難いなぁ。この作曲家は「コンサート1曲目の前座」じゃないと判らせてくれるでありましょうぞ。実は作品76の6をこういう風にメインに据えて聴かせてくれるって、凄く珍しい貴重な機会です。ともかく「何故か弾かれない隠れた秘曲」なんで。
http://www.toppanhall.com/archives/lineup/series1920A.html

まだまだ続く秋のTOKYOクァルテット祭り、来月も話題の(かな?)ヴィジョンQやら、サントリー以来のカザルスQやら、いろいろこの島を目指してやって参ります。さ、そろそろ出かける準備をせねばならぬので、新しいキーボード慣らし打ちのような駄文もお仕舞い。新帝都、なんだか曇ってきたなぁ。

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