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古賀書店閉店祭りは24日まで [売文稼業]

今ややくぺん先生の周囲では軍事費大増税やらクリスマス大豪雪以上の話題の中心となっている、神保町古賀書店閉店の状況報告です。

もう皆様よーくご存じでしょうから、概説はこちらにお任せ。若旦那(じゃないんだけどね、もう)曰く、「東京新聞に出てから、もうたいへんです」とのこと。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/220942
なんと驚くべき事に朝刊の一面トップだったそうで、中日新聞東京ローカルったら、一体どんな奴が紙面構成やってるんだか。空前絶後、前代未聞なんじゃないかな。

12月24日で閉店という情報がSNS上で流れ出したのが今月頭くらい、「若い人がいっぱい来ました。みんな音大の学生さんで、楽理なんかの高い本を買っていった」(四代目若旦那)とのこと。で、20日に東京新聞砲がぶっ放されたら、今度は初めて来るという人で大賑わい。本日23日、開店の11時前に行ったら、奥さんが店の前でお掃除始める前から外の安売りコーナー(だかなんだかもう判らなくなってる)の大判楽譜などに人が張り付いている祭り状態であります。
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お久しぶりです、なんて昔なら確実に皮肉であったろう挨拶をされてしまった若旦那のところには、もう次から次へと「閉店の挨拶」にやってくるかつての常連さんが列を成す。入口のガラス扉を開けて道を開いてあげなきゃならぬ杖をついた後期高齢者さんとかもいらして、文字通りの閉店祭りでありました。

幸いにして、店内はもう8割方空っぽです。あれほどあったミニチュアスコアなど、あと一棚分もない。我が温泉県オフィス図書館と在庫は良い勝負ではないか、というくらいまでスッカラカンになりつつありました。右扉から入った左側の雑然と大判楽譜が積み上がっていた辺りには、美術館の特別展なんぞで常に大人気の竹久夢二表紙画セノオ楽譜のオリジナル、お値段万単位のものがだあああっと並んでいて、なるほど詰めかけているのはこういうもの目的の人達じゃなく、ホンマモンの貧乏人なんだな、ということが良く判りますな。こういうものこそ、みんな大好き閉店祭りで駆けつけた方々がガッツリ買って行って、しっかり稼がせてあげて欲しいものでありまする。

火曜夜に2週間程の滞在予定で新帝都に出てきてから、この週末までは連日昼夜パツパツで、これは閉店祭りには参加出来ないなぁ、と残念に思っていたのですが、どうやら拙著の在庫がまだあるという風の便りを耳にし、これはマズいサルヴェージせねば、と角の富士銀行で万札引っ張り出し、慌てて向かったわけでありまするが、幸いにも閉店フィーバーの中、無事にどなたかの手に渡ったようで、もうありませんでした。で、これなら大丈夫と安心し、爆買いやら大人買いとは言えないまでも、人々が貼り付いている楽器別分類の大判楽譜コーナーには近寄らず、まあ持ってそうな人はもう持ってるだろうとしか言いようがない初版1000部刷るか刷らないか、ってなもんの中からめぼしいもん(こんなことでもないと買わないよーなもん、なんて言わんよーに!)を物色。持ってけドロボー在庫一斉セール半額で、7500円だかほど購入させていただき
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年明けには温泉県図書室に持ち込みます(嗚呼、LCCの荷物、買わねば…)。無論、「これは俺なんぞよりも持っておくべき人がいるぞ、ちゃんと研究室に入ってるかな」という書籍に関しては、店内から慌てて連絡し、「あるけど、要る?」って尋ねられるのはSNS時代のありがたさであることよ。だってさ、一昔前だったら授業中の教官に電話なんて出来ないもんね。

さても、多くの皆々様の最大のご関心でありましょう、残った在庫はどうなるの、って心配でありまするが、四代目若旦那曰く「ネットオークションとかに出します」とのことです。閉店の報があってから、あちこちで「あそこにあった本はどうなるのか、音大図書館とかが引き取れないのか」という声が挙がり、今流行の意識高い系地方移住者らの手によるオシャレでエコでサステイナブルな地域古書店なんかがネットワークセンターにならないか、なんて話も出ていたものの、四代目とすれば「ま、いろいろやってください」とのことでありました。

現実問題として、バックヤードにどれくらいの在庫があるのか尋ねなかったけど、店頭に出ているものだけになっているのならば、もう貴方や私の個人所有レベルの量になってますから、さほど心配することもないでありましょう。だけどぉ、一巻だけある日本語版ニューグローヴとかって、どーするんだろうねぇ。漬物石にもならんぞ。

やくぺん先生個人的には、生活拠点がお茶の水近辺にあったカザルスホール存続騒動前まではともかく、その後は3年毎の引っ越し生活で書籍は可能な限り増やさない生活だったので、思った程利用していたわけではない。それより、パブリックドメインの楽譜はISMLPでその場で眺められるなんて環境になる遙か前は、しまったあそこどうなってる、と走って行って調べるなり、買い込むなりする場所だった。ホントに酷い客だったよなぁ、と苦虫潰した顔で眺められてた若き日の四代目婿さんに佃煮の折りか大分の柚子でも抱え、「ご迷惑かけました」と挨拶しないといけなかったわけでして…

で、これからどーする。

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