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速報:エクがグラス初期5作品一挙演奏 [現代音楽]

恐らくはここで告知しても問題ないのだろうから、フライング気味に宣伝してしまいます。ってか、わーいわーい、って喜んでるだけのことなんだけどさ。

来る2024年はクァルテット・エクセルシオの結成30年の記念年。今年はモルゴアQ「演奏活動開始30年」という記念年だったわけで、若い者ばかりに日が当たるこの業界なれど、この辺りの今や「中堅」という最も営業的には難しいところに差し掛かりながらも心技体共に最も充実したタイミングの連中が頑張ってるのを眺めるのは嬉しいことなのじゃわい、うん。

んで、そのエクの30周年でありまするが、認定NPO法人の定款に挙げられた活動の三本柱、「アウトリーチ」、「定期演奏会」、「現代音楽」を再確認する作業が基本になるのは言うまでもないでありましょう。「アウトリーチ」に関してはコロナ禍で実質根絶やしになった数年を挟みつつ、今や千葉の新浦安を拠点に継続されている。思えば、今世紀初めに富山は入善で始めた「滞在型レジデンシィ」は今やあらゆる若い団体や自治体文化財団がやって当たり前になったパイオニア的な活動だったわけで、その意味でもNPO定款はきちんと実践しているわけでありますな。

2つ目の「定期演奏会」は東京、京都、札幌で開催、なんせ認定NPOと言いながら企業の大手スポンサーシップなど皆無な零細会社、ともかくちゃんと続けている。

んで、問題は最後の「現代音楽」であります。これに関しましては、ともかく集客面からもお金面からも難題が山積み。なんせ、お客さんが入らないのにお金はいっぱいかかるわけで(楽譜使用料、著作権料、場合によっては初演料、等々)、世界の常識からすれば「新作初演をすれば補助金が出る」などの国家や助成財団などからの積極的な資金援助がないと難しく、とても貧乏NPOなんぞにはおいそれとやれるものではない。てなわけで、可能な限りやりたいとは思いますがなかなかねぇ…という状況であることも致し方ないでありましょう。

かくて結成30年記念年にあたり、あらためて定款をきっちり見直し初心に返る意味からも、エクは記念年にいくつかの「現代音楽」イベントを行うことになりましたです。

まだ全てを発表するわけにいきませんけど、目玉企画が決まりましたので、当無責任私設電子壁新聞で一足早く発表させていただきます。それ即ち、「フィリップ・グラス番号付きクァルテット初期作品一挙上演」。

10月7日月曜日、午後7時から、エクが現在は鶴見サルビアホールを会場に開催しております「ラボ・エクセルシオ」の30年企画として開催いたします。演奏するのは、第1番から第5番まで、要は20世紀に書かれた作品群でありまする。作品としては、どれも所謂「ミニマル音楽」の原型がまんま示されている作品群で、未だ実験としての色彩も濃かった第1番から、初期の偉人三部作オペラを経て舞台音楽や映画音楽にこの作風を展開していく中から生まれてきた作品群を一挙に演奏する、という試みですね。

なんでこんなものをやるかといえば、実は何を隠そう、日本で上演されたグラスのオペラ作品のうち、昨年にバタバタと横浜や大阪で演奏された《浜辺のアインシュタイン》を除けば唯一日本団体が舞台にかけた作品たる《流刑地にて》で、オーケストラというか、ちゃんと楽譜の指定通りにピット担当をしたクァルテットとして演奏したのがエクだったわけですわ。正に「現代音楽を振興する」という定款を忠実に守った仕事だったわけでありまして、あれ以来、何度かやってみたいと話題には上がっていたプロジェクトなのであります。それが、やっと苦節十数年、この結成30年という記念年にいよいよやってみるか、ということになった次第。

まだまだ鬼が笑うくらい先の話ですが、なんせ100席しかない会場で、所謂「現代音楽」の世界だけに限らない関心の広がりがある作曲家ですから、アッという間に切符なんぞなくなってしまう可能性もある。ことによるとまあああったく売れないかもしれない。全然わからんのですわ。とにもかくにもご関心の向きは、真新しい来年の手帳の秋のページに日程だけでも書き込んでおいてくださいませ。

なお、10月には「現代音楽」とはいえグラスとは全く方向性の異なる、これまたエクに縁のある企画も控えております。そちらもお楽しみに。

いやぁ、来年は巴里五輪で秋のル・バルコンによるシュトックハウゼン《光》チクルスがお休み、なんだかつまらんなぁ、と思っておりましたが、これでちょっとは喉の渇きも、かな。とにもかくにも、請うご期待。

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