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東海道LCCは使えるか [たびの空]

たまには真面目に、たびの空お役立ち情報。

昨晩、ジェット星ニッポンの午後8時40分関西空港発成田行き、事前割引予約総込み4890円也を利用して、大阪から関東に戻ってきました。

交通費なしの大阪での仕事のギャラと、終了時間その他を考え、行きはANAの事前割引を利用。お値段は東京駅発新幹線のぞみの普通車をまともに買ったのとほぼ同じです。もっと早く買ったり、もっと早い便にすれば、最安値で8000円台からありますが、そんな早起きしちゃうと仕事にならんので、妥協としてこの値段。新幹線にしないのは、単に嫌いだから。あの離陸しそうでしない感じが延々続くのが、どうもむずがゆい。なんでおまえ飛ばないんだよ、って。新幹線のトップスピードって、ちょうど飛行機が離陸するくらいですからねぇ。

もとい。で、大阪市役所近くの某所で用事が終わったのが4時。普通ならここで大阪駅から新大阪に行き新幹線に乗って、8時過ぎくらいに戻ってくる。若しくは、伊丹に行って、7時過ぎくらいに羽田に到着する。どっちにせよ、往復で足代だけで2万6千円以上はかかるわけです。

これじゃ、赤字なんですわ。

演奏会を聴きに行くとか、誰かに会いに行くとか、そんなことならば、まあ赤字も何もないわけだから、これだけ情報仕込み費用にかかりました、ってことなんだけど、はっきりこの往復で出るギャラが決まっているとなると、なんとしても赤字にしたくなくなるのはフリーの習性。で、1円でも黒字にしようと、なんとか頭を捻る。とはいうものの、捻るまでもない。方法は唯一。夜行深夜バスですね。

そんな状況に、去る初夏くらいから新たな選択肢が加わりました。貧乏人の友、LCCです。

大阪市内の移動費用など、JRを使うとスキップできる部分を含めて考えれば、実はJRはお安いとも言えるのだけど、まあどんぶり勘定大阪市内の移動代金2000円と考えても、LCCの安さは圧倒的。

問題は、ちゃんと飛ぶのかに尽きます。なんせ便数は少ない、定時運航率は低い、ですからね。安かろう悪かろう、とはこういうことを言う。でも、そんなこと判った上で、さあどーする、なわけです。

あくまでも昨日の実例として、以下に状況を記します。大阪の演奏会に行くために楽譜やCDを売らねばならぬと悩んでいる貧乏人の皆様、ご参考になさって下さい。

さても、4時に大阪市役所前の御堂筋線駅からなんば駅まで移動、そのままエスカレーターをずるずると上り、南海なんば駅から空港急行なる優等列車に乗ったのが4時半過ぎ。これ、特急券は要りません。かなり混んでますが、泉佐野とかまでいくともう空港利用者しかいない、ガラガラです。空港島の駅に到着したのが、5時20分くらいだったかな。押上から成田空港駅に行くより全然近いです。押上から羽田空港に行くくらいの感じかしらね。実は、羽田は結構遠い。

で、話題の掘っ立て小屋LCC専用ターミナルに行く連絡バスに乗るのかと思ったら、LCC専用ターミナルは現時点では桃航空専用らしく、普通に2階の国内線ターミナル出発ロビーのいちばん南の端っこにカウンターなどがあります。
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人件費は極力削減のLCC、8時40分発で3時間前では誰もいません。8時発、という便があるのだが、その要員もいない。
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で、無線LANが無料で飛んでいる空港内で7時過ぎまで諸作業をし、おもむろにカウンターに向かいます。昨日、ウェブでチェックインし、ボーディングパスもプリントアウトしてある。みせて、どうしたらいいんですか、と訊ねると、預ける荷物がないなら普通にゲートに行け、とのこと。プリントアウトした搭乗券にゲート番号を書いてくれます。

てなわけで、ANAやらJALやらに乗るのと同じ手荷物検査場を抜けると、もう搭乗口は目の前。LCCだからってえらく隅っこでもなければ、バスゲートでもない。ごく普通のボーディングブリッジのある搭乗口です。隣は沖縄から大阪に来た修学旅行のちゅーぼー団体で、えらく騒々しいけど、たまたま、ってことなんでしょう。

この移動の最大の関門は、成田到着時間にあります。午後10時ということになってるのだが、成田空港ターミナル内での地上徒歩移動を考えると、30分以上遅れた場合は京成電鉄で上野や押上まで戻るのは不可能になる。1時間遅れると、リムジンバスの最終便もない。つまり、1時間近く遅れた場合、貧乏人は成田で朝の4時まで缶詰になってしまうわけですわ。これはこわいなああああ。夜遅く成田に到着するLCCの最大の危険はここですな。

そんなことジェット星ニッポンさんもよーく判ってるわけで、ここからが凄いぞ。札幌からやってきた成田行き使用機材がゲートに入ったのは午後8時7分。
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だだだだだだぁ、と客を降ろし、東京行きの客を乗せ始めたのが、なんと午後8時19分くらいでした。10分ちょっとで客の入れ替えをしてる。これって、新幹線が東京駅のホームに到着して、客を降ろして、清掃して、また扉を開けるまでの時間と良い勝負じゃないですか。その間に、燃料補給やらもやってるんでしょうし。
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で、8時半前には無事に14列Bという真ん中席に押し込まれている。窓側隣は20代前半の太ったにーちゃん。通路側隣は50代から60代始めくらいのベテラン現場作業員のオッサン。小生の席の前2列は非常口席で、ジェット星ねーさんが乗客に取扱説明をするのだが、その説明を聞いてるのはみんな大学生から社会人になりたてくらいの男の子ばかり。まるでアルバイト店員にチーフが機材説明するのを真面目にきいてるみたいでした。

この便、乗客にもの凄く若い人が多いです。流石に時間が時間なので親子ずれは少ないけど、所謂「労働者」風の風貌の方も多い。冗談じゃなく、JR東海の夜行バスで東名高速を夜に走るような客ばかりなんですわ。LCCの深夜バスから客を奪う戦略、しっかり機能してます。考えてみたら、夜行バスよりも安いし、空港で寝ることになってもかまわないと割り切れば、こんな楽なものはない。

この時間だと関空はあまり混んでおらず、Aランからあっさりと北に向けて離陸、真っ暗な闇を1時間弱も超えて、9時20分くらいにはもう九十九里上空の光が見える。で、成田のBランにタッチダウンしたのは9時38分でありました。やったぁ、これなら余程のことがない限り、無事に葛飾厄偏舎に戻れるぞ。

京成バスじゃなくて、ちゃんと空港特別車両のでかいバスで320から第2ターミナル南の専用バスゲートに到着したのは午後10時丁度。走ってるおねーちゃんなどいます。最後の東京行きJRに乗りたいんでしょうねぇ。京成は、午後9時を過ぎると実質1時間に2本くらいしか上りがなく、どんなに急いでも次の上り列車は10時32分のアクセス特急上野行き。で、ノンビリとホームに向かいます。延々と20分も待ってると、ホームはもの凄い人の波。まるでラッシュだわだ。
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幸いにも第1ターミナルからやってきた電車は、第1ターミナルにはLCC到着がないので、乗ってるのは数名の空港職員の方だけ。実質始発状態で、人がだあああっと乗り込む。乗ってみれば、全部の席がいっぱいになって、余程要領の悪かった数名が席を見つけられませんでした、ってくらいの混みっぷりでした。

新松戸などでかなりの人が降りて、上野押上方面まで向かう客は思ったほどいない。かくて、葛飾厄偏舎の最寄り駅に到着したのが午後11時20分でありましたとさ。

結論。ちゃんと飛べば、この便、使えます。但し、行きもLCCで行くのはちょっと便の時間設定からきついです。朝の6時台に成田ってのはねぇ、いくらなんでもオッサンにはしんどい。

以上、淡々と真面目に語る貧乏人のためのガイドでした。

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上野のおぢさん

先生LCC利用のプロとしてもご活躍ですね。
いつも楽しみにしております。
さて、私は、12月14日(金)から16日(日)まで「赤い風船」というパックを利用して京都の新都ホテルの泊まりながら、京都市内のお寺、さらに室生寺、長谷寺、根来寺を見てきました。
私が乗車した14日(金)の東京駅11時発の「のぞみ」にトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の一行が乗車していました。連中は前日は新潟でコンサートをやっており、どこに宿泊したかわかりませんが、この「のぞみ」に乗ったのですね。早速調べると、同日の夜は京都コンサートホールにて演奏会。2番目に安い7000円の席を購入して、ステージ後ろの指揮者の顔を見る席に座りました。ローマの謝肉祭序曲、サン・サーンスVn協奏曲第3番(諏訪内氏の独奏)、組曲「火の鳥」、ボレロ、アンコールにカルメンから2曲。
外来オケがチヤホヤされたのは昔の話。新潟から京都まで当日に移動した晩の本番。外人だから移動は体にこたえないのか・・・当然演奏はそれなりに楽しめました。楽団員にも疲労の感はうかがえました。
それにしても、客の入りがイマイチで、ステージからみた1階席はまあまあ埋まっており、正面2階席は相当にガラガラ。バルコニーもまばら。ステージ後方の座席は満員でした。拍手はブラボーで盛り上がってはいました。演奏後、オケの連中は新都ホテルにゾロゾロいました。
中堅の外来オケのスケジュールはハードなのですね。改めて、変に感心しました。
by 上野のおぢさん (2012-12-18 13:50) 

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