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電子メディアの保存保管について [売文稼業]

相も変わらず全然頭が動かない馬鹿状態が続いているけど、流石にお盆休みが終わって一斉に世間が動き出すとそうも言っておられず、昨日は「アッコルド」編集長と面倒な打ち合わせ話をしたりして、残っていた最後の前頭葉のパワーを失ってしまった。馬鹿だ、アホだ…

んで、本日もひとことだけの雑談です。

今世紀に入って、「書いてあることは嘘ばかり」当ブログとは異なる、ちゃんと商売としての原稿発表がweb上でもそこそこ成されるようになった。自分の作文作業全体の中での比率がどれくらいあるか、まあ長編をやっちゃうと一気にバランスが崩れるから数値としては間違っているのだろうけど、印象としては、2013年夏の時点で3分の1くらいがweb原稿かなぁ、なんて感じ。
同業者さんにはお判りでしょうが、作文作業というのは原稿用紙2枚でも50枚でも、感覚としてはどっちも同じ「ひとつ」なんですね。痛みが慢性化した右手肘への物理的な負担はどうあれ、精神にかかる負担は、中身の大きさよりもウィンドウがいくつ開いているかなわけですわ。

まあ、それは別の話。んで、昨日話題になったのは、web原稿はどうやって将来に向けて保管されるのか、ということ。

この数日来、某所の教育委員会の図書館への介入があちこちで話題になってる。個人的には、どこぞの教育委員会に馬鹿をやらせてGHQが「押しつけた」教育委員会という在り方を無力化したい方々の陰謀なのではないかと思わぬでもないが、馬鹿なので判らぬ。
で、その図書館というところは、どんな規模であれ、「出版されたものを保管し、歴史に委ねる」公的な施設(民間の運営であろうが、正に公的な仕事)なわけでありますね。数週間前までやってた長編仕事でも、証言の食い違いやらをチェックし事実関係を明らかにするために当時の出版物で検証するという作業は基本なわけでありまして(勿論、当時の出版物が正確なデータを挙げてくれていると頭から信じるわけにはいかないわけで、ここでまた面倒が起きてくるわけですが、それはそれ)、佃オフィスから銀座越えてチャリチャリと三宅坂登り、国会図書館などに詣るわけであります。最近は雑誌系の場合は関西の方に置かれていることもあって、そうなるとまたかなりパニックなのだが、まあ、原則的には三宅坂まで行けばなんとかなる。地方出版や新聞ローカル版を調べるためには、大分や福岡の県立図書館なんぞにまで足を伸ばしたわけだが、まあ、そこまでいけばなんとかなる。

ところが、言うまでもなく、この施設に収集されているのは、紙媒体なのであります。今世紀に入って、様々な形で展開しつつある電子媒体は、現時点では「書物」として出版の流れに乗ったものが収集されるばかりで、ネットの上だけで展開されるものなどは基本的に手つかず。その書物型にしても、こんな問題が起きているそうだし。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013072802000100.html
90年代初期のMacのためにCDROMの翻訳などを初めてした頃のことを思い出しますなぁ。我が家にMacに対する不信感を決定的に植え付け、未だにiPadすら使う気にならぬ状況を作り出したあの仕事、懐かしく、って副詞を付けるわけにはないんだけどさ。

書籍としての流通が成されるものでさえこの有様。さあ、webでのみの商業出版(というのかしら)はどうするのか、って話になるわけです。

実際、小生もフジテレビさんが公式サイト内の「FujiTV Art-net」というwebマガジンを経費削減のために廃止したため、ずっと連載していた原稿が消えてなくなりました。紙媒体の雑誌なら、掲載誌が送られてきたり、商業雑誌ならどっかの図書館やらに収まっているだろうから、最悪でもそこにいけばなんとかなる。でもwebマガジンの場合は、権利を持っている方なり団体なりが「廃止する」と決めたら、一瞬で全てなくなる。公式な場所で保管されることはない。プリントアウトしておけば良かったじゃないか、と言われればそれまでだが、そうしなくて良いのがwebマガジンの特質だと信じてたし、廃刊の際には自分の原稿のデータをくれるのは当然だろうと頭から思ってたわけだしさ。

既にあちこちで問題になってることなんでしょうけど…今更ながらにどうしたらいいのか、頭を悩ますというか、困ったねぇ、と言うしかない。

たぶん、真剣にこの問題に取り組んでる方や団体があるのでしょうねぇ。そういう団体やら電子図書館の試みなりをご存じの方、ご教授下さいな。

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Kenta

ベストセラー小説を10冊そろえることが図書館の使命と考えている自治体図書館が多くある(住民サービス向上)ようなので・・・。

どの程度のものか判りませんが、国会図書館でこんなことはやっているようですが。

http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/259158/warp.ndl.go.jp/
by Kenta (2013-08-20 13:48) 

Yakupen

Kenta様

情報提供、ありがとうございます。なるほどねぇ、公共機関のデータは収集している、ってことなんですね。ただ、有料webマガジンなどを全て公的機関が雑誌を揃えるように収集する、というのではないんですねぇ。

冗談ではなく、昨日も、20世紀末から21世紀初頭の電子データは、将来の図書館機能の穴になるんじゃないか、と話をしていました。
by Yakupen (2013-08-20 14:22) 

sato

プロの目にはどう映るのか分かりませんし、そもそもお門違いの話でしたら申し訳ありませんが、フルトヴェングラー鑑賞記なるものを作っておられた方がいらっしゃいまして、直接知らない方の意見ですし、全て鵜呑みにする訳にもいきませんでしたが、古い録音のCD復刻ではどれがよりまともかの参考には、大変重宝していました。

しかし、その方に何かあったのか、急に見られなくなってしまい、案外困っております。

有償で書かれたものさえ保管されない訳ですから、個人が好きで作ったものは尚更で、それこそきちんと保存しておけば良かったのですが、実際見られなくなってみるまで、まさかそんなことになるとは思わなかったもので、後悔先に立たずとはよく言ったものだなどと思うばかりです。

こういったものでも困るのですから、やはり、有料のもの等の保管は、どうにかしなければいけないのでしょうね。

by sato (2013-08-23 18:14) 

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