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加美町あゆの里物産館大忙しの日 [たびの空]

宮城県は古川から奥に入った加美町
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かつての中新田町の町営お土産物屋さん兼案内所兼食堂、「加美町あゆの里物産館」にいます。なんのかんの、もう3時間近く陣取ってます。

目の前は、知る人ぞ知る日本でも最も有名な町営文化施設のひとつ、そー、かの「中新田バッハホール」です。まだバブルが始まる前の1981年、町長の鶴の一声で田圃の真ん中に当時の日本にはまだ実質上存在しなかったパイプオルガンを有する純粋なクラシック音楽専用ホールを公立で建ててしまった。旧石橋メモリアルホールが出来て数年、サントリーホールも、カザルスホールも、それどころかまだザ・シンフォニーホールもなかった頃の事です。今でこそ「地方からの文化発信の最初の例」などと麗しく語られますが、当時は週刊誌などに「カラオケくらいしかやらないのに田圃の中に豪華な音楽ホールを建ててしまった、典型的な住民不在のハコモノ行政」と面白可笑しく書き立てられ、散々に批判された場所ですな。

恥ずかしながら、やくぺん先生、もういい加減に老い先見えたこの歳になるまで、来たことがありませんでした。今日、ここに来たのは、ぶっちゃけ、お仕事というよりもお付き合い。ミュンヘンで御世話になったことがあるミュンヘン・バッハ合唱団のオバチャンのところから連絡が行き、ミュンヘン・バッハ管30年ぶりの日本公演、是非ともどっかで聴いてくれという。なんせこの10月、神様はいないくせに弦楽四重奏団がやたらと来て、行ける日が今日だけ。で、それが初日の中新田、ってわけであります。
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いやはや、遙々朝からバス乗って仙台まで来て、仙台からバス乗り換えてここまで、典型的な「タダほど高いものはない」でありまする。

このホール、「田圃の中に豪華なホール」というオープン当時の派手な見出しばかりが記憶に残っているので、さぞかし淋しいところであろうと思ったら…なんとなんと、仙台から立派な高速バスが走っていて、それどころかホール前というバス停のひとつ前、バスでたった2分のところに、巨大なイオンモールがあるですよ!
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それこそ「田圃の中に豪華なイオンモール」でありますっ。

オープンしてもう30と余年、竣工当時は周囲は田圃ばかりだったのかもしれないけど、今や田圃を潰したアパートやら(なぜか「シャーメゾン・バッハB」などと猛烈にカッコ良い名前!)、向かいにはデカイ町立体育館やら、田圃はどんどん潰されて住宅地になってます。確かに楽屋口の真ん前は田圃だけど
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もう周囲に残された最後の田圃でんがな。

ホールの前の町営物産館、やくぺん先生が座り込み始めた頃は誰もおらず、支配人のオッサンとアホな話などしてたんだけど(その後、仙台までのバス車内でやってた原稿をフィニッシュさせましたから、ちゃんと仕事もしてまするぅ)、さっきからもう席もない程の満員ぶり。とうとう名物町内産の肉使用ハンバーグ定食700円也は売り切れ、それどころかもうひとつの名物、鮎の塩焼きやら天麩羅定食も売り切れ間近。「バッハのお酒は販売してないんですか?」「ゴメンナサイ、もうやってません」とか、久しぶりにこのホールに来た人もいるみたい。
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この物産館がこれほどの人で溢れるなんて、次は12月末の中村紘子ピアノリサイタルまでないのだろうなぁ。

さあ、いよいよ始まる中新田バッハホールでのミュンヘン・バッハ管公演、ブランデンブルグ協奏曲全曲です。今日聴かないでいつここに来るの、って演目。宮城野の音楽ファンも、そうじゃない人も、まだちょっとだけ当日券1500円也があるらしいので、急いでおいでませ。

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