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《運命》の運命 [音楽業界]

プラハ響シーズン開幕演奏会は、首席指揮者インキネンが人気者レーピンを向かえ、シベリウスのヴァイオリン協奏曲。そして、首席指揮者2期目の冒頭を飾るに相応しいベートーヴェンの”Osudova”交響曲でありました。じゃじゃじゃじゃーん!
レーピン先生、相変わらず音程怪しいけど妙な風格だけで立派に乗り切ってるとか、プラハ響首席ホルン君きゃらありすぎいいいとか、このホールは響きが団子になるのは前提でそこからどーするかなんだなぁとか、いろいろあるけど、ま、それはそれ。

ともかく、メインはOsudovaなのでありまする!

いや、やくぺん先生がそう言ってるんじゃなくて、プラハ響がそう仰ってるのだから、わしゃ知らん。

当電子壁新聞を立ち読みの方はよくご存知でありましょうが、日本では「ベートーヴェンが副題を与えた交響曲は《田園》だけで、まあ《エロイカ》は認めてもよかろーが、《運命》なんて本人が知らぬ呼び方をするなぞ許されぬ!」という説が巷に流布しているわけでありまする。
誰が言い出したかしらないけど、偉い先生なんかがそう仰ると、《運命》交響曲なんて言うのは日本だけの恥ずかしい習慣なのか、などと思ってしまうのが我々人の善い庶民というものであーる。

でもさ、ほれ、このプラハ響さんの告知、明らかにこれ、副題だわなぁ。わかるかな?
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んで、オケのマネージャーの眼鏡美人さんに、「これ、どういう意味ですか」と何もしらんふりをして訊ねてみたですよ。そしたらいうよう、「《運命》よ。え、だって、交響曲第5番、なんて言ってもみんな知らないでしょ。日本じゃ書かないの?」って。

お一人の意見では偏っているかもしれないので、GPの最中に隣の席に楽譜抱えてやってきたオケのライブラリアン君に、またまた素知らぬ顔で同じ事を訊ねてみました。そしたら、さ、「うん、ニックネームのある曲には、普通、付けるようにしてるみたいだね。そもそも、この曲がプラハで世界初演から2度目の演奏をされたときに、もうこの題名が付いてたんだよ。だから、この街で付けるのは不思議じゃないだろ。」

なーるほどねぇ。

興味深いのは、プラハ響の150円くらいで売ってる当日プログラム、チェコ語の表記の中にピラっと英語表記の紙が挟まってるんですけど、そっちをみると
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おやまぁ、「ふぇいと」とは書いてないわね、確かに。

へええ、世の中、いろんな考えがあるんだなぁ、勉強になるなぁ。少なくとも、「ベートーヴェンの交響曲第5番を《運命》などと呼ぶのは日本だけだ」という俗説は嘘、ということのようです。世界は広い。

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