SSブログ

シジュウカラ・レストラン再オープン! [葛飾慕情]

欧州三都市弦楽四重奏漬け+αの3週間と少し、「引退」宣言を撤回せざるを得ないような事態に己を追い込むアホな仕込みツアーの最中、なによりも心配だったのは伝えられていた東京地区の大雪でありました。なんせ、葛飾オフィス巨大柿の木下のシジュウカラ・レストラン、冬は乾期晴天続きと信じ込んでる関東の東夷としては当然ながら雪への対応なんぞ全く考えておらず、あそこに雪が積もったらひっくり返るんじゃないか、果たしてどーなっておることじゃろーかいな。

調べてみると、1月11日に書類などを取りに来たのが最後。そのときは、こんな状態。
1.JPG
佃のセレブなブンチョウさまたちがお残しになられた残飯が詰め込まれたフィーダーをお目当てに、向かいの電柱の変圧器内部にお家を構えてしまった雀たちの一群がいるようで、こんな調子で寒くご飯のない冬を乗り切る便利な場所に利用しておった。前の冬にはこういう連中はおらず、フィーダーのブンチョウさま残飯は一冬でもなくならなかったような気がするのじゃがのぉ。小さな飛ぶ方々の情報伝達システムは、わしらにはよー判らんもんじゃ。

んで、レストランの面倒をみずに雨風雪に曝しっぱなしにして20と数日。昨日朝に湾岸に戻り、まるでアムステルダムのビエンナーレが東京でも続いているような空気のエクの演奏会で西村朗氏にプレトークをしていただくために初台に駆け込み(実際、海胆頭で、「こういう感じのことを話してください」と事前打ち合わせをして、あとは座ってタイムキーパーしてただけの情けなさ)、やっとツアーが全部終わったおわったぁ、と今日の昼過ぎに葛飾オフィスに久しぶりにやって来てみれば、おおおおお、なんてこった。
2.JPG
シジュウカラ・レストラン、ものの見事にスッカラカンではありませんかぁ!

最寄りの某私鉄駅から駅前を抜け、今はすっかり住宅地になってしまい最後に残された町工場に向けて真っ直ぐ、隣の葛飾オフィスまで連なる道に入ると、もう遙か向こうの柿の木周辺で大騒ぎしている性悪ヒヨちゃんやら、民家の軒先に出された鉢植えの花に張り付いてるめじろんやら、そいつらを「美味しそうだなぁ」と眺めている野良猫共の姿が見えてくるものなのだが、猫様たちは別として、飛ぶ方たちの気配がまるでなかった。なるほど、これじゃあねぇ。

それにしても、フィーダーがカラッポになってしまっているのはさもありなんとして、前の冬にはまるで人気がなく、今回も独逸国のスーパーで補充を買っては来なかったエナジーボールが、ぜーんぶ綺麗になくなってるのは、ちょっと驚き。これ、絶対に飛ぶ方々が喰っちゃう以外に無くなることはあり得ないもん。誰が喰ったんじゃろか?輪っか飯の中身を細く詰め込んだやつだけが残ってる。これ、人気無いなぁ、やっぱり。補充を買おうか悩んだんだが、買わなくて良かった。うん。

とにもかくにも、佃から運んできたブンチョウさまらの3週間ちょいの食い残しと、パリ及びハイデルベルクのスーパーで買い込んだ食材を背負子から引っ張り出す。シジュウカラ輪っか飯3パック、シジュウカラさんやあおちゃんが好きそうなものを固めたハート型のご飯、それに油こってりのシジュウカラ・カップ飯じゃぞ。
3.JPG
ひとつだけ残っていたエナジーボールのストックを探し出し、せっせとレストランのセッティングに励む聖フランチェスコならぬやくぺん先生なのであった。

せっかくだから、レストラン再オープンを記念し、蜜柑と、冷凍庫から引っ張りだし隅っこはやくぺん先生が美味しく囓ってしまった巨大柿の木からもがれた冷凍渋柿も、特別に出してあげよーじゃないかい。ほれっ。葛飾巨大柿の木下シジュウカラ・レストラン、リニューアル再開じゃ、皆の衆!
4.JPG

再オープンから間もなく、早速、ぎゃーぎゃー、という雄叫びが荒川放水路向こうの新開地に響き渡るっ!
5.JPG
「ごはんだぎゃぁ、またごはんが出ただぎゃああああああ!」と大喜びで世間に告げるのは、やはり凶悪狂暴ヒヨちゃんであった。うううん、日本列島でニンゲンが冬場にカラさん類にご飯をさし上げる習慣が今ひとつ根付かないのは、絶対にこの方々故だろうなぁ。なんせ、こんな「誰にもやらんじゃぎゃあああ!」ってキャラの奴、欧州にはいらっしゃいませんからねぇ。ロビンくんも鶸さんらも、こんなに凶悪じゃあないもん。

ま、それはそれ、やくぺん先生とすれば、あんたらにはあげないような工夫をするなんて気も無い。「お庭に可愛いシジュウカラやメジロを呼ぶには」…なんてハウツウ情報には、「性格が悪いヒヨドリが独占しようとするから、対応策としてあれをしろこれをしろ…」と記されているものでありまする。だけどヒヨちゃんだって、たまたまこの島に一緒に生まれてしまった貴重な列島固有種。性格が悪いから、クロウタドリやコウラウンみたいに声が綺麗じゃないから、ロビンやめじろんみたいに可愛くないから、って理由でご飯をやらんわけにもいかんでしょ。

やがて、つつぴぃ、というお声もしてまいりました。ほれっ
6.JPG
主賓の皆様が様子見にいらしてくださいましたです。果たしてホントに輪っか飯やらカップ飯を喰らってくださるか、まだなんとも判らんものの、少なくともひとつのご夫婦がこの辺りを動きまわってるようじゃ。

葛飾シジュウカラ・レストラン、再開いたしました。この先、旧正月を越えて桜が咲くくらいまで、お店を出す予定でありまする。葛飾近辺の小さな飛ぶ皆様、ずずずぃいいいいといらっしゃいませぇ。

随分と日は延びたといえ、新開地の冬、まだまだ続く。

柿の実に ヒヨちゃん叫び 春まだき

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。