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2023年最後の闘いは神無月ジュネーヴへ [弦楽四重奏]

昨日のメルボルンの結果は、いろんな意味で「コロナ時代」の若手弦楽四重奏団マネージメント戦略をまざまざと見せてくれるようなものでありました。「地元グランプリで地元団体初優勝」に向けたムジカ・ヴィーヴァさん含めたオーストラリア業界の戦略が見事に嵌まった、って感じ。なんか昨晩のシルバーストーンの名門マクラーレンみたいだったなぁ、ある意味で。

そう考えると、ホントに大阪は…と思うなと言われても無理。ああ、やっぱり俺が見ている目の前での母国団体メイジャー大会優勝は見果てぬ夢であったか…と虚しくなる気持ちを振り払い、隠居爺はこそこそと今年最後の大会の様子を眺めに行くと、うううむ、こんなことになっておったかぁ!
https://www.concoursgeneve.ch/section/competitions/string_quartet_2023/

もの凄く面白いのは、永世中立国ということもあってか歴史だけはやたらと長いこの大会、ここにリストアップされた15団体がいきなりジュネーヴ音楽院ホールに集まるのではなく、まずは9月18日から20日までオンライン上での公開審査をする、なんて前代未聞のやり方を採用したこと。

へえええ、まあ、基本、参加者はホームステイという大会ですから、コロナ禍が明けたとはいえ戦時下の今、普段のようにやってるわけにはいかん、という割り切った考えなんですな。で、セミファイナルに残った6団体が、押っ取り刀シベリアを越え(られないから、ゴビ砂漠を跨ぎ、キスタン諸国上空を抜け、遙か左手に戦場を眺めながら)ジュネーヴまで呼び寄せられて、10月23日から27日までのライヴのセッションが始まる。ここで参加はやっと、ベルチャ様審査委員長(!)率いるクスのウィリアムやら、エベーネのガブリエルやら、元セント・ローレンスやら、かつての大阪優勝ダリ・トリオからアルテミスの第1ヴァイオリンを経て今やベルリンフィル初の女性コンマスとなったヴィネタ様やら、知り合いだらけの審査員の前に引きずり出されることになるわけですな。正直、パリに行く前に顔を出そうと一瞬思った程の顔ぶれなんだけど(目的は審査員連中で、もう参加者じゃない!)、なんせジュネーヴの滞在費の高さを考えると二の足を踏まざるを得ませんでした。ま、もう収入が現役時代の三分の一以下の隠居なんだから、ここは諦めるしかないわい。

んで、参加団体は、なんと15団体中3団体が純粋韓国チームでありまする。無論、コロナ後に再開した闘いももうまる3年目ともなれば顔ぶれも見えてきていて、「お馴染み」と言える連中もおりますな。ニッポンにはこれだけ若手が出てきているのに、どこもエントリーしてないのは、ますますのガラパゴス化、正直、これで良いとみんな思ってるとすると大いに問題としか言えぬが…ま、それはまた別の話。個人的にはやくぺん先生、もうサントリー室内楽アカデミーくらいの日本拠点の若手連中は好きにしてくださいとしか思えず、ホントに関心あるのは、マーケットがないのにみんな弾ける奴らが次々と弦楽四重奏を始めちゃってこれをどうするんだ、って程の室内楽フィーバーが勃発してるお隣半島の若い連中の方です、はい。ぶっちゃけ「頑張れハナちゃん!」なんだけど…ここももうメンバーはオケのキャリアを始めてるんだよねぇ、うううむ…

とにもかくにも今年唯一の「欧州グランプリ」のジュネーヴ、これでコロナ後の状況がひとわたり見えることになる若手弦楽四重奏業界でありましたとさ。

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