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温泉県盆地遙かなり… [たびの空]

恐らくは今年最長になるであろう半月とちょっとの新帝都滞在の筈が、水無月晦日九州北部大豪雨で温泉県盆地西部地区の被害が報じられ、慌てて無料航空券を取って数日の温泉県盆地緊急滞在となったのが先週の前半のこと。また新帝都に戻り、ニッポン現代の古典作品再演特集と、Qアマービレ、レグルスQなどニッポン若手連中を拝聴。うーむ、やはり新帝都でないとこういうものは聴けんのぉ、と思いつつ、音楽祭まであと10日程のキューシュー島は温泉県盆地に向かったのでありますがぁ…

皆々様ご存じのように、神無月豪雨で久大線が止まりその復旧もままならぬうちに大豪雨の第2波が追い打ちをかけ、久留米から温泉県に東進する久大本線沿線の福岡側筑紫平野が酷いことになってしまった。なんということか、筑紫平野の東の隅っこ、ここが久留米と言われても困るような真っ平らな平野が峻厳な山地にぶつかる辺りで、鳥栖から東に曲がって大分を目指す大幹線たる大分道のトンネル入口が土砂崩れ、上下線とも普通になってしまったのが数日前。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1bd3f3b53914b868d100e5713f64deb23a4f1aaf
日田の向こうは由布院盆地に向けての分水嶺手前の豊後森駅まではなんとか走っていた久大線も、山地を越えた平野で線路が水に浸かってしまい、運休区間が広がってしまった。かくて福岡から温泉県に入る道は、小倉を回って瀬戸内海沿いをぐるり南下し別府大分に至る特急ソニックの道しかなくなってしまったのでありまする。

この時期、何故か大分空港便が猛烈に高く、最安値移動を選ばざるを得ない貧乏人やくぺん先生ったら、最安値€50ちょっとくらいの桃航空さんで福岡は板付空港に到着し、そこから延々と空港からの直行バスで温泉県まで至らねばならぬことになっていた。鉄道が走らなかろうが、高速が不通だろうが、そんなことLCCさんには関係ない。貧乏人御用達LCCの最安値は変更不可能席ですから、もうこの日のこの便に乗ると決まったら、乗るか、はたまた搭乗を諦めて捨てるかしかない。

かくて朝の6時半に新帝都は大川端縦長屋の庵至近の月島駅から大江戸線に乗り、大門で羽田空港から朝っぱらにニッポンに到着したでかい荷物のインバウンド客と都心への通勤客で満載のアクセス特急成田空港行きに乗換え、延々と1時間とちょい、途中からはLCCターミナルに向かう貧乏人どもで溢れかえる「新快速より速い日本で最速の特急料金不要の列車」は無事に午前8時には成田空港駅に到着、腹に詰め込んだ客共を吐き出すのであった。

んでもって、以下、成田から福岡板付国内線ターミナルまでのLCC桃さんに関しては、10数年前にニッポンの空にもLCCが出現し革命が起きた頃にあれやこれや当電子壁新聞「たびの空」でお伝えしました通り。ただ、当初は「夜行バスの空版」という感じで利用者も深夜バスのそれと被っている感じだっのが、今やすっかり普通の交通機関。本日も、どうみてもJALかANAの上級クラスでしょ、貴方は、って感じの偉そうなオジサンたちが若者の無礼さに文句言ってたりしましたです。子どもが多いのは季節がらでしょうけど、熟年層の利用は圧倒的に増えてきてますね。

ま、そんなこんなで曇り空の板付国内線ターミナルから荷物を引っ張って出たのは12時半くらい。いよいよ本日のハイライト、温泉県盆地への陸路移動でありまする。

到着口を出て真っ直ぐ、国内線ターミナル最北端のバスセンターに向かい、由布院行きバスの運行状況を尋ねると、ここじゃわかりません、の塩対応。昨日から一般道迂回で運行は再開しているということだが、どれくらいかかるのか、亀の井バスや日田バスなどの大分側から福岡に来て引き返す便が定時運行しているわけがなく、どれくらい遅れているのか、がっつり遅れるなら、食い物屋がほぼなにもない(やっと吉野屋だけは再開したそうな)国際線ターミナル側に行かず、フードショップ溢れる国内線ターミナルで喰っていきたかったんだが、どうやらこれはダメそう。

仕方なくそのまま国際線ターミナル連絡バスに飛び乗り、由布院便が出るお馴染みのバス停に行き、どんな按配なの、と乗客ハンドリングしてるおねーさんに尋ねても、やっぱり現場末端には情報は来ておらず、ともかく1時8分にはここに居て下さい、ええ、お客さんのキャンセルなどはまるでなく、2台出ますから、大雨とかでもインバウンドの方は全然減らないんですよぉ不思議ですよねぇ、大混雑です…

もうすっかり「俺のコンビニ」福岡空港国際線ターミナル1階唯一のオアシスたるセブンイレブンで巻物と野菜ジュースを買って、猛烈な湿気の中をベンチに座り、元気で楽しそうなアジア各地からのカップルたちをぼーぜんと眺めながら喰らい(ちなみに朝も成田空港桃さんチェックインマシン向こうのコンビニでハムサンドであった)、天神から由布院行き西鉄バスがやってきたのは、定刻を20分ほど遅れた1時半前でありました。
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パツパツのバスの後方左側窓際席に詰め込まれ、太宰府インターから九州道に入るいつもの道程は、報道にあったような大災害の気配はまるでなし。鳥栖インターで左に曲がり大分道に突入、筑後平野は見渡す限り水だらけなのかと思えば、曇り空の下に緑の田圃がノンビリと揺れておりまする。大被害が伝えられるカッパの街と「そよ風ホール」の田主丸は車窓の反対側なので
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満員のバスとなれば様子はまるで分からず。

この先に入口が土砂崩れで普通になっているトンネルがある朝倉インターチェンジに至ったのは、1時55分くらい。温泉県盆地バスセンター行き西鉄バスはおもむろに下道におり、山崩れ洪水被害が盛んに報道されている田主丸の市街へと南下、筑後川を越えるも
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普段は知らない道なので、果たして流れがいつもより多いのかどうか、まるでわからぬやくぺん先生なのであーる。バスの前には夏でも冷房無しで兵隊達を詰め込んだ我が陸軍の兵員輸送車両が張り付き、冷房の効いた大型バスに楽しそうに並んで座っているカップルたちの姿を見せつけるのが申し訳ないような気がするも…
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まあ、我が軍兵隊とすれば「世界のどの軍隊よりも自然災害との実戦経験を積んでいる先鋭部隊」の誇りを胸に、暑さに耐えて欲しいものであーる。それにしても、軍の輸送車に冷房がないのは、東名の御殿場辺りでも痛々しいものであるがぁ、世界中の軍隊でああいうもんなんでしょうかね、兵員輸送って。

もとい、で、そんなこっちを羨ましそうに眺める(こともない)兵隊達の後ろを追いかける我が西鉄バス、やがて田主丸駅と筑後吉井駅の真ん中より東のうきは市内で久大線にぶつかる前に国道210号線うきはバイパスに入り、左折して一路東へ向かうのじゃ。とはいえ、周囲に目を凝らすに災害の影はとくになく、うううむ、著名インフルエンサーさんが辺野古に行って「誰もハンストなんてしてません」と間抜けな発言して炎上したのと同じ、災害にせよ市街戦にせよ、ホントに通りをひとつ隔てるとまるで平和な世界が広がっているものなのだ、という事実をあらためて認識する次第。

淡々と一般道を進む観光客満載のバスは、運休中の久大本線を跨ぐ。やがてバイパスが旧道と一緒になった町外れで前を行く兵員輸送車は道の駅うきはで休憩らしく、ここでバイバイ。再び筑後川を跨ぎ福岡帝国から温泉県に入る頃には、筑後川の向こう、北に望む土砂崩れがあったトンネルの上空を、我が空軍の救難探査機U125が低空で駆け抜け
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上空からの人捜しをしているのやら。

県境を越えて筑後川は三隅川となり、その南側を国道210号線を淡々と進む車窓からは、恐らくはとんでもないことになっているであろう彦山やらに入っていく国道211号線への渋滞が眺められる。夜明駅辺りからは渋滞もなくなっていたようなんで
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やはり北上する道が滅茶苦茶なんじゃろなぁ。かくて下道を走ること40分程で日田市内に至り、観光シーズンを前にまた洪水で大被害の天領日田、巨人の進撃は止められても毎年のように水の浸入は止められないんじゃのぉ。

市内中心部には至らず日田駅の西を三隅川を跨ぎ北上
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日田インターから大分道へと戻ったのは、本来ならば当バスが由布岳を仰いでいる筈の2時55分頃のことであったとさ。

以下、ゆふいんの森号が運休中故にバスを使ったのであろうカップルを天ヶ瀬バス停で降ろしたりしながら
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我らが西鉄バス空港直結線が由布院駅前に到着したのは、3時51分のことでありました。
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福岡空港国際線ターミナルを出て、実質2時間と20分ちょい。いつもは1時間45分くらいの道程、高速大分道不通区間があってこれくらいで辿り着いたのは立派なものと考えるか、はたまたやはり遠いなぁと考えるか。ちなみに博多駅から特急ソニック利用で小倉周り大分駅経由JR利用なら、最速で3時間半だそーな。

なお、下にうきはバイパスに入る直前から日田市内に辿り着く迄の30分、車窓の映像を貼り付けましょうぞ。画質最悪で、単に淡々と国道210号線左手風景が流れるだけ、音は消してご覧あれ。

ゆふいん、やっぱ、遙かなり。

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