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遅れている言い訳 [売文稼業]

今やってる作業が猛烈に遅れている言い訳です。なんせ、1年半以上遅れてるんだからさ。読者対象は、ええと、3人くらいかな。いやはや。

一昨日から、この作業の資料を全て持ち込んでいる葛飾セーフハウスに籠もって、数ヶ月前に1週間ほど籠もってやった続きをやってます。あと数時間で佃オフィス&厄天庵に戻り、明日からの3週間のツアーの荷物詰めをせねばなりません。なんせ、もうNY行き飛行機のチェックインはしちゃったわけで。明日の夜は「ラインの黄金」、明後日は「ヴァルキューレ」、週末は東京Q、っても、なんかまるで実感ないです。

ええ、今やってる仕事、作文の作業量だけからすれば120枚くらいが目安。先月だかに地獄のようにやった『戦後のオペラ』はトータルで作文量が180枚を越え最後の数十枚は香港往復挟みつつほぼ徹夜3日連続の突貫工事、先週の水曜日に枚数と内容がやっと決まった連休前進行原稿も途中に酒席2晩挟みつつ日曜日までに26枚入れたわけで、それを考えれば1週間もお籠もりすれば完成する筈なんですわ。取材も、すべきものはやってあるし。

ところが、この原稿、なんと1日に2枚くらいのペースでしか書けないんです。もう、これで精一杯。この無責任きわまりない電子壁新聞だったら、原稿用紙2枚分なんて3分ですからねぇ。いやはや。

つまり、この「原稿用紙2枚で1日」と「原稿用紙2枚で3分」の違いこそが、「書いてあることは一応、ホント」なのか、「書いてあることは嘘ばかり、信じるな」かの違いなわけですね。

とりわけ、この原稿、プロローグから1章、それに2章の前半部分まで、恐らくトータルで30枚分くらいのところは、1平方メートル辺り4つの地雷がばらまかれた有刺鉄線の下を匍匐前進するみたいな、猛烈な慎重さが要求される部分なんですわ。具体的なことが言えないので隔靴掻痒この上ないんだけど、よーするに、「現存する人で、自分の情報については自分で神話をつくるようなコントロールを(意識的だ無意識だか知らぬが)してきている人やその人を巡る情報について、可能な限りその人から直接の情報は得ずに、でも最終的にはその人が読んでダメ出しをされないように書く」という作業が要求されているわけです。

これはねぇ、すごおおおおく高度というか、無謀な作業なんですわ。

そんなことせずに、さっさとその人の話を聞いてしまえばいいじゃないか、と思うでしょ。だけど、それをやってしまうと、結局、その方が過去に散々やってきた話と同じものが出来てしまう。それほど求心力のある方なんで。

ぶっちゃけ、こんな大変だとは思ってなかったですわ。20年前の駆け出しの頃なら、なんの怖さも知らずにやれちゃったことなんでしょうけど、この歳になるとさすがにそういう見て見ぬ振りは出来ないし。

もう終わっちゃったから言うけど、今年の「東京春音楽祭」の当日プログラムとウェブサイトに掲載されていた原田貞夫さんの滅茶苦茶面白い自伝聞き書き、あのやばさを判って下さる方なら、小生が今苦しんでいることの意味がお判りになると思うですわ。あの貞夫さん伝、この業界の人間じゃなくてスポーツライターさんを使ったというのは、とっても賢い編集者さんの選択ですね。あれは、業界内を知っている人では書けない。ちなみに、小生は来る5月の東京Q最終公演の当日売りプロに公式の東京Q伝を書かせていただいてますです。はい…

さて、あと数時間でなんとか1章まで終えて、雨の中、佃に戻りましょ。明日は北太平洋をずーっとテープ起こし2つやりながら越えます。ANAさん、たいした映画やってなくて良かった。新しい「ダイハード」、まだ飛行機でやらんのだなぁ。それとも飛行機が落ちる話だからやれないのかな。

追記

やっとプロローグから第1章まで、初稿を終えました。ホントは今日までに全体を一度脱稿すると宣言してしまったのだが。いやはや。やっとN氏が博多のK先生のお宅の扉を叩くところまで辿り着きました。なんとここまでで31枚、4分の1使ってしまった。まずいなぁ…

この原稿、一応はドキュメンタリーなので、最終稿では随分変わってしまいそうなこの31枚の中のどの1行にも、出典の根拠や何らかの形で裏が取れていない記述はありません…と言いたいところだが、たった今、第1章最後から2つ前の段落で、初めてひとつの推察を入れました。なんせ、相手が物故者なもので。記述としては「これは裏は取れてませんよ、でも、状況証拠を並べるに、凄く高い可能性でそうだと思われる推察ですよ」と判るようには記してあります。
推察で書いて良いんなら、とっくに1年前には終わっていた仕事ですから、ここまで引っ張った以上、もうこの方針を貫くしかないですわ。我ながらアホだなぁ、と思わんでもないが。

ともかく、これで佃に戻り、明日からのツアーの荷物詰めをします。ふうう…

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