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きずな号は北の深夜バスの女王なのじゃ! [たびの空]

久慈にやってまいりました。朝の10時半。
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どうやらフィリピンフィルの単独練習は昨日だったそうで、午後2時の群響との合同演奏練習まで、団員の皆さんは街を散策したりスーパーにお買い物に行ったりしてるらしい。きけば、この町の周囲にもフィリピンからやってきた奥さんなどはいるそうで、それなりに南の島が故郷の方はいるらしい。とはいえ、これだけタガログ語が響いているのは市政開闢以来じゃないかしら。

さても、帝都から遙か、此の地に至る道程たるや…諸処の事情で経費節減は必至。となれば、そー、貧乏人の友、深夜の列島の王者、深夜バスでありまするっ!なんせ、帝都から久慈まで6500円也っ!

てなわけで、池袋で千人の皆様にファウストと一緒に昇天させていただき、粛々と東京駅八重洲口の指定された場所に向かいます。佃縦長屋への最終都バスが出る頃、我らが「きずな号」の乗車口は都バス乗り場の向こうにズラリと並ぶ長距離バス・ターミナルではなく、八重洲ブックセンターに向かう横断歩道の彼方。なんと、横断歩道上で指揮者の大友氏とバッタリ遭遇。明日はよろしく、というと目を白黒なさってました。まさか取材にバスで行くとは思ってないだろうになぁ…

んで、これがバス停じゃ。
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八重洲口始発ではなく、六本木ヒルズからやってくるようじゃわい。

かくて出発時間の10時45分が迫り、久慈に向かおうという善男善女が三々五々やってくる。がぁ、定刻になっても「きずな号」はやってこない。人々は焦る感もなく、10分程遅れて凄いラッピングのバスが来ましたぁ。さて、乗り込みましょか。
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おお、なんと、「水曜どうでしょう」で深夜バスの恐怖が世界中に知られるようになった頃から既に「禁断の」と怖れられていた、あの4人掛けシートではありませんかぁあああ!
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閑散期のウィークデーとあってか、この時点では親子連れ以外は2席にちゃんと座ってる客は見当たらないものの、高速に入るまであと一駅、東京ドームホテルでこの最強っぽい深夜バスと闘おうという奴らが乗り込んでくる予定だが、さても、どうなることやら。14分定刻を遅れ、11時前に出発じゃ。いきなりの悠然たる遅れっぷりに、深夜バスの北の女王たる風格を感じざるを得ないのであーる。

隣はどうなることやら、と心配しつつ京橋の向こうに聳える佃縦長屋にぶ厚く降ろされたカーテンの隙間から手を振り、お堀端の気象庁横から毎日新聞横、はたまた労音会館の裏辺りを通って、神田川を渡り東京ドームホテル前に至るも…ホテルのロータリー前をあっさり通過、そのまま後楽園をぐるりとまわって大曲横はトッパンホール手前から首都高池袋線に入ります。やったぁ、2席独占だぁ!これなら「きずな号」に勝てるかもしれんぞ。

「きずな号」は王子駅下から隅田川を渡り、荒川放水路を渡り、川北ジャンクションからあとはひたすら北上。飛ばすなぁ。さて、次はもう盛岡かぁ、周囲はすっかり深夜バスに洗脳され寝始めた人々ばかりじゃわい、しょーがないなぁ、もう戦いは止めて寝るしかないのか…ったら、佐野近辺でいきなりバス中に響き渡る地震速報!「きずな号」もサービスエリアに進む。なにやら機材チェック…でもあらず、定刻の佐野サービスエリアでの停車だそうな。
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「深度1です、深度4以上だと即刻ストップしてチェックなんですけど」と我らが頼もしい北のドライバー氏であった。午前1時前に佐野サービスエリアを発車すると、あとはひたすら東北道を北上するばかり。

んで、気が付くと外はすっかり秋の東北なのであった。盛岡手前のぞこぞのサービスエリアで朝6時過ぎに停車。
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なんのかんので7時前には盛岡駅に到着。深夜もカーテンを全開にしていた親子が降りて行く。そろそろカーテンが開けられて、深夜バスモードはオシマイになるのか、どうやら「きずな号」本社営業所のようなんで、そこで昼間モードになるんだろーに。
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下道を暫く進み、新幹線も走り始め、朝の通学の学生さんが姿を見せるローカル駅に隣接する本社ロータリーをぐるりと抜けるも、フラッグシップ「きずな号」を一列でご苦労さんと見送るばかりで、停車すらしません。岩手山も迎えてくれる秋の朝。
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また東北道に入り、ちょこちこ下りては誰も乗ってこないし降りもしない停留所にまわりつつ、いよいよ青森方面と八戸方面への分岐点も突破
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二戸駅に寄って数人のお客を降ろし、目的地へのファイナル・アプローチ。既に午前8時を過ぎ日は高く、深夜バスではないのだけど、車内はしっかりカーテンを降ろされて真っ暗な深夜状態のままでの走行でありまする。

かくて帝都から10時間とちょっと、高速の出口が見えてきた。
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下道におり、信号もない山間の道をドンドン進み、久慈市に突入。午前9時過ぎ、「きずな号」はようようJRと三陸鉄道の久慈駅前に到着。「あまちゃん」ワールドが広がってら。やくぺん先生以外の乗客は全員が下車しました。でも、まだ車内はこんな状況。
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「カーテン、あけないんですか?」と尋ねると、「うちは最後まで下ろしてるんです」とのこと。うううん、徹頭徹尾深夜バスとしてのアイデンティティを貫徹する「きずな号」、北の女王と呼ばれるに相応しいぞっ!

そして見よ、あれがアンバーホールじゃ。
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かくて「きずな号」はホール横、市役所向かいの本拠地たるバス営業所に到着。長い深夜バスのたび、勝ち負けから言えば…深夜バスの女王様が圧勝なのであったと言わざるを得まい。ふうううう…

点検整備への向かう北の女王を見送りつつ
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営業所のオジサンになんかこの辺に喰うところありませんか、と尋ねると、駅にいかないとないねぇ、とあっさり仰るのでありましたとさ。

アンバーホールの喫茶店は、11時半営業開始だそーな。ふううう…

きずな号 守りも堅し 朝ぼらけ

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