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民音指揮者コンクール最大のリニューアルは… [音楽業界]

昨日、無事に第18回民音国際指揮者コンクール、もとい、東京国際音楽コンクール〈指揮〉、が終わりました。結果はこちらをご覧あれ。
https://www.conductingtokyo.org/18th/

1967年から3年毎にきっちり開催され続けているコンクールって、案外、世界にありそうでない。だいたい、途中でちょっと様子がおかしくなって年度が開いたりとかあるんだけど、そういうことが一切無くずーっつ続いている。ほれ。あ、前回が上がってないけど、ちゃんとやってます。
http://www.min-on.or.jp/activities/pdf/concour.pdf
国際的、とされる指揮者コンクールとしてはアジア圏で唯一だそうで(このジャンル、良く知らないんだが、民音さんはそう仰ってます。確かにオーケストラというインフラが前提のコンクールですからねぇ)、実際、上海の評論家君と、アメリカン・レコード・ガイドのライター氏が本日の記者会見にも来てました。なんでそういう奴らと神楽坂某専門誌の編集長が交代した話をするんねんっ!

やくぺん先生などにすれば、「民音コンクール」といえばもうひとつの勇たる「室内楽」というのがあったわけだが、90年代初めにアマネットQが優勝してその勢いでバンフに乗り込んで優勝した芝の郵便貯金ホールでやった大会を最後にそっちは終わってしまい、ハレーVSブロドスキー、イグレッグVSレニングラード、という伝説の闘いも今や殆ど誰も知ることのない歴史の彼方。ちなみにイグレッグQって、第1ヴァイオリンは現都響コンマス、第2ヴァイオリンは現群響コンミス、ヴィオラは元都響首席でソリスト、チェロはソリストの近衛家お孫さん、という今から思えばとんでもないメンツだったんだわなぁ。ふうう…

何故か民音さん、指揮者コンクールだけはきっちり続けて下さって、恐らくは世界で最も歴史ある国際指揮者コンクールのひとつとなっている。なんせ、ミュンヘンARDコンクールやジュネーヴ・コンクールには「指揮部門」ってないし。ブザンソンなんぞがよっぽど特殊と考えるべきなんでしょうねぇ。

で、そんなこんなの旧民音コンクール、一応商売もん原稿をやるのでまともなことは書けないのだけど、絶対表の原稿には書けない吃驚をふたつ、でもかなり重要なポイントを記しておきます。

ひとつめは、民音の方が誇らしげに仰ってた事実。曰く、「今回から私どものコンクールもジュネーブの国際音楽コンクール世界連盟に加盟いたしまして…」。
えええええ、これまで加盟してなかったんだぁ。いや、別に加盟してないからどうだってんじゃないし、ロンドン大会みたいに意図的に加盟していないところもあるわけで、それはそれでご自由になんだが、これだけちゃんとやってるところが入ってなかったのはどうしてなんじゃろうかね。日本では浜松も大阪も、神戸、はたまた仙台も加盟してるのに。考えられる理由は、20世紀には世界各地でかなりきちんとした予選をやっていて、そのやり方や本選の審査員の配分などが連名の規程とは合わないというところもありそう。

流石に今日のレセプションで「どうしてなんですか?」と関係者に尋ねるわけにはいかなかったけど、いずれ誰かにちゃんと質問しないとなぁ。

もうひとつの驚きは…些か「ううううん…」的な部分も大きいのだけど…今年からこの大会も企業スポンサーを取るようになったことです。無論、これまでもアサヒビールさんという大きなスポンサーはあったのだけど、今回からは他にもメイジャースポンサー、それに企業サポーターという名前のスポンサーが1ダースほどが加わりました。両者の違いはなんなのか、これは民音の方にお尋ねしたら、単純に額だとのこと。

勿論、スタッフが仰られる「企業の皆さんにこういうものに関心を持っていたきたい」というのは誠にもってそのとおりで、それはそれでよろしいことだし、ああいう場所で会社の名前が呼ばれて社長さんがお辞儀したり、表彰式の雛壇に並んだり、表彰状渡したりすることで「おおお、ブンカに貢献してるぞ、弊社も」と実感していただくことは極めて大事なことであります。
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それはそれで全て納得した上で、それでもやっぱり……うううん、民音さんまでが企業のスポンサー獲得競争に参戦してきたのかぁ、と思わざるを得ないのでありまする。はい。

とにもかくにも、そんな新機軸で変化し続ける民音指揮者コンクール、優勝者コンサートは5月に予定されておりますので、ご関心の方は情報に目配りしておいて下さいませ。

さて、明日からは作文週間じゃあ。すっかり熟れきった柿の実が落ちるのを眺めながらの、葛飾プチお籠もり。

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