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聖母被昇天日翌朝 [シモン・ゴールドベルク・メモリアル]

旧盆の8月15日は、聖母被昇天日だったり、光復節だったり、VJDayだったり、解放記念日だったり、敗戦記念日だったりするわけだけど…

そんな日から1日遅れで、東京は護国寺の山根家墓所、シモン・ゴールドベルク&ゴールドベルク・山根美代子ご夫妻のお墓に、お弟子のひとりが詣でて参りました。

もう秋も近いはずなのに、音羽の参道の奥に控えた古いお寺の砂利は朝から強烈な太陽を照り返し真っ白で、サンシャイン60が見えなければ街の中とは思えぬ緑たちはギラリギラリと輝いてる。ニックの息子が大喜びする蝉の鳴き声が、強烈なポリフォニーで響き合う。

立っているだけで全身から汗が噴き出る空気の中、花々や、立山から移された樹木たちの間に据えられた四角い石の塊の前で、ニックは随分と長い間座り込んでる。この前にこの場所を訪れたとき、梅雨の終わりの大雨の中で花を捧げていた人が、今、あの中にいる。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20060719

墓所の入口にたてかけた「バロン・ヴィッタ=ゴールドベルク」を気にしながら、周りの緑に水を撒く。左手のお花たちは、まだ随分と元気。死者が戻ってくるというこの時期に、この場所に足を運んだまた別の生者がいたようだ。

そういう人がいる限り、死者は、ホントは死んじゃいない。あの方が聖母だったかどうかは、判らないけど。


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ゴールドベルク翁ソナタ教室の伴奏専門家 [シモン・ゴールドベルク・メモリアル]

ご紹介が遅れましたけど、先月の終わり頃から、ホームページ上に「シモン・ゴールドベルク・メモリアル音楽祭」の公式ホームページが完成しており、情報がいろいろ上がっています。こちら。
http://www.szymon-goldberg.jp/index.html

さて、今年もまた行きがかり上の勝手連的ボランティアでいろいろと当湾岸の電子壁新聞でも情報を出させていただきますので、よろしく。ネタはいくらでもあるけど、まずは、講師陣の中で読者諸氏が全く知らないであろう名前を紹介させていたきましょう。ピアニストのリュウ氏です。経歴を音楽祭公式ホームページからまんま引用すると以下。

「マンチェ・リュウ 劉孟捷(ピアノ)
1971年台湾生まれのピアニスト。6歳でピアノを始め、直ぐに頭角を現し、12歳のころにはアジア太平洋地区の数多くの青少年音楽コンクールで優秀な成績をおさめた。13歳で渡米、カーティス音楽院で8年間学び、ジョージ・ボレット、エレノア・ソコロフ、クロード・フランクなどに師事。この間、室内楽の勉強のため、シモン・ゴールドベルクの教室で盛んに弦楽器との合奏を行っている。卒業直前にアンドレ・ワッツのリサイタルで代役を務め、その華麗な演奏は絶賛を受け、センセーショナルなデビューを果たした。
しかし、1995年のスポレト音楽祭出演後、原因不明の病気で手が不自由となり、長い闘病生活と苦しいリハビリテーションを経て、1998年末、リサイタルで奇跡の復活を果たした。
近年、北アメリカやヨーロッパ、日本などの東アジアで数多くのリサイタルやオーケストラとの共演を行っている。2002年にはエィヴリー・フィッシャー財団のキャリアグラント賞を受賞した。1993年からカーティス音楽院で教鞭をとっている。」

あちこちで見るような経歴だなぁ、とお思いでしょうけど、実はこの中にさり気なく猛烈に重要な事実が記されているのですね。 お判りですか。そおおお、この方、シモン・ゴールドベルク翁がカーチス音楽院でニックやらヴェスナやらパムちゃんやらを教えていた頃に、弦楽器の学生たちの相手をしてピアノを弾く専門家だったんです。ニックに言わせれば、「マンチェはゴールドベルク先生のレッスンで全部ピアノを弾いてて、誰よりも先生が室内楽について仰ることを吸収していた奴だよ」とのことです。これほど「ゴールドベルクの考えていたこと」を知っている人は現役世代ではいない。ですから、セミナーという意味では、最高の人材なわけですな。こういう人がいるんだなぁ。

ちなみにマンチェ氏、腕が恢復してからは極東にも屡々いらしていて、昨年夏は台湾のエヴァーグリーン響(長栄交響楽団)とブラームスの第2協奏曲を録音し、緩徐楽章の長大なチェロ独奏のために首席にはどうしてもボロメーオQのイーサン・キムに来て欲しいと要請、イーサンはバタバタと台北に向かっておりましたっけ。あの録音、どうなったのかしら。ラ・フォル・ジュルネにも来てるオケですから、日本でも少しは情報は入ってるかな。

ゴールドベルク・メモリアル・セミナーのご案内は、音楽祭公式ホームページからどうぞ。


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「ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ」米国立国会図書館へ [シモン・ゴールドベルク・メモリアル]

2007年5月18日、「ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ・グァルネリ・デル・ジェス」が、新所有者のアメリカ国会図書館から、シモン・ゴールドベルク晩年の愛弟子にしてボロメーオQの第1ヴァイオリン奏者ニコラス・キッチン氏に貸与されました。

写真は、演奏会前のセレモニーで国会図書館の偉い方から恭しく「ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ」を受け取るニコラス・キッチン氏。場所は言うまでもなく、かのクーリッジ・オーディトリアムです。山根先生関係者の居並ぶ客席のすぐ後ろには、音楽好きで知られるアメリカ合衆国国務長官ライス女史も姿を見せ、セレモニーの証人となっておりました。おお、ここはワシントンDCだっ!ちなみに、セレモニー前には、KNB放送作成のドキュメンタリー『一粒の麦芽ぐむ』が隣室で北米初上映されております。映ってるのはゴールドベルク翁が最期にレッスンした古部賢一氏でありますな。

「こしのくに音楽祭」のため、ゴールドベルク未亡人山根美代子女史がシモン・ゴールドベルク氏没後にスミソニアン博物館に寄贈されていた「バロン・ヴィッタ・グァルネリ・デル・ジェス」を現役に復活させ、富山で復活演奏会が行われるまでの過程は、昨年さんざんにお伝えした通り。この辺りからご覧あれ。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20060505
「こしのくに音楽祭」でカテゴリー検索すれば、新書本1冊くらいの分量の物語になってますので、お暇な方はどうぞ。
里帰りコンサートから1ヶ月もしないうち、まだ音楽祭が続いている最中に、己のこの世での生が長くないことを周囲の多くの人に隠しつつ猛烈な勢いで音楽祭を推進した山根音楽監督が世を去り、「こしのくに音楽祭」が再編成を余儀なくされたことも、当電子壁新聞で何度かお伝えいたしましたっけ。

一方で、「ヴィッタ男爵」にも様々な面倒なことが起きておりました。殆どが法律的なことです。そっち方面に関心がある方ならもう面白くてしょうがなかろう、興味深く、複雑極まりなく、めんどくさいことこの上ないことが、太平洋を挟んで起きたわけです。誰が悪い、というんじゃないんですけど。ま、所有権の移転に不可欠な法律作業ですわ。

なんにせよ、この日のワシントンDC国立国会図書館主催の室内楽演奏会シリーズ、2006-7シーズン最後の演奏会が「故ゴールドベルク山根美代子追悼演奏会」とされ、同時にこのグァルネリ銘器を巡る様々な問題に公式に決着が着いたと世に知らしめるセレモニーが行われたのであります。

結論から申しますと、故ゴールドベルク未亡人の親族及び故ゴールドベルク氏の遺産(はっきり言えば楽器)を未亡人のために管理することを目的にアメリカに設立されていた財団が協議を重ね、下した決断が、一番上に記したものでした。
要するに、「ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ」は未亡人急逝後の法律的な所有者からアメリカ国会図書館に寄贈される。新たな所有者のアメリカ国会図書館は、寄贈者からの意向を受け、この楽器を展示品にはせずに、現使用者のニコラス・キッチン氏に貸与する。今後、キッチン氏は国会図書館の様々な音楽イベントや音楽研究に積極的に関与協力する」ということ。

「ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ」は、今後も世界のどこでも音を奏で続けられるようになりました。それどころか、ニックはこの楽器を使ってアメリカ国会図書館のための仕事をいっぱいしなければならなくなった。国会図書館音楽部門ディレクター女史によれば、かつてはブダペストQやジュリアードQがレジデンシィとなっていた国会図書館は、現在は方針が変わってレジデンシィをやっていないそうなので、結果として実質的なレジデンシィに近い役割を果たすのがボロメーオQになりそうな雰囲気です。
予定されている最初のプロジェクトは、ここクーリッジ夫人の委嘱で作曲され、クーリッジ・オーディトリアムで初演され、国会図書館に猛烈に綺麗な手書きのオリジナル譜が収められているバルトークの弦楽四重奏第5番に関する「図書館が所有する歴史的リソース有効活用プロジェクト」だそうな。近い将来、アメリカ国会図書館の公式ウェブサイトでバルトークのオリジナル譜を眺めたり、ボロメーオQの演奏で音資料が出てきたりする、ということになりそう(早速週明けからこの会場で録音とのこと)。セレモニー後の演奏会でもこの曲は演奏され、ロビーにオリジナル譜と初演時の演奏者サイン入り当日プログラムが展示されておりました。

「こしのくに音楽祭」が発展的に解消し、新たにこの9月から富山で始まる「シモン・ゴールドベルク記念音楽祭」にも、当然、セミナーをするニックやボロメーオQと共に再び里帰りしますので、富山の皆様、ご安心を。詳しい情報は、追ってお伝えいたします。まずは遙かワシントンDCから、事実関係のみをお伝えいたしました。


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シモン・ゴールドベルク・メモリアル07 [シモン・ゴールドベルク・メモリアル]

新しいカテゴリーを立てます。「シモン・ゴールドベルク・メモリアル」です。

来る9月9日から、富山県魚津市天神山交流館をメイン会場に、「シモン・ゴールドベルク・メモリアル07」が開催されます。
内容は、基本的にはセミナーです。演奏会としましては、セミナー支援者の皆様に対するお礼という形でのコンサート、それに富山県立近代美術館に寄贈されたゴールドベルク・コレクションと関連しての美術館コンサートが予定されております。

音楽アドヴァイザーには、1950年代にアスペンでシモン・ゴールドベルク氏に指導を受けたヴァイオリニスト小林健次氏が就任いたします。他にも日本でゴールドベルク氏の薫陶を受けた音楽家が協力し、3月27日に実行委員会が組織されました。

公式ホームページが出来るまで、情報は当電子壁新聞にて追って報告いたします。

なお、誠にタイミング良く、フィリップスに録音されたゴールドベルク氏オランダ室内管弦楽団時代の録音がセットで再発売されるそうです。
http://www.hmv.co.jp/news/article/704120050
これまで存在も殆ど知られていなかった声楽録音の他、ハイドンの鍵盤協奏曲のピアノとチェンバロでの録音など、オランダがピリオド楽器演奏の拠点となっていくプロセスでどのような活動が行われていたのか、ピリオド演奏ファンの皆様にも関心が高い内容かも。ご存じの通り、ビルスマなどは若い頃はゴールドベルクの下でバッハやハイドンを身に付けていったわけですから。

残念ながら、ミヨーなど近代物は含まれておりません。ゴールドベルク翁が唯一遺したバッハのカンタータ録音も、このセットには含まれておりません。で、上述のHMVホームページには、その部分をフォローするような情報が上がっておりますので、ご関心の向きはそちらもどうぞ。

なお、昨年開催されました「こしのくに音楽祭」に関しましては、「こしのくに音楽祭」というカテゴリーはこちらには吸収せず、アルヒーフとして遺します。必要な方はそちらを参照下さい。


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