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豊後竹田の室内アンサンブル上野の杜公演決定 [演奏家]

竣工早々にコロナ騒動となってしまった豊後竹田の豊肥本線沿いの立派な公立ホールを拠点に、正にコロナ禍真っ最中に立ち上がった「Taketa室内オーケストラ九州」、初の東京公演が正式に決定し、チケットが発売になりました。
taketa東京公演.jpg
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2314566&rlsCd=001

オーケストラ、と呼称するものの、なにせ竹田市は人口2万人程度の大分と熊本の境の古い城下町。フルサイズのオーケストラを支える規模の都市ではなく、要は室内アンサンブルです。こちらが公式ページなのかな。
https://www.taketachamberorchestrakyushu.com/

九州には、長いアマオケの伝統がある熊本や福岡、かつての大工業地帯としての組合運動もバックにした小規模アンサンブルが多数活動する北九州など、首都圏や関西圏に乱立するメイジャー級のプロオーケストラとはちょっと違うあり方のオーケストラ活動があれやこれや存在しており、小規模アンサンブルとしても藝大から松原かっちゃん先生が来ている長崎は大村のアンサンブル、澤先生が盛んにおとずれる北九州の響ホールアンサンブルなどが活動しているわけですが、それにしても流石に豊後竹田という山深い場所を拠点にするというのはちょっと無茶な感は否めない。ちなみに、一部で誤解があるようですが、グランツたけたという新公共ホール文化財団が直接運営したり、レジデンシィとして予算面をしっかり補助しているわけではなく、あくまでも豊後竹田で立ち上がった社団法人民間アンサンブルです。

この豊後竹田という場所、なんせ豊肥線の列車が駅に到着する度に《荒城の月》がフルコーラス流れるところ、要はニッポン洋楽界最初の真の才能、夭折しなければどんなことになっていたやら、滝廉太郎が暮らした街なのでありまする。町外れの駅から旧市街にちょっと歩けば、滝廉太郎が住んだ旧家も保存されておりまする。
IMG_8554.jpg

このアンサンブル、創設の経緯はなんのかんのなんのかんのあるものの、ともかくご当地文化遺産としての滝廉太郎を依代に活動を始め、コロナ禍の2年程を試行錯誤を繰り返してきました。やくぺん先生としては、知り合いのスーパー元気印元某在京オケ広報さんが起ち上げ広報に関わってらっしゃった縁もあるし、地勢的には新拠点となった温泉県盆地から山をふたつくらい越えわずか数十キロの南の隣接市ということもあるし、知らんぷりをしているわけにもいかんじゃろて。

とはいえ、公共交通機関では大分経由で最速3時間でソワレ公演では終演後に盆地まで戻れず、車がないと信じられないという顔をされる車社会とはいえ、狸や鹿を轢きそうになりながら真っ暗な県道を2時間は走らねばならぬ僻地。ここキューシュー島って、ぶっちゃけ文化的には山が隔てた離島の集まりみたいなもので、距離が近くても全く行き来がないんですわ…ま、それはまた別の話。

もといもとい。幸いにも週末のマチネで公演を行ってくださることが多く、盆地の田舎者やくぺん先生も、これまで本拠地竹田に聳える我が田舎の盆地町とすれば涎が出そうな素敵すぎるホールでの公演は2回、実質上初の県内遠征となった佐伯公演と、3回ほど本番を拝聴させていただいております。19世紀ロマン派オーケストラの名曲傑作を小規模編成用に編まれた楽譜で指揮者付きで演奏する「マイクロ・オーケストラ」としての在り方が基本で、フルオーケストラの移動もそれほど難しくはない国土の規模、さらには1管編成で《魔笛》やら《フィガロの結婚》、ことによると《イエヌーファ》くらいまでやっちゃわねばならない小規模市立歌劇場なども存在しないニッポン列島では、こういうタイプのマイクロ・オーケストラって案外と必要がなかったのか、過去に存在しないタイプの団体でありまする。小編成のための楽譜で《新世界》とかショパンのピアノ協奏曲なんぞを定期で披露、佐伯公演ではマエストロ茂木の棒で低弦のパワーが炸裂するベートーヴェン第7番を爆演。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2023-02-12
無論、指揮者なし編成のナッシュ・アンサンブルとかみたいな「本来業務」に近い活動もあり、第3回定期でのラインベルガーは、この団体の実力を発揮した立派なものでありました。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-09-24

てなわけで、この団体が満を持して(ってか、早々に、って感じでもあるんだけど)顕彰する滝廉太郎の音楽的な故郷、上野の杜へとやってまいります。流石に策士が仕掛けるだけあり、プログラムは廉太郎関連と、アンサンブルの実力を示すラインベルガーで、新帝都の口煩い連中にも文句を言わせんぞ、という堂々たるラインナップでありますな。

そろそろ梅雨のジメジメも始まっている頃の新帝都、豊後の地からのフレッシュな響きに請うご期待。

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